前回までのあらすじ
椿は覚醒しており周りが見え、カルロスが対処しますが笑ってかわします。そのまま突っ込むとCB2人共出て来て潰され、そこをお役御免とジーノが鮮やかに追加点です。最終盤鬼の形相のぺぺがゴールに迫りますがポストに嫌われ、そのままタイムアップします…
泥沼5連敗から連勝街道へ
ETU今季初勝利で沸くスタンド、村越と緑川はここから巻き返すと意気込みます。不破は達海に完敗だとしながら腹では小手先サッカーではシーズン終盤まで残れないと思っていると、それを見透かしたように遠目から達海は負けた現実受け入れねえと足元すくわれるぜと強気です
ブラジル人トリオは椿が誰よりもこの試合を楽しんだと評しユニフォーム交換を申し出ますMOMは椿でド緊張の中、椿に達海の再来を見たゴローは本気でサポやろうと燃え、椿はサポの元へ向かいます。あくる日FDにETU勝利の記事を見つけコータ達は買いだなと騒ぐとゴローがもう買って行ったと言われます
ゴローはタケ坊に江戸前応援団復活だと迫りますが、10年経ちサッカーにうつつ抜かせる余裕はないと言われます。シゲちゃんも散々だったようですが、2人はサッカーの本質を再確認し、スカルズに負けずに土台作んねーとと燃え、カミさんが怖くて仕事に戻ります(笑)
コータ達が勇んで練習場に向かうと、勝ったお陰か椿ファンの女子サポ等盛り上がっており、それに引き換え選手は厳しく練習しています。達海は浮かれた様子もなく次のカップ戦で敗れた札幌に苦手意識を作んない為にも確実に叩かねーととETUが弱小である事は変わらないと冷静です
ゴローは浮かれてFDを読んでいると、写真屋の山さんがサポをやってくれる事になり皆喜びます。札幌戦はジーノが大活躍でPKまで決めノッています。残り10分で世良は堺に替えられ不満げです。清川のクロスを堺が納め、フリーのジーノはあわやハットトリックの鋭いシュートを放ち、本拠地初勝利です
達海は徹夜で横浜戦の分析をしているとグラウンドで奇行の男がおり、それは怪我で長期離脱していた夏木だったのです!
昨季チーム得点王:夏木の復帰
夏木を変人と決め込む達海も、寝坊して人の事言えません。昨シーズン怪我で半分しか出てないのにETUの得点王だったのです。8か月ぶりの復帰なのに相変わらず騒がしく、松原は補強に失敗し序盤から最悪なチーム状態の中意外とズルズル行かず踏みとどまれたのはここぞの場面で夏木が得点してくれたからだと語ります
得点王に絡める程絶好調だったものの夏に膝の靭帯を痛め離脱、悪化させ2か月延長となり、その間残った主力で何とか1部残留したのです。ライバルの復帰に世良は戦々恐々ですが、怪我明けの上新監督、世良はスタメンで結果も出してる、自信持てと念じます
悩みがなさそうなポジティブさでも村越は頻繁に電話を貰ったとし、8か月もピッチ離れてたのは初めてらしくガムシャラにやると気合いがハンパじゃなさそうな夏木、世良も負けねえっすよと気張ります。達海を見かけ、アピールしようとコーチに長いボールを蹴って貰うと、スーパーゴールを決めますが達海は見ておらず皆に怒られます
横浜戦ではジーノ徹底マークに加え椿が不調で、活躍から一転相手からは警戒・味方からは期待…と待ってたのは新たなプレッシャーです。ベンチ入りした夏木は猛アピールしますが、達海は去年とおととしこの時期に横浜相手にゴール決めてるから危機感を与えられると踏んでのメンバー選考です
身体がまだ出来上がっておらず、でもしっかり怪我を治してきた事を評価する達海、お前が爆発出来る場はキチンと用意してやると語り、夏木は達海が嫌いじゃないかもなと感じます。世良が孤軍奮闘する中、セットプレーから村越が先制、そのまま試合終了です
5連敗からの3連勝で意気上がる中、チームバスで椿は個人反省会となり呼び出されます。世良は8試合出て未だ1ゴール、夏木さんていう本命のFWが出て来んのを皆待ってるんだとネガティブになり、騒々しい夏木に負けたくねーと焦ります
清水戦は既に2敗しており苦手意識が顕著で、守備に奔走されながら世良にビッグチャンスが訪れます。矢野からのスルーをゴール左からシュートに行くと負傷、×が出て堺と交代です
熾烈なFWレギュラー争い
試合は引き分けで、世良は軽い捻挫で1週間離脱で済みます。気落ちする世良はチップスのカードで夏木が出て更に落ち込みます(笑)食べていると油っぽいもん食ってっと脂肪がついて身体が重くなるぞと堺です。堺はもう31歳で入念にマッサージを受けコンディション維持するだけで大変なのです
そんなんだから大事なところで怪我とかすんだよと蔑まれ、それでもあの場面はシュートにいくよなと椿が後ろでフリーだったのに無理に打ちに行った事に同調され、FWだもんなとし、ボールってのはしぶとく諦めない奴の前に必ず転がってくるもんなんだよと持論を展開、世良も同意します
続くホームの浦和戦、夏木はベンチ入りし気合入れすぎで堀田に諭されます。0-0で拮抗した試合、スタンドで世良が見守る中、ついに夏木が途中出場、一人感慨に耽っていると逆にカウンターからミドルを鮮やかに決められます!ETU側が揉める中、出しどころの無い丹波が夏木に出すと何とスーパーゴールが決まります!!
スタンドまで行きサポと喜びを分かち合う夏木、ライバルの世良・堺も負けてられません。去年4位の浦和相手に引き分けで、浮かれるチームに村越が喝を入れますが、これもチームが勢いに乗れてる証拠かもなと感じます。ところが4戦連続引き分けと今一つ乗れず、ここ2試合甲府・山形戦はリードしてから追いつかれており羽田も焦ります
石浜のミスからカバーした赤崎がイエローを貰い前半0-1、ロッカーでサイドが本気さを感じないと喧嘩になりますが、達海はやらせとけば?と相変わらずです。強くなってんのか分かり辛い結果になってるとし、勝ちたがってんなら素の想いをケンカしてでもすり合わせりゃいい、それが次々広がってチームが一つになると諭し、世良に後半どっかで行くから準備しとけよと話す場面でこの巻は終わります
まとめ
名古屋戦での快勝に続き、札幌・横浜と3連勝、波が来ます。サッカーのリーグ戦というものは本当に生き物のようで、その時の好不調の波が如実に現れます。また、各チームがその状況に応じた対応をしてくる為、一瞬も気が抜けず、徹底出来たチームしか優勝という栄光には辿り着けません
追い風となる夏木の復帰はETUには大きいですが、ここでレギュラーだった世良の葛藤が描かれます。世良はどちらかというとスピード・運動量がある小兵FWの汗かき屋、達海は重用しますが、ワントップとなるともっと得点力も欲しいところです
若手とはいえ昨季エースだった夏木、そしてベテランの堺が居る中FWとして出続ける事は簡単な事ではありません。特に夏木の常人離れしたスーパーゴールには圧倒され、そのスター性には全く歯が立たない状況です。しっかり怪我を治して来た夏木を評価しつつ、達海はそれでも世良への信頼度は高いようです
FWですから得点してナンボという側面もありますが、チームスタイルやバランス等も考え、走れる世良はETUにとって貴重で、達海が世良を重用するのも頷けます。この世良の葛藤する微妙な立ち位置がGIANT KILLINGでは絶妙に描かれますので、今後もチェックしていきましょう。7巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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