あらすじ
マサルは結局、もう危険はないだろうと、命を狙ってきた張本人のおじ・善治の許に養子に入ります。
そして怪我は完治し、かつていじめられていた小学校へ通うことに。
一方しろがねは、近くの高校に通うことになります。
マサルはかつてのいじめっ子達に再び嫌がらせをされますが、命を狙われたことに比べれば子どものいたずらなんぞ屁のカッパ。
数ヶ月前とは打って変わって悔しくもなんともありません。
ところでそんな街には仲町サーカスというサーカス団がありました。
そこは赤字も赤字、大赤字。ショーを開催するどころか、家賃すら払えないという有様です。
そんな中、マサルの通う小学校で事件が起き、夜は見張りをすることになりました。
マサルはその役を買って出ますが、いじめっ子達はそれが気に入らず、夜の小学校でまた嫌がらせをします。
なんとそこへ忍び込んだのが仲町サーカスの団長とふたりの息子のノリとヒロ。
こっそり泥棒働きをするつもりだったのです。
しかしそこへ、人形遣い達がマサルの命を狙い、襲いかかってきます。
子どもたちを人質に取られ、マサルに付いてきたしろがねと「あるるかん」も手が出せず、マサルともども捕まってしまいます。
それを見殺しにはできない、と、仲町サーカスの三人は得意の曲芸で子どもたちを救出し、マサル達はなんとか逃げおおせるのです…。
①「 ぼくは笑わなくちゃ 」
いじめっ子達が、嫌がらせをうけても気にも留めずひょうひょうとしているマサルを糾弾した時、マサルは全身の傷を見せ、命を狙われた時に受けた傷の痛みに比べたら、いじめなんてなんてことないんだ、と語ります。
ですがマサルがそれ以上に言いたかったのは、ナルミのこと。
どんな状況でも負けず、どんな危険な時でも笑っていたナルミのように強くなりたい。
そのためには笑っていなきゃいけないんだ、と。
その後バンダナを渡してくれた女の子に力強く「ありがとう」と笑う笑顔は、クラスの子どもたちを少しずつ変えていきます。
②「 ごめんね… ぼくはもう… 泣かないんだ。 」
飼育小屋のウサギを監視しているマサル達のところにやってきたいじめっ子たちは、それぞれ手にナイフや包丁を持っていました。
「こわいだろう」「泣かせてやる」と息巻くいじめっ子たちですが、マサルは、まっすぐな目で言い返します。
そして、今までやられっぱなしだったマサルとは別人のように、殴られた分、殴り返すのです。
(もちろん、ナイフや包丁を持って脅かしていた子たちにはしろがねから鉄拳制裁が下ります。
「ポケットにナイフを入れていると、人は必ずそれを使いたくなります。ナイフはちっぽけな刃に命の重さをのせているのです。普通はあれ(マサルのようなケンカ)をしなさい」としろがねは諭します。
お姉さんっぽくて超!格好いいです。)
③「 しろがね、戦って! ぼくは逃げきるからそいつをやっつけて! 」
殺し屋達に命を狙われるマサルですが、また、今までのマサルとは違う一面が出ます。
それがこのセリフ。
今までの「逃げる」は消極的な「逃げる」でしたが、今回の「逃げる」は、積極的に、自分の意思でしろがねが思い切り戦えるように下した判断でした。
泣き虫だったマサルの面影はなく、目には力強い光が宿っています。
④「 ウ…ウサギが… いつも…おっ思いどおりになると思ったら… 大マチガイだよ! バカァ!! 」
マサル達を捕まえ、子どもらをいたぶる殺し屋を、タックルして止めるマサルが殺し屋達に向かって放ったひと声です。
それまで無抵抗で、何をされても受け入れていたマサルはもういません。
自らの意思で立ち上がり、殺し屋達に立ち向かうシーンは、大迫力です。
⑤「 ガキじゃないよ…おばさん… ぼくにはちゃんと名前があるんだ… 才賀 勝。 」
仲町サーカスの三人に助けをうけ、間一髪、魔の手から脱出する際に、マサルが殺し屋の女に言うセリフです。
もう泣き虫のおぼっちゃまのマサルではありません。
小さくとも、男になったマサルがそこにはいました。
次回予告
仲町サーカスは警察のお世話になりかけますが、マサルたちが事情を説明して無罪放免。
しろがねとマサルの運命の歯車は、仲町サーカスとともに回り始めます。
次回もお楽しみに。
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