前回までのあらすじ
ヤスはミューが詩音の事もお見通しだと悟り、誤解も解き、ノブも眠れぬ夜を過ごします。707号室で一夜を明かしたナナの下に舞が現れ、レンからの連絡はなく、各々少しずつすれ違っていきます…
バレンタインデー
別の時間軸では、ナナがショップでバレンタインデーのチョコを物色しながら、皐の本命がシンである事を悟り驚きます。淳子の家でくつろぎながら、タクミと離婚したくてもしない理由の方が沢山あると愚痴ります。家に帰るとタクミから電話があり、ナナのいる例の店が分かったと言って来ます
現在に戻り、ナナは奈々からバレンタインデーの手作りケーキを渡され、レンにあげてと言われ大きなお世話だと言い張ります。レンと喧嘩したのはトラネスをライバル視しているからで、無茶なお願いをしたのはナナの方ですが、レンは決してブラストを蹴落とした訳ではないとミューは言います
レンは現在レイラのホテルにおり、入れ替わりでレイラは渋谷のマンションに帰っているのです。レンの家出の片棒をかつぐな、シンに会う計画も上手く行かないよとタクミが言うと、レイラはシンに会うつもりはないと淡泊で、チョコを渡し、あたしにはタクミが認めてくれた歌があるからと告げます
「週刊婦人」には凌子の事が載っており、レイラとは似ているものの別人で、奈々は騙されたと感じます。倉田が現れますが、奈々はもう取引は一切しないと突っぱね、折角ナナの母親の居所を突き止めたのにと倉田はため息です
レイラはタクミに抱き着き、もう強がりも疲れたと本心を語り、タクミはおまえは誰よりも特別な存在なんだよ、ただの愛人に成り下がる気か?と突き放しますが、レイラは「なりたい…」と言って離れません
奈々にレンから電話が入り、ナナには今はどうしても会う気になれねぇんだと本心を吐露します。そのうち必ず迎えに行くからそれまでナナの事をよろしくなと言われ、奈々はナナとレンは引かれ合う力が強すぎるだけだと感じます
レイラはタクミとキスをしますが、マリがリハの時間だと現れ、ひと時の逢瀬は終わります。ナナは例の連ドラの話に主題歌も使ってくれるならやっても良いと話し、この世界で生き残れるならと決意します。707号室で二人のNANAは落ち合い、一緒に風呂に入り、ケーキを食べていると、ヤスが現れます
薬中のレン
ヤスはナナに帰って来いよと諭し、自分の力だけでここまで来れたとは思ってねえよな?みんなに甘えて迷惑かけないように心配かける方がよっぽど迷惑だよと語ります。奈々は本心としてはもしナナがまたあの部屋に戻ったら白金の家は今度こそ引き払ってもいいと感じています。タクミはレイラからの愛のこもったチョコに困惑します
タクミは珍しく仕事に行きたくないとごね、奈々はシンが保護観察で済むらしいのでもうすぐ帰って来る為、白金の家でレイラも呼んで会わせてあげれば良いと言いますが、タクミには酷な話です。よりによってタクミはレイラと一緒に取材で気まずい空気が漂います
ナナのソロのシングルは4月3日発売と決まり、ブラストと色を変える為パンク調ではないのですが、ナナはまた川野と仕事がしたいと願います。レンは薬の関係で手が震え、ギターが弾ける状態にありません。タクミは取材された部屋でレイラを説教すると、シンが戻って来る事を伝えます
シンが凌子にハマったのも拉致された被害者が犯人を好きになる感覚に似ているのだと語り、レイラにシンと縒り戻すのとおれの愛人になるのとどっちが幸せか冷静に考えろと諭します。レンもレイラを諭し、自身もナナを迎えに行く事は出来ないが、万が一ナナが自分から帰って来たら一人じゃ寂しがるからと家に戻る事にします
タクミとレイラも急接近!?
百合は仕事を終え、4月以降は仕事をする気はないと言いますが、百合の演技の才能を買って「この映画は絶対香坂百合で撮りたい」と言ってくれる監督がおり、心揺れます。奈々はタクミが何処にいようと疲れたら帰りたいと思える場所を作らなければ、それしか勝算はないと感じます
シンが出所し、パーティーを開いてやろうとしても部屋に引きこもるので、ヤスは一喝しまずは最初にやるべきことは皆に謝る事だと悟らせます。ナナは怒っており、シンは土下座の意味も分からない中、ナナと最初に交わした約束(レンを越えてみせる)を守る位の覚悟はあると語ります
シンは奈々に電話を掛け、タクミがレイラをなんとかしてやってくれと請うと、シンは自分を立て直すことに今は精一杯なんだ、大人になってもしまだ好きでいられたらその時は迎えに行きますと話します。するとタクミが社長に会い、レンにオモチャ与えないでねと釘を刺します
麻雀大会をしているナナに奈々がタクミからレンを永遠に失いたくなかったら今そばにいろと脅されたと連絡が入りますが、ナナから電話する気はなく、仕方なく奈々が電話するとレンは元気です。シンの事を忘れられないレイラの下にタクミが現れ、会えないと寂しくて死んじゃうと言うと俺が死なせねえよとレイラを抱きしめたところでこの巻は終わります
まとめ
シンとタクミの間で揺れるレイラの本心は、ずっとかわされ続けてきたタクミと結ばれたいという想いでした。シンとは通じるものがあるものの、今すぐはお互い会う気はせず、時間が必要です
読切等でも語られてきましたが、あの女たらしのタクミですらレイラには神聖な、穢してはならないものを感じており、手を出す事はなかったのです。勿論今は奈々という妻がいるものの、狡猾なタクミは裏で何を考えているか分かりません
シンに続き、まだ捕まっていませんがレンも薬中の為、ブラストに限らずトラネスにも危険は伴います。レンにはやはりナナが必要ですが、今は微妙な空気感ですぐに会う事はためらわれます
そんながたがたな両バンドの中、なんとタクミとレイラの間に禁断の愛が生まれようとしています…混迷を極めるNANA、20巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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