前回までのあらすじ
エリーゼはついにのだめが仕事を受けたと喜び、ミルヒーは遊園地で指揮者はこっから‼打倒若い指揮者‼と超能力を発揮します。のだめのサン・マロでのコンサートは先日のミルヒーとの共演の反響もあり大入りで、千秋も訪れる中、のだめは相変わらず扮装して楽しんで弾くので頑張って聴いてくだサイと宣います…
千秋がオペラ指揮のため日本へ
音楽と絵画美術と演劇の総合芸術:オペラを早く振りたいと感じていた千秋に峰から市民オペラのオケをR☆Sオケが依頼されたから指揮をやって欲しいと電話があります。千秋は久しぶりに帰国すると、何と峰が演出・菅沼が主人公役と知り愕然とします
千秋が帰ろうとすると杏奈が現れ、「夜の女王」役のオーディションを受けに来たと言い、実際技巧的で華やかに装飾されている速い旋律を超絶技巧で歌うのです!個性派揃いで化けそうな奴が何人かいるとオーディションは盛況で、千秋はオペラ版R☆Sオケか…とやる気UPです
6月ーのだめも千秋と共に凱旋帰国し(笑)、コンヴァトを無事卒業してこの夏日本で初のソロ・コンサートに挑みます。黒木もターニャを連れて帰国し、R☆Sオケは色めき立ちます。新旧入り乱れたこの夏だから集まれたメンバーに、千秋はこのオペラは絶対に成功させたいと気張ります
ところがオペラは「音楽稽古」→「立ち稽古」→「オケ合わせ」という段取りが基本の中大河内が副指揮で千秋がいない間自己解釈で勝手に指揮したため、「音楽稽古」が完成しておらず歌が揺れまくっています。千秋は今日はオケは解散し歌手だけ居残りとしオケとの合コンもなくなってしまいます
杏奈は実はウィーンで千秋の社交ダンスのパートナーだったため、ただならぬ雰囲気を醸し出し、皆嫉妬します。菅沼の実力を確かめると、去年の押コンの声楽部門で2位になっただけあり、ふくよかながら声楽界期待の星なのです
オケの飲みで黒木はターニャとの馴れ初めを語り、ドイツにも一緒に来て欲しいと告げ場は大盛り上がりです。のだめは三善家で8月22日のリサイタルに向け個人練習に励みます
魅せることは得意な峰の演出に皆納得
菅沼主宰の白い薔薇歌劇団の旗揚げ公演のリハは「立ち稽古」に入り、とうとう峰の演出が始まります。千秋はある程度認め、あとは副指揮をやってくれることになった片平に任せようかなと一安心です
「夢色☆クラシック」NODAMEインタビューでのだめは千秋との恋仲についてて大いに語り、河野から恋愛テクを聞き出し最早どっちが取材なのか分かりません(笑)峰の細かすぎる指摘にメンバーは付いて行けず、千秋はこの歌劇団は性格に問題のある人間ばかり集めてしまった⁉と青ざめます
主宰だけあり菅沼は我を通しあっという間に空気を変え峰がまた泳ぎ出す…と千秋も見惚れます。今回の「魔笛」の演出として峰の衣装案は菅沼が却下し音大時代オペ研でやった時の衣装で賄うと言いますが、真澄は服飾に苦心し、最早峰の立場がありません
峰は「夜の女王に会いに行かねーか?」と千秋を自宅に招き、母にスポンサーになってくれと頼みますが、投資という名のおこづかいはもう一生分払いましたとけんもほろろです。裏軒の父は入り婿で大地主の母に頭が上がりません。オペラといえば派手な舞台と譲らない峰ですが現実は厳しいです
よく市民歌劇団の仕事なんか受けてくれたよな…と峰が言うと、千秋はやるのは同じモーツァルトだろとやりがいを感じています。峰の細かすぎる演出にそんな難しい「振り」なんか付ける必要あるか?と懐疑的なメンバーもいる中、千秋は音楽の邪魔はしていないと断言します
千秋は的確なアドバイスをしメンバーも動きを理解し、峰のやりたい意図をしっかり把握しています。衣装も出来上がると、峰の意図と合致し、逆にオペラを知らない人でも楽しめるように計算されていることに菅沼も感服します。千秋は峰は昔から魅せることは得意だから向いているのかもしれないと感じます
主宰で主人公役の菅沼、ダイエットに苦心
パリに一旦戻った千秋はエリーゼから鬼の過密スケジュールを言い渡され、千秋はヴィエラのところへ行く暇もないと青くなります。最早のだめはパリ管からNYフィル、フィラデルフィア管からもオファーが届き差を開けられ、指揮者の千秋は地道に仕事をこなして有名になっていくしかないのです
本番までにダイエットをしたい菅沼にお菓子の差し入れをした杏奈は怒られ、真澄は衣装の手入れもこなし、杏奈も手伝いいつの間にか仲良くなっています。1週間後千秋は再帰国し、菅沼の無理なダイエットに苦言を呈しますが、ポスターの縮尺騒動に嫌気が刺し絶対痩せてやると聞きません
見栄え的に痩せている方がいいのは当然ですが、体力が持たなければ成り立たないため、千秋は裏軒のダイエットランチセットを無理くり食わせ、やはり食欲を満たせば動きも良くなります。大きい動きが続くシーンだと少し息もあがり、この先のことを考えたら減量は必要と千秋は感じます
のだめが地元から帰って来ると、ライバルと思っていた杏奈ではなく菅沼に熱血ストレッチ指導をしている千秋を見てのだめが衝撃を覚えるところでこの巻は終わります
まとめ
夢の一つだったオペラで指揮という念願が叶うため、例え市民歌劇団の仕事でもやるのは同じモーツァルトだと千秋は気張り、良いものを作ろうと頑張ります。R☆Sオケも峰が演出を買って出て、細かすぎると思われた指摘も実は的を射ていたことが分かり、彼の魅せることへの才覚も伺いしれます
オケにオペラという人間の歌・演技も加わるため、練習段階からそれは全くの別物と言っていい程やり方は変わって来ます。派手で豪華な演出を施したい峰ですが、資金不足も相まり、思っていた通りにはなかなか行きません。やはり音楽興行はスポンサーが大事なことが分かります
また、今回主役の菅沼は主宰ということもあっての抜擢ですが、こちらもご時世的に見栄えが気になります。昔はふくよかなオペラ歌手がいて当然という風潮でしたが、やはり細身の方が見栄えが良く、ポスター映りの関係で縮尺をいじられ気に入りません
このように公演一つとっても、その舞台裏ではオーディションから小道具・舞台設置・衣装、パート練やオケとの融合等多岐に渡る努力が必要なことも分かります。たった一回の公演のために演者は様々な気苦労をして本番を迎えていることが分かり、裏側を知るとコンサートの有難みも変わって来ますね
日本を飛び出して世界を股に掛けた千秋とのだめの旅もいよいよ最終章となります…次回最終巻です!25巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
巻末には沙悟浄・菊地カンタービレという短編読切が載っています。R☆Sオケ所属のメンバーにスポットを当てたお笑い色の強い短編となっておりこちらも楽しめる内容となっています
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