前回までのあらすじ
ミルコビッチのサッカーが間違ってないって事を証明してやろうぜと千葉はロベルトのクロスですが佐野がパンチングです。戸倉は集中しておりジーノの寄せを巧みに抜きマクレガーで勝負ですが、椿がナイスカバーします…
千葉に逆転勝利
椿が達海に重なって見えた羽田、カウンターから赤崎は縦に仕掛け相手イエローでいい位置でFKです。石橋は羽田にチームの勝利を素直に喜べる一番大切なもんは失くしちゃいない、良かったなとし、羽田は気になった事は全て指摘する他に黙って見守る…そういう支え方もあるんだなと学びます
赤崎のFKは壁に当たり、椿→ガブから村越のヘッドが決まります!羽田はスタジアムで初めて興奮を覚え、俺達が初めて一緒に声を張り上げたあの日のように選手達までが俺に原点に立ち返れとでも言ってるみたいだとシンクロします
村越のゴールでゴール裏は沸き、年齢層高めの声援に村越はこういう雰囲気はなんだか懐かしいなと感慨深いです。藤澤が語る千葉とETUの差は埋まるものではなく2-1で逆転勝利です。ベンチの戸倉が気落ちしているとミルコビッチが今日はお前の引退試合なのか?時間というものには限りがある、学べるうちに学べと声掛けします
副会長はスカルズがいようがいまいが俺達の強さに関係はないと得意げで、自粛に笠野が付き合う必要はないと言いますが、笠野は知らんぷりしてやり過ごすのは筋の通った話じゃないとクラブに引き返していたのです。同じものを見て来たはずなのになんでこうも気持ちが違うんだという羽田の言葉に会長はフロントの無能さを感じます
会長はインタビューでの達海の言葉から改めてフロントの問題だと感じ、有里にある提案をします。羽田を花火大会があるのでクラブハウスで一緒に観ないかと誘うのです
U-22代表に赤崎・椿が選出!
実は羽田は塾講師で、生徒を恐怖で支配しながらヤンキーと子犬の法則でそれ以外の場所では親身で人気ナンバーワン講師なのです。塾長はなんとカベセンで、例の件は暴力事件にすり変えられ学校教育の現場から離れざるを得なくなった中イチから塾を立ち上げたった7、8年でここまでのものにしたのです
カベセンは人が何かをやり直す事が出来るのは過去の過ちを許してくれる人がいて初めて可能になる、羽田はいい大人になった、許すってのは優しさの象徴的な行為だと語ります。花火大会の件を相談するとカベセンはお前の優しさを信じて歩み寄ろうとして来てるんじゃないかね?と諭します
浴衣姿の有里はこれは三重の意味を込めた演出だと言い、U-22日本代表五輪最終予選のメンバー発表をネット中継で見守ります。H・A2試合に臨む21人で、丁度カップ戦の準々決勝と重なります。世良が俺も世代だと吠える中前回選ばれている赤崎は自分で見る勇気がなく椿が連絡係です
読み上げられ、順当に赤崎が選ばれる中、何と椿も選ばれます!花火が始まり傷心の世良、有里の浴衣も不発です(笑)羽田も一人で現れ、笠野は2人代表に選ばれた、何も無い所に樹は育たねえ、信用を失っている事は分かった上で、もう一度ETUをでっかい樹に育て上げるチャンスを…と熱く語ると花火の音で肝心なところが聞こえません
会長も現れこれからのヴィジョンを伝えようとすると羽田はこの音の中で?とそれより今日はあんたらと同じもんを同じ角度から眺めてみようと思って来たといい顔です。広島戦で赤崎が浮かれる中落選組は気張り、椿は逆にプレッシャーからチキンぶりを露わにします
前日練習でも寝不足の椿は散々で、インタビューで颯爽と話す赤崎に対し椿は自信がないと卑下し赤崎に選んでくれた人達の面目・外れた人間の想いを諭され俺みたいなのは日本代表にふさわしくないと落ち込みます。するとクラブハウスに小学校時代の校長先生から電話が入ります
リチャードも相手にしない達海の集中
並松先生のHP伝手で同級生の裕也も喜び会いたがっているとし、お前のお陰で私達は繋がっている、沢山の人達を幸せにしとるんだよと言われ椿はハッとします。その才能・魅力・勇気を信じきって前を向いて戦ってこいと勇気づけられ椿は吹っ切れます
椿は徹底マークもボールを奪われず、応援してくれる人がいるから頑張れると世良にアシスト、結果を出します。ジーノ不在でも爆発的存在感を見せつけ次期エース候補と宣言するかのような凄まじさです。身体のキレが凄くバー直撃から堺がPK奪取です
ここでも我を出す赤崎が蹴り待望の追加点ゲット、2-0で完勝、4連勝で10戦負けなしです。象徴的な椿同様このチーム全体に言える今ではひとつの所へと集い同じ意志を持ち戦っているように見え、藤澤は各々の何かを変えた存在が達海だと確信し、いい加減「本物」だと認めないと…と満足げです
順位表は混沌を極め、大阪・清水・川崎・鹿島・ETUで首位まで勝ち点5差と頂点も見えてきます。浮かれるゴロー達を尻目に情報通のスカルズは達海は単年契約で来年もいるかは分からないと現実的です。するとクラブハウスにリチャードが現れます
花火大会で達海の去就について聞いていた羽田、後藤は長期政権を視野に入れ誠意を見せるとしますが、ここまで結果を出している達海に手を挙げるクラブだってあるんじゃないか?と感じます。有里は「海外移籍」とか甘い言葉使って惑わすような事をしたら承知しないと凄みます
達海にいい話が…と告げると忙しいからまた来てとあっさり門前払いです。有里はこの扱いに代理人契約解除しちゃえば?とゲス顔ですがリチャードは達海程フットボールをする為に生まれて来た人間はいない、イングランドで怪我で1試合しか出場しなかったのに同僚・ファンから絶大な支持を得ていた事を語ります
当時26歳で、ボールを蹴れてれば間違いなくチームの中心だった、怪我さえなければ世界一の選手になれていたとまで言います。リチャードは引退という現実を受け入れるまでの達海の葛藤をこの目で見ており、自身もイングランドに連れて来て選手として終わらせてしまった自責の念があるのです
リチャードはフットボールの神様にデカイ貸しを作ったんだと諭し、そこから達海は指導者の道へ進みます。リチャードは今度こそ達海を世界一の監督にしたいんだと何度でも来ると語り、いつか去る日もあるのかと悲し気な有里に後藤が大事なのは今俺達はかけがえのない仲間だって事だと諭すところでこの巻は終わります
まとめ
今巻ではフロントと羽田の関係修復・椿の代表選出・達海の引き抜き騒動等様々なトピックスがあります。まず羽田が実は塾講師だったという事にも驚きましたが、明らかになる事実と共に、彼もフロントも同じ景色を眺め心を一つに…と花火大会は有意義なものとなります
椿はチキンなので、クラブを、日本を代表してやっていけるか不安になりますが、背中を押してくれる人達に勇気づけられ吹っ切れた姿を見せます。代表という想像を絶する重圧で戦う選手、それでも多くの人達の幸せを担っていると考えると夢のある素敵な仕事・役割です
最後はリチャードの来訪ですが、達海は引く手数多となり、引き抜きも懸念された中ETUの事しか今は頭にないようです。達海の引退→指導者の道への過程を知るリチャード、自身がイングランドに連れて来てしまったと自責の念もあるのです。是非達海には第2の人生:監督業を謳歌して貰いたいものです
暫定5位・首位と5差まで来たETU、ここからGIANT KILLINGは日本代表編も加わり更に加速していきます…28巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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