「のだめカンタービレ」3巻の数々の恋模様とクラシック音楽の光と影~貧乏苦学生・桜の苦悩…Sオケの副指揮に抜擢された千秋、思い直し個性を前面に押し出す方針転換で定期演奏大成功!!~

前回までのあらすじ

千秋は懲りずに転科願を何枚も出し、シュトレーゼマンは転科はせずピアノは続け、ほかの時間はわたしにつきっきりですよと早速渋谷に一緒に出向く気(逆ナン狙い)です。のだめ千秋は渡さないと迫り、のだめもセットでついてくると喜ぶのでまた正拳突きを喰らわせます…

千秋がSオケの副指揮に!

後期試験となり、留年が危ういのだめシュトレーゼマンの助言もあり千秋にドイツ語と西洋音楽史を教わることになります。裏軒で嫌味でクラブハウスサンドを頼むと何とメニューにあり出てくるのです!千秋は適当にあしらおうとしますが、の父の圧が強く、渋々教えます

興味を持って意味はなんだろうと考えて解けと説く千秋ですが、のだめたちの興味は別のところに向かいます。終いにはパラパラ漫画や〇×ゲームを始める始末…千秋のスパルタ授業が始まります。西洋音楽史の問題を出しますが、最早ご長寿クイズ状態の珍回答続出です(笑)

は昨年留年したのは父のせいだと言いますが、真実はの寝坊だったのです…結局夜更かしして一夜漬けの勉強をし、送り出した千秋は不覚にも寝入ってしまい、実技試験を欠席してしまいます(笑)評価Sしか取ったことのない千秋は追試で評価60%でA判定になる屈辱を浴びます

コントラバスを運ぶ小柄な女子()がのだめと衝突し、お腹が空いており落ちてしまったのだめのお弁当を美味しく食べ、Sオケの子だと分かります。Sオケはベートーヴェンの<英雄>をやり始め、次の定期公演に出る気です。実力はともかく、メンバーは「自信過剰」で前向きです

シュトレーゼマンは副指揮に千秋を指名し、自身は同伴に出掛けます。遅れて先程のが現れ、どうやら貧乏苦学生のようです。千秋は的確な指導をし、は練習不足を露呈します。のだめ宅に招かれ、バイトが忙しくて練習できず学費だけで大変だとこぼします

Sオケメンバーの千秋への質問は徐々にエスカレートし、まるで子供電話相談室状態です。家に着くとのだめがお茶碗を持ちごはん恵んでくださ~~いと迫り、これも副指揮の仕事なのか?と愕然とします

定期公演でSオケ対Aオケの勝負!?

千秋は得意の料理をご馳走し、は不況で父の会社がうまくいっておらず、借金もあると言います。練習なしには上達はないと語る千秋、削る時間の無いは食べ終えると涙し貧乏が悪いんじゃない、大学やめようかなと落ち込みます

翌日はSオケの練習に現れず、のだめ千秋が言い過ぎたからと喚きます。夜のだめはガスを止められ風呂に入れないので、千秋に詰め寄り貧乏を知らなさ過ぎると騒ぎ風呂に入れて貰います。のだめも貧乏だと言う割に羽振りが良く無駄買いが多いです。千秋は自分は恵まれていることに気づきます

に練習に来るように諭しに行くと、家は意外にも豪邸で、父は輸入家具会社の社長で、コレクションのヴァイオリンの値打ちは相当なものです。にもヴァイオリンをやって欲しかった父ですが、が選んだのはコントラバスで、千秋はコンバスはオケにとって大事な楽器で、高価な楽器より娘さんの学びたいと思う気持ちの方がよっぽど価値があると諭します

結局の父はヴァイオリンを売ると真人間に戻り、一家の財政も安定し、もコンバスに集中できるようになります。定期公演まであと2週間だというのにシュトレーゼマンからの指示がありません。は演奏中ロックのテイストを入れてみたと目立つ動きをさせ、千秋は自信過剰!勘違い‼と酷評します

シュトレーゼマンと連絡が取れないので千秋は夜の街に繰り出し、豪遊している彼を見つけます。しかしイケメンの千秋にホステスたちは入れ込み、のだめも現れ大騒ぎし、キレたシュトレーゼマンは翌日Sオケを脱退しAオケに専念すると宣言します

シュトレーゼマンは定期公演で千秋に恥をかかせる気です。しかしSオケの連中は団結して打倒Aオケだと盛り上がり、解散だと思っていた千秋も想定外で正指揮者となってしまいます。千秋どんなに優秀でもオケを振ることができない指揮者は世界中にいると思い直し、<英雄>を仕上げようと頑張ります

はお揃いのSオケTシャツを作り、ロックなオケだと言い張り同調するものも現れる中、千秋は非常に厳しい指導をし、あと一週間で仕上げなくてはならないのです

千秋の指揮でSオケ躍動!!

定期演奏が近づく中、コンマスを始め不安定な演者への指導に追われる千秋、裏軒では先生方がオケの話をしており、巨匠にSオケを打倒してもらってそれから解散と話されます。Aオケの指導も早目に切り上げるシュトレーゼマン大河内はボクにもオケを振らせてくれと懇願しますが、巨匠は見返りを求め追い返します

大河内はSオケの視察に行くと、何人も千秋の厳しい指摘(的確ではありますが…)に文句を言いバラバラで、これならおそるるに足りずと去って行きます。千秋宅でおにぎりを作って来たのだめはプリごろ太の映画を見せ、荒唐無稽な内容ですがのだめは感動しており、千秋カズオと似た者同士だと語ります

練習では妙にSオケの調子が良く、千秋は音に酔い卒倒してしまいます。家でのだめに介抱される千秋のだめは覚えてしまった3番を独自解釈でピアノ演奏し、千秋はあいかわらずメチャクチャだけど凄いと感じます。純粋で計算のない個性にSオケみんなが「のだめ」なのだと悟ります

定期公演前日、千秋は突如演奏を全部変えると言い出します。「音のみで表現しろ」と言っていたが、の言うようになにかをイメージしてやるのもいいかも…と方向転換します。シュトレーゼマンもAオケを仕上げ、流石の手腕を発揮します

結局徹夜したSオケは衣装もSオケTシャツに揃え、千秋は楽しめばいいからと発破を掛けます。Aオケの前座のSオケは実力以上のものを発揮し、見栄えも派手で聴衆を魅了し、大喝采を浴びます!それを観たシュトレーゼマンは急遽指揮を大河内に代打させ、以後語り継がれる(悪い意味で)伝説の舞台を作り上げてしまいます

Sオケは好評価を得て存続が決まり、千秋はベンチで寝たフリをし、のだめにキスをさせる隙をワザと作り、これは「お礼」だからな…と照れます。シュトレーゼマンが次はどうしてくれようか…と嫉妬するところでこの巻は終わります

まとめ

貧乏苦学生のが出て来ますが、これは音楽を志す人が必ずしも裕福とは限らないことを暗に示唆しています。やはり経済的に余裕があるから習いごと等で楽器を嗜み、そこから音大へ…という人も多いかと思いますが、中にはのように貧乏苦学生もいるのです

音楽で成功するということは非常にギャンブルで、芽が出る人も中にはいますが、道半ばで諦めなければならない人が大半です。のだめカンタービレはどちらかと言うと陽性の作品のためあまり苦労話は描かれませんが、選ばれしものしか生き残れない厳しい世界であることは確かです

いつしかSオケの指揮を任された千秋は、厳しい指導もしますが、思い直し、Sオケの個性を前面に出す方向に方針転換し、定期演奏で大成功します。個性も実力もバラバラだったSオケメンバーの長所を引き出し派手で見栄えのする演奏をやってのけた千秋、やはり才能があるのです

シュトレーゼマンの思惑は見事にかわされ、彼の鬱憤は溜まる一方です…4巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました