前回までのあらすじ
観客はのだめの不思議な魅力に魅了され、リストではのだめの背中ホックが開く中(笑)、イサークで締め大喝采を浴びます。オクレールが先生だと知り婦人たちは余計なこと言わない方がいいと納得します。のだめは敢えて終電で帰ると車は断り、一人になるとサン・マロとパリで<2つの伝説>が終わったと駆け出します…
結果の出せていない清良
気落ちするのだめの元に千秋が現れ、コンサートに行けなかった理由を告げ、のだめの次のオファーへの下心を指摘しつつ、千秋はヴィエラとのかけがえのない時間を過ごしたことで飲み過ぎています。ヴィエラのいるイタリアにも今後行く予定の千秋はますます忙しくなり、こうして彩子とも別れたことを思い出します
リッピの追悼公演でヴィエラは熱演し、千秋とのだめはそれぞれ感じ入るものがあります。千秋はのだめに一泊くらいしかできないがウィーンに行かないかと誘い、ついでに清良も誘います。清良はコンクール前に壁にぶつかっており、良い機会だと千秋と会うと、更に一緒にジャンとゆうこもいます
ミルヒーの見舞いに行くと、エリーゼはミルヒーが恐らく日本に消えたと言い、身体的にはどこも悪くないものの聴力が少し落ちているらしいのです。目的が無くなったので観光することになり、シェーンブルク宮殿に向かいのだめは「ベルばら」だと浮かれます
のだめは千秋の写真を撮り、清良も峰に送るために一緒に撮り、峰のR☆Sオケも順調のようです。清良はコンクールで結果を出せておらず、観に来てとなかなか言えないのです。シューベルトハウスにベートーヴェン遺書の家にも行き、仲の良い千秋とのだめを見て清良も峰に会いたいと感じます
実は32歳のゆうこが痺れを切らすので、ジャンはついにプロポーズし婚約が決まります。夕食では同じく痺れを切らしたのだめが何故か千秋の真似で指揮を振り始め、オレ様ぶりまで真似し「エロイカ」が聴こえてくるようです。清良はついに皆にパリのコンクールを聴きに来てと言えます
黒木を巡る三角関係
その後千秋はジャンたちとイタリアに向かい、のだめはパリに戻ると、ユンロンとターニャがおり、バルデス国際コンクールの結果は散々で、本命はパリのカントナ国際コンクールだとこちらも被ります。ターニャはこのまま国に帰りたくないと気張ります
すると黒木が日本人女性(里麻)と歩いているのを見かけターニャは驚きます。里麻は黒木の恩師の知り合いの娘でコンヴァト入試の間面倒をみてやってほしいと頼まれています。黒木は里麻のことをターニャに相談すると、のだめの部屋をあてがい、ユンロンが騒ぐ中里麻の世話を焼きます
里麻は入試のことで頭が一杯な中、アパルトマンの連中のピアノのレベルの高さに驚きます。黒木は甘やかすなと言っていた割に里麻の面倒見が良く、ターニャは嫉妬し荒れますが、今までのことを思い返して成功する人たちと同じ世界にいたいと気張り、レッスンでも高評価を得ます
逆に里麻は一次試験不合格で、残念パーティーをし、ターニャの嫌味も冴え、のだめカレーも里麻は美味しいと楽しみますが、そのことを報告された千秋は無神経だなとのだめに言い放ちます。黒木は疲れ果てのだめのこたつで寝て、ターニャに唇を奪われます
峰は唐突にパリに赴き、のだめと2年振りの再会を果たしますが、のだめはタオル一枚で千秋と勘違いしドアを開け、驚きドアを閉めてしまいます(笑)
カントナ国際コンクール
峰は清良に会いに父の積み立て定期のお金でわざわざパリに来たのです。ターニャたちに歓迎されパーティーになり、賑やかです。翌日峰はのだめとパリ観光をし、千秋が帰って来ることを想定して2人で寸劇をしていると、千秋に一喝されます!
反省した峰はコンクールが終わるまでは清良に会う気はなく、彼なりに気を使っているのです。R☆Sオケの面々についても語られ楽しい時を過ごします。マルレ・オケでの千秋の指揮ぶりを見て、峰は黒木にR☆Sオケが実際は上手くいっていないことを愚痴ります
黒木も清良も各々の場面で必死さを見せ、峰はオレの「必死」はどこに行った⁉と嘆きます。カントナ国際コンクールも歴史のあるコンクールで、ヴァイオリン部門一次予選では清良はよりによって2番目です。峰は移動に手間取り、着いた時には清良の出番は終わっていました
ピアノ部門一次予選ではターニャは集大成の濃い演奏で絶賛されます。2日目にはド緊張したユンロンが最前列ののだめたちからいつもの演奏を思い出し、素晴らしい演奏を見せますが、最後のスケルツォでミスを連発し燃え尽きてしまいます
結果はターニャ通過、ユンロン落選というもので、ユンロンは開き直り中国に帰ってピアノ教室を手伝うと言い、時代は中国だと話すので大不評です。清良は無事一次予選を通過し、峰は二次をこっそり観に行くつもりです。ユンロンは母へ懺悔の手紙を書き、ターニャが彼の分まで頑張ると張り切るところでこの巻は終わります
まとめ
音楽学校への入試やコンクール出場のため努力する面々の姿が描かれますが、これは受験勉強や就職活動のようにはっきり明暗が別れます。当然身一つで音楽で飯を食っていくための一芸な訳ですが、非常にメンタル面が強く影響を及ぼすことも分かります
里麻はコンヴァト入試に失敗してしまいますが、それを考えるとのだめは運も実力もあったことが分かります。国内ですら苛烈を極める競争社会の中、言語も文化も異なる海外留学等リスクと隣合わせです。のだめカンタービレは陽性の作品ですので明るく描かれますが、実際は栄光と挫折の連続なのでしょう
峰は清良への一途な想いから内緒でパリに行き、清良のコンクールを陰ながら見守ります。R☆Sオケも主要メンバーの入れ替わり等で現状は悲惨なようですが、初期メンバーで恋人同士のこの2人は上手くいってほしいものです。ターニャと黒木の恋模様も気になる中、20巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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