前回までのあらすじ
奈々は美里と部屋のトラネスのポスターの跡を消す為にペンキで壁を白く塗り直し、思い出を封印しただけなのに証拠隠滅してる犯罪者みたいな気分になるのはなんでだろうと感じます…
奈々、まさかの妊娠発覚
回想では、ナナが上京する際のヤスとのやり取りが拝めます。一大決心したナナを見送りにホームにいるヤス、レンの電話番号を伝えますが、ナナは誤解しないで、あいつに会いに東京に行く訳じゃねえんだとつっけんどんです。「一緒に来てよ」の一言が言えないナナ、ヤスは「行くなよ」と告げるとナナは逆上し「だったらてめえが来い」と交渉決裂です
その新幹線で奈々と出会い、あれは忘れもしない2001年3月5日、20歳の誕生日だったのです。花火大会は台風で流れたものの、奈々の浴衣姿を拝みにノブとシンは出向き、ナナは奈々がブラストにとってペットみたいな存在で、良く言やマドンナだと称します
奈々の気づかないところで、ナナの中での存在感が日増しに大きくなり、まるで初めて恋を知った少年のように高ぶる想いが決壊ギリギリだと感じます。その事をレンに話すと、今まで通りの付き合いで何も問題ないと淡泊です。ナナとレンは燃え上がり、ナナはどうして未だにこんなに胸が焼け焦げて熱いんだろうと不思議に思います
トラネスの周りにはパパラッチが潜み、スキャンダルの瞬間を撮ろうと息巻いており、メンバーは疲弊します。奈々はスーパーの試食バイトの際体調不良で早退します。妊娠検査薬で何と陽性の結果が出てしまいます…
奈々は美里に夏バテだと嘘を付き産婦人科に行きます。検査の結果ご懐妊で妊娠6週目の半ばだと分かります。出産か中絶か即決断出来ない奈々は、写真を持ち帰ります。後日奈々・ナナ・美里でレストランに行き、美里は奈々の体調が心配なのでナナに家に帰って来て欲しいと言います(まだ妊娠した事は伏せています)
美里はこれで地元に帰り、ナナは美里の生きがい(ブラストの追っかけ)の為にも絶対日本一のバンドになると豪語します。奈々はナナとシンの生い立ちについて話し、若干意見が食い違い、子供が出来たら産んで育てたいのは当然、母性本能だと主張、ナナはピルを貰いに病院に行った際、先生にその事について相談します
強気のタクミと弱気のノブ
ブラストはスタジオ練習で奈々がいない事を寂しがります。シンは腹が痛いとトイレに行き、タバコを吸う口実を作っています。個室にいると、プロデューサー達が入って来て、音楽業界の本音を聞きシンは愕然とします
奈々は吐き気を催していると唐突にタクミが現れ、奈々は会う気がなかったのですが、巧みに(笑)侵入を許し、状況を察したタクミはいきなり奈々の携帯からノブに電話を掛けてしまいます。タクミは奈々が産みたいんなら認知して面倒見てやろうと思うんだけど、おまえはどー思うと上から目線です
レンはマネージャーと世間話し、タクミについて皆「おれたちゃ全員タクミの兵隊だ」って言っていると言われ、レンはタクミのやり方に不満なら辞めりゃいい、一緒に戦う気がねえ兵隊はいらねえんだよと信頼感を寄せます。レイラはシンと密会し、レイラは歌詞作りに苦心するも、シンに励まされます
タクミはノブにまくしたて、ノブが絶句する中ナナが電話を代わると、奈々は話せる状態になく、タクミからつわりと聞きノブに避妊していたか問いただします。しかし律儀に避妊していたノブ、確証は持てませんがタクミの子の可能性が高いのです
ノブはまだ自身で子を育てる程稼ぎもなく、無理強いするナナに対しても奈々を自分の物にしておきたいのだろうと言います。タクミが奈々に優しく接していると、ノブが家に着き、タクミは二人っきりで話させ、ノブはタクミとは完全に切れてから付き合いだしたと思い込んでいる為、弁解を求めますが、奈々は「ごめんなさい」としか言いません
タクミと結婚!?
ナナはヤスの家に押し入り、いきなり泣いて抱き着いた為、一緒にいたナオキはタクミにメールします。タクミが奈々宅に戻ると二人は既にいなく、ノブは弁解の言葉を貰えず去っており、奈々は淳子の家に相談に行っていました
タクミの態度に納得の行かない淳子ですが、奈々は彼の内心を理解しており、責められません。正直中絶も考えましたが写真を見てこの子を産みたいと感じた奈々は、ノブの誠意を裏切ってタクミに頼って子供を産む事を自分勝手だと責めます
奈々はノブの今後も考えてこうする事がベストだと考えているのです。淳子は万が一ノブの子が生まれてもタクミの子として大切に育てられるのね?と問い、奈々は「はい」と決意は固いです。京介に送って貰い家に着くと、ナナは帰っておらず、タクミがいます
ナナはヤスに諭され、奈々が誰とどんな人生を歩こうと干渉せずに優しく見守る、ヤスがナナにするようにと決意します。タクミはこれからレコーディングがあるので奈々の決意を問い、子供はタクミの子として産んで育てたいと話します
では結婚するかと豪胆なタクミ、奈々が思わず涙ぐんだところでこの巻は終わります
まとめ
ノブが彼氏になって順風満帆だった奈々、幸せな時はそう長くは続きません。よりによって妊娠が発覚、タイミング的にタクミかノブかどちらが父親なのか分からないのです…タクミの冷たさに一気に引いた奈々は一応決別し、二股していた訳ではないのですが、タイミング的には非常に微妙なのです
しかも困惑している最中にタクミに押し入られ、主導権を握られます。ゲス男と見られていたタクミは意外にも漢気があり、自身の子として産ませる気があるようで、ノブに直接その件を告げてしまう程気の早さを見せます
ノブは誠実な男なので、きちんと避妊しており、ノブの子である可能性は低いのですが、現在の二人の状況を考えると、売れっ子ミュージシャンとこれからデビューできるかという格差、どちらの子として育てるべきかは一目瞭然です
本心はノブへの想いが強いものの、この強硬策といい、意外に頼もしいタクミのやり口に奈々も少しずつ心を動かされていきます。しまいには結婚しようとまで言うのです!タクミという男、どこまで信じていいものか現時点では不明ですが、思ってもいなかった言葉に奈々が出す答えとは…9巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
コメント