『からくりサーカス』第11巻の「黒のヴィルマ」名シーン5選|黒のヴィルマの流星は弾丸よりも速いのさ

あらすじ

ニューヨーク郊外、マフィアの本部に乗り込んできた一人の女がいました

通り名を「黒のヴィルマ」…

凄腕のナイフ使いの殺し屋です

百発百中のナイフ投げで、マフィア達を一網打尽にするヴィルマですが、相棒は瀕死の怪我を負ってしまいます

その相棒が死の間際、ヴィルマに殺し屋稼業から足を洗わせようと遺した最後の殺しの依頼は、才賀家の御曹司・マサルの暗殺でした

一方のマサルは仲町サーカスで、仲町団長の怒号を聞いていました

「オレ達のショーにはスリルが足りねぇ!」

ぴりぴりするようなスリルがよ!

しかし相変わらずお金がない仲町サーカスですからショーをやるためのリングすらありません

そこでしろがねは大道芸のアルバイトを始めることにしました

白塗りのピエロに扮し、通りで見事なジャグリングを披露するしろがね

そこに現れたのが、殺しの打ち合わせをしていたヴィルマでした!

「素晴らしい腕ね、ホワイトフェイス

大道芸人を見るとちょっかいをかけたがるヴィルマの悪い癖…

それは、ヴィルマがサーカス団の生まれで、芸人一家の中で育ったからでした

ヴィルマとしろがねは、ヴィルマの提案で技比べをすることになりました

ヴィルマが放った2本のナイフ!

しろがねは髪を切られながらも1本をジャグリングの輪で受け止めます

髪を切られたのは久しぶりだ。

そう言いながら、しろがねはもう1本のナイフをヴィルマに投げ返していたのです!

ヴィルマはあっけにとられ…そして大笑いして、「気に入ったよ!」としろがねの肩を抱きました

意気投合した二人はそのまま談笑を始めます

しろがねは、ヴィルマがしろがねに「ホワイトフェイス」と呼びかけたことでサーカスにいた人間だと見抜きます

ヴィルマは観念し、サーカスでの生まれ育ちを語ります

子供の頃から芸に親しんでいたこと…

7才からリングに上がっていたこと…

そして弟のジムがゾナハ病に感染して死んでしまったこと…!

ゾナハ病、という言葉にしろがねはショックを受けます

思い出すのはナルミのこと…

ナルミの笑顔…

ヴィルマとしろがねは、大切な人がゾナハ病にかかっていたことでも意気投合し、その場は穏健に終わります

しかしヴィルマは、しろがねが守るマサルの命を狙う者

ぶつからないわけがなかっのです

ヴィルマは夜の仲町サーカスからマサルをさらい、脅します

ですがマサルは泣きそうになりながらも、「泣き顔は絶対に見せない!」と笑うのです

そこへ馳せ参じるしろがね

ヴィルマとしろがねはお互いの顔を見て、昼間のあのときの…!と驚きます

しかしもう友達ではありません

命を狙う者命を守る者の闘いが始まります

しろがねはマリオネット「あるるかんを使い応戦しますが、ヴィルマのナイフがしろがねの全身へ刺さります!

それでも倒れず、マサルを守り、闘い続けるしろがね

マサルは思わずしろがねの前に飛び出て、ヴィルマに問います

「おねえさん、本気でぼくを殺す気はないんだと思ってた!」

こんなにやるなら、本当に悪い人なんだね!

ヴィルマはマサルの真剣なまなざしに、弟・ジムの面影を見ます

ナイフ投げをまた見せてね…

ジムの言葉が頭をよぎるヴィルマ…

しかしそれを断ち切るかのように、マサルに向かってナイフを放ちます!

そのナイフの行く先は…なんとしろがねの顔面!

こめかみや心臓にナイフを喰らってもなお立ち続けるしろがねに、ヴィルマは戦慄します

しろがねのからだからナイフを抜きながらマサルは「しろがねは、ぼくのドレイじゃないんだよ!」と怒りますが、しろがねは傷口を見せて言います

しろがねは特別な命を持っておりますので。

すうっと消えていく傷口

そう、少女しろがねもまた、ナルミたち「しろがね」と同じように、『生命の水』を飲んで不死の身体を得た戦士「しろがね」だったのです

その隙を突いてマサルにナイフを放つヴィルマ!

しかしジムとの思い出がよぎり、手元が狂って、ナイフを外してしまいます

そのまま気を失うヴィルマ

とどめを刺そうとするしろがねでしたが、マサルはヴィルマを介抱しようと言い出します

「…この人、すごくつらそうだった…」

なんか…今の場所からどこかに行きたくて…しょうがないような…

…ヴィルマが目を覚ますと、そこは、しろがねとマサルが眠る仲町サーカスのトレーラーの中でした

全身に巻かれた包帯

横にはすやすやと眠るマサルと、「あるるかん」を構えて眼を光らせるしろがね

しろがねによると、マサルはヴィルマの受け入れをしぶる仲町サーカス団を説得し、暑いだろうと一晩中うちわでヴィルマをあおいであげていたというのです

観念したヴィルマは、大人しく看病を受けることにしたのです

翌日、仲町サーカス団は「大道芸大会」のチラシに大はしゃぎしていました

しろがねはアルバイト先から紹介してもらった大道芸大会に、仲町サーカスがサーカス団として参加できるように申込みをしていたのです

急な出演にすったもんだしながらも楽しそうな仲町サーカスを見て、ヴィルマは、殺し屋稼業に身を落とした自分はもういまさらサーカス団になんて戻れないんだ…と感傷に浸ります

そして迎えた大会当日

そこらかしこでくりひろげられる大道芸に、ヴィルマの芸人としての血がうずきます

しかしナイフは取り上げられている…

それに自分は殺し屋、いまさらサーカスなんて…

しかしそこでトラブルが発生します!

なんと仲町サーカスの団長、曲芸師のノリとヒロがお腹を下してしまうのです!

後を託された猛獣使いのリーゼロッテは、先日のテレビに出ていた人だ!と大観衆に巻き込まれてその場から連れ去られ

頼みの綱のしろがねも、他の大道芸人やら迷子のこどもやらに捕まって、手が離せなくなってしまい

その場に残された団員はなんとマサルのみ

マサルはどうにかお客さんや場所をつなぎ止めようと、一輪車に乗ろうとしますが、まだ習いたての一輪車芸がうまくいくはずもありません

何度も転ぶマサルの姿に、お客さんはすっかり飽きて場所を移動しようとしてしまいます…

運営スタッフに舞台装置を撤去させられかけ、マサルは「やめてよう!」「みんな楽しみにしてたんだよ!!」とすがりますが、スタッフは撤去の手を止めません

もうダメだ!と思ったその時!

マサルすれすれに刺さるおびただしい数のナイフ

レディース&ジェントルメン、ナイフ使いでございまーす。

なんと、ヴィルマがマサルに助け船を出したのです

またそこへ現れたのは、ストローサーカスの団長と息子のナオタ

見事な足芸でポンポンとマサルを跳ね上げ、観客をわかせます!

なんとストローサーカスはつぶれてしまい団長の三牛(みつうし)とナオタは路頭に迷いホームレスになっていて、大道芸大会と聞きつけて会場にやって来ていたのです

最初は仲町サーカスのトラブルをほくそ笑みながら見ていた二人でしたが、あまりにマサルが一生懸命サーカスをしようとしているのに我慢ができなくなり乱入したのでした

その頃ようやく戻ってきた仲町団長・ノリ・ヒロ・リーゼロッテ

もう絶体絶命だ!と絶望していましたが、戻ってきてみたら黒山の人だかり!

三牛のマイクパフォーマンスと、ヴィルマのナイフ投げナオタの足芸のコンビネーション会場は大盛り上がりを見せていたのです

無事にショーが終わり、しろがねはヴィルマに言います

「さっきお前がナイフを投げた時、私はおまえを殺すところだった」

しかしヴィルマはこう返します

あたしさァ、人殺しより面白いコト思い出しちゃったのよね。

そしてサーカスの舞台は無事に閉幕です…

①「黒のヴィルマの流星は… 弾丸よりも速いのさ」

ニューヨークで、殺しの報酬の支払いをしぶるマフィアたちの本拠地へ乗り込んで、元締めをナイフで殺した時の、ヴィルマのセリフです

このセリフは芸人としてのヴィルマの口上でもありました

②「泣きガオは、…絶対に、見せてやらないってね。」

ヴィルマにさらわれ命の危機に瀕したマサル

しかしマサルは、莫大な遺産を相続した自分には、いつかこういう日が来るのだと覚悟していました

才賀の屋敷で命を狙われた時、ナルミに言われたように…

笑うべきだとわかった時は、泣くべきじゃないぜ!

目に涙をためながら、11才の少年は、にまりと口角を上げるのです

③「ジムと…ヴィルマの…ワイルドウエスト…ナイフ…ショウ。黒のヴィルマの流星は…弾丸よりも…速いんだ…よ…」

ヴィルマの回想の中で…

ジムのゾナハ病が一向に良くならないことに頭がきたヴィルマが医師を怒鳴りつけているのを、ジムが制止します

「ママやパパが言ってたよ… 芸人は…お客の前では…怒っちゃだめだって…」

ほら…みんなに、お姉ちゃんの芸…見せてあげようよ…

そうしてジムは苦しみをこらえて、口上を述べるのです

しかし…ジムはそのまま亡くなりヴィルマが投げたナイフは的を外してしまうのです…

④「ぼくだって…仲町サーカスだから。」

大道芸大会で仲町サーカスのみんながトラブルに巻き込まれている中、一輪車に乗ろうとするマサル

しかし他の大道芸人が、失敗を重ねるマサルに芸ってヤツを甘く見てんじゃねえ!」と叱ります

それでも今はぼくしかいないから…!

仲町サーカス団の団員として、サーカスを守りたい、というマサルの意思のあらわれです

この姿に心を打たれ、ヴィルマと、ストローサーカスの三牛・ナオタ親子はマサルに手を貸すことを決めるのでした

⑤「ああ… 面白いねえ… ショーは…」

大道芸大会を無事に乗り切り、ひとり空を仰ぐヴィルマ

いまさらサーカスには戻れない…と思っていた殺し屋・ヴィルマはもういませんでした

そこにいたのは、ナイフ投げの名手「黒のヴィルマ」でした

次回予告

次回、舞台はふたたびナルミたちに移ります

ナルミはそこで自動人形(オートマータ)達と戦い、壊し、そしてゾナハ病専門の病院に行き、ショックを受けます

そして新世代の「しろがね」、『しろがね-O』のジョージとの出会い…

はたしてナルミたちの運命はいかに

乞うご期待!

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