『からくりサーカス』第15巻のストーリー謎解き|謎の錬金術師・白銀の謎に迫る…!

あらすじ

中国拳法の使い手・加藤ナルミは、「しろがね」ルシールとともに、世界中に不治の奇病・ゾナハ病を撒き散らす「自動人形(オートマータ)」たち『真夜中のサーカス』の手がかりを求め、中国にいました

そこはかつてナルミが拳法を習った地でもありました

ですがそこに恩師はいませんでした

恩師はゾナハ病に倒れ、故郷に帰っているといいます

恩師の娘・ミンシアや、兄弟子である王(ワン)を筆頭としたほかの弟子たちはナルミが父・恩師にゾナハ病を移したんだ!とナルミを拒みます

しかし恩師はナルミにだけ宛てた手紙を残していました

その内容は、恩師の方がナルミより先にゾナハ病に罹患していた…というものでした

真実を知るべく、ナルミたちは恩師の故郷に向かいます

道中、ナルミの中に流れる万能の霊薬「生命の水(アクア・ウィタエ)」に溶けていた、錬金術師・白銀の記憶の断片が呼び覚まされます

苦悩するナルミでしたが、ともあれ一行は恩師の故郷にたどり着きます

しかしそこは荒廃した町でした

なんでも、50年前に一帯がゾナハ病に見舞われ、民兵が焼き払ったのだとか

恩師は、その生き残りだったのです

そこで「ナルミが恩師にゾナハ病を移した!」という誤解は解けますが、ナルミはさらなる真実を知ります

なんと恩師の元の名は「白剣峰」、傀儡師の家の出だというのです

そう、恩師はルシールたちを「しろがね」にした錬金術師・白銀(バイイン)一族の末裔だったのです

恩師の故郷は、白銀の故郷でもあったのです

さらなる真実を求めるべく、ナルミたちは山を分け入ります

その山には、「不老の霊薬が流れる泉」がある…というのです

不老不死の霊薬「生命の水(アクア・ウィタエ)」との関連性を疑うナルミとルシール

と、そこへ突如として獣が襲いかかってきます!

ナルミと王、ルシールとミンシアは二手に分断されてしまいました

ナルミと王の前に立ちはだかったのは、銀の体毛に銀の目をした一匹の犬

その姿はまるで犬の「しろがね」です

最初は攻撃的だった犬でしたが、ナルミの流した血の臭いからなにかを嗅ぎ取ったのか、まるでついてこい、と言わんばかりの態度をとります

それについていくナルミと王…

道中、ぼんやりと光を発する薄紅色の滝を見つけます

その水の色はまるで「生命の水(アクア・ウィタエ)」です

犬は、二人に滝を見せた後、さらに山を登っていきます

その先にいたのは、ナルミの恩師でした

感極まって思わず、ここまでのことを洗いざらい恩師に語ってしまうナルミ

荒唐無稽な話も、恩師はただうなずいて受け入れます

そして恩師はナルミたちに、白家が200年以上前に犯した罪の物語を語り始めます

それと同時に、ナルミの意識は混濁し、ナルミの中で影を潜めていた白銀の記憶がまざまざと蘇るのでした

昔々あるところに、白(バイ)家という傀儡人形の大道芸師の一族がいました

白家には銀(イン)金(ジン)という兄弟がいました

二人の兄弟はとても人形の扱いが巧みでしたが、それで満足しませんでした

インとジンは、人形をもっと人に近づけたかったのです

遠く遠く、ヨーロッパまで旅をして、インとジンは錬金術師のもとに弟子入りします

そこで、インとジンは二人の運命を分ける少女・フランシーヌと出会います!

フランシーヌは、とても人懐こい、弾けるような笑顔の明るい少女でした

インとジンは互いにフランシーヌに惹かれていきます

しかし街の人々はフランシーヌのことを「罪人だ」と咎めます

フランシーヌはかつて、病気の子供のためにたまごをひとつ、たったひとつだけ、盗んだことがあったのでした

それが発覚し、フランシーヌは罪人の烙印を押されてしまいます

たまごは子供の口には入らないまま…

しかしそれでもフランシーヌは明るい笑顔を絶やさずに、貧民街に住む人々に日々の売り上げやパンなどを恵んでいたのです

貧民街に住む人々にとってフランシーヌは天使のような存在でした

それを知ったインは、次第にフランシーヌのことを愛するようになっていきます

しかし弟のジンは、「僕の方が先にフランシーヌを好きになったんだよ…それを横から取るなんてダメだよ…」と歪んだ気持ちを膨らませていきました

ある日フランシーヌは教会で祈りを捧げていました

それを見とがめたインは、なにを祈っていたのかと問います

するとフランシーヌは、「世界中から、病気がなくなりますように、って…」と微笑みます

その深い慈悲の心に打たれたインは、矢も盾もたまらず、その場で「私と一緒になってくれ」と求婚します

フランシーヌの答えは、こくり、と首を縦に振るものでした

そのまま二人は教会で結ばれます

しかし二人は気付いていませんでした…

その場には、ジンもいたのです!

フランシーヌを愛していたジンの心は砕かれてしまいました

そしてジンは思い余って、フランシーヌを誘拐し、行方をくらませてしまうのです

インの、長い長い放浪が始まりました…

9年にもわたる放浪の旅の中で…インの心は荒み切っていました

そしてついにジンとフランシーヌの行方を知ります

そこはフランス・クローグ村でした

心が荒み切っていたインは、ようやく見つけたジンに襲いかかります!

しかし長い時の間に、ジンの心も壊れてしまっていました

ようやく聞き出したフランシーヌの居場所

駆けつけるイン…

そこにいたのは、病のために鎖につながれ、隔離された、ボロボロになったフランシーヌでした

科学が未発達だったその時代…フランシーヌがかかっていたのはもしかしたら簡単な抗生物質で治る病だったのかもしれません…

しかし無知と未知は人々を恐怖に陥れます…

フランシーヌを隔離して閉じ込めておけば安全だと…村の人々は考えたのかもしれません…

それでも再会を喜び合うインとフランシーヌ

インは、フランシーヌを救いたい一心で、錬金術の研究にのめり込みました

そしてついに万能の霊薬「生命の水(アクア・ウィタエ)」を生み出すための原石「柔らかい石」の生成に成功します

しかし時はすでに遅かったのです…

フランシーヌのもとに駆けつけた時、フランシーヌの隔離されていた家は炎に包まれていました

炎の中で微笑むフランシーヌ

助けたい一心でスコップを振るうイン

しかし壁はあまりに堅く、炎の回りはあまりに早かったのでした

そうしてフランシーヌは、髪のひと束を残し、炎の中に消えてしまいました

茫然と、屋敷に戻るイン…

その道中、同じように茫然と立ちすくむ、ジンがいました

ジンの手には、「柔らかい石」が…

そう、ジンも、フランシーヌを救いたい一心で、「柔らかい石」の生成に成功していたのです

インはフランシーヌから残された髪の毛をジンに渡し兄弟は袂を分かって二度と会うことはありませんでした

①「名前は…白銀(バイイン)。」

ナルミの記憶の中で、錬金術師・白銀は、『真夜中のサーカス』によってばらまかれたゾナハ病に苦しめられるクローグ村にいました

そこでかつてルシールに名乗った名が「白銀(バイ イン)

その記憶と、恩師の本当の名・白剣峰(バイ チャンフォン)とが結びつき、白銀の出身がナルミゆかりの地であることを知る重要なシーンです

②「この世にあってはならぬものを、私の先祖が生み出してしまったのだ… 『生命の水』…」

不老の泉があるという山の中で、恩師がナルミと王に語る物語の序章です

全ての病を治し、人に不死を…人形に偽りの命を与える「生命の水(アクア・ウィタエ)」とはいったいなんなのでしょうか

③「あはは、もう!びっくりしちゃった。」

フランシーヌと、インとジンの兄弟が出会うシーンです

ジンがインをからかい、インがかっとなって手を振り上げたところ、ぶつかってしまって、出会ったフランシーヌ…

その笑顔は屈託がなく、兄弟を一目でとりこにするものでした…

④「あ…あれれ?なんでだろ。泣いちゃった。」

運命の教会で、夫婦の口づけを交わすインとフランシーヌ

フランシーヌのあまりにあたたかく無垢な笑顔が、この後の凄惨な事件の発端になろうとは、この時のふたりには思いもよらないものだったでしょう

⑤「インさん、ありがとう、出会ってくれて。ありがとう、ことばをくれて。ありがとう、たくさん笑わせてくれて。そして…ありがとう、愛してくれて。」

クローグ村の片隅で、病に犯されながら、炎に包まれる中で、フランシーヌがインに「ありがとう」と笑います

「いつかまた…私と出会ってね」

そう言い残し…フランシーヌは炎の中に消えていくのでした

次回予告

恩師とナルミが物語を語り終えるころ…山には緊張が走っていました

「オートマータ」の襲撃です!

霊山の秘密とは?

ナルミたちの運命とは?

次回、乞うご期待!

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