前回までのあらすじ
ライヒワインにギーレンからも同様の電話があり、ディーターが現れ、テンマが人殺しになる前に止めて欲しいと言われます…
ダンスパーティー
ギーレンの元にルンゲが現れます。テンマに向けた新聞の三行広告を出した事まで突き止めたルンゲに、渋々ギーレンはテンマの無実とヨハンの犯行であるという考察文をルンゲに見せますが、ルンゲはヨハンの犯行と立証するのは難しいと言います
ヨハンの写真を見せられたルンゲは、思い違いをしていたと立ち上がり、ミュンヘン市内にテンマがいると警察に緊急配備するよう連絡します。テンマは狙撃銃を手に入れる算段をし、弱った身体を鍛え直します
ロッテはカールをダンスパーティーに誘いますが、体よく断られてしまいます。図書館で美女(アンナ)を見つけ、アンナが同じくマルゴット・ランガーの事を調べているところから意気投合します。ロッテはアンナをダンスパーティーに誘います
美人のアンナばかり声が掛かると思いきや、コンスタンティンという男が踊らないかとロッテを誘って来ます。一度断りましたが、再度誘って来て、一緒に踊ると金になる(カールに頼まれた)と言うので、アンナが張り倒します。ロッテはカールにフラれた事で涙し、アンナが慰めます
テンマは狙撃の練習をし、精度が上がって来ます。ヨハンを付け狙い、どこで仕留めるか検討した結果、毎週必ず訪れる森で行う決心をします。しかしそこで森に因縁のある老人が怪我をしたため治療した事で、老人の過去に触れたテンマは森での狙撃を断念します
絵本を読んで卒倒するヨハン
子どもの連続転落死事件が多発しています。事情を聞いていたライヒワインでしたが、子どもは答えず、ディーターが話しかけると、外に連れて行かれます。その子は生まれ変わったと言い、ビルの屋上で欄干に向き合って目を瞑って一歩ずつ進み、落ちて死んだ方が負けだというゲームをヨハンから教わったと言います
その子は風に煽られ怖くなり、ディーターに助けられます。その子はヨハンがもっと凄い遊びをしている、もうすぐ日本人に撃ち殺されると言います
シューバルトはその莫大な蔵書をミュンヘン大学の図書館に寄贈しようとしています。図書館に下見に来たヨハンは、司書の女性に絵本を紹介され、その中で「エミル・シェーベ」の絵本を読んでいると突然涙を流し、叫び声を挙げ卒倒します
テンマはシューバルトの蔵書寄贈セレモニーの日に2階から狙撃しようと決意します。ヨハンは入院しましたがすぐ退院し、ロッテと司書は会えずじまいでした
全快したヨハンの元に「赤いヒンデンブルク」から手紙が届き、ヨハンは夜の街に繰り出します。そこにはマルゴット・ランガーが待っており、ヨハンが巻き起こした数々の事件や、自身もマルゴット・ランガーに成り代わっていい想いをして来たと包み隠さず話します
奥の部屋に新しい男が銃を向けていると脅すランガーですが、ヨハンは気にせず部屋を後にしようとし、奥の部屋から現れた男はロベルトで、ランガーに銃を向けます。ヨハンは娼婦から風船を買うと、後ろから「ドン」という銃声が聞こえます
狙撃場所を決めたテンマ
テンマはミュンヘンのアジア人街の医院に姿を現します。医院とは名ばかりで、女医の手術の様子を見て、本物ではないと悟ったテンマは的確なアドバイスで手術を成功させると、女医は過労で倒れてしまいます。気を取り戻した女医は、テンマが診察を続けているところを発見します
女医は何と17歳で、父が医者で医療の勉強はしてきたものの正規の医者ではなく、このアジア人街の人の面倒を診て来たと言います。そこに銃で腹部を撃たれた娼婦がやって来ます!自分の手に負えないと嘆く女医に、テンマは病院に運んでいる暇はないと手術を断行します
手術はテンマの力添えもあり成功します。テンマがここに来た訳は、赤いヒンデンブルク殺害現場に最初に立ち会ったのがこの女医だったからで、女医はその現場に入った感じがただ殺しただけという状況だったと言い、テンマはヨハンが関わっていると感じます
ルンゲは角福商事という日本の会社の男からテンマについての情報を聞き、その後自室で自分が日本人だと言い聞かせていると、娘から電話が掛かって来ます。子どもが産まれたため会わないかと誘われ、快諾しますが、探していた山本という男と会えるということで、ルンゲはそちらに出向きます
山本との話から商談でヨハンに渡すという絵本を見せられたルンゲは、チェコ語のその絵本の翻訳を始め、「僕を見て!僕を見て!僕の中のモンスターがこんなに大きくなったよ!」という文章を見つけます
ギーレンは囚人からヨハンの事について聞き取りを行い、いずれリーベルト夫婦も飽きたため殺されると言われます。囚人は例え核戦争が起きようともヨハンは生き残ると言います
ライヒワインはリーベルト夫婦の元に出向き、ヨハンの恐ろしさについて説きますが、夫婦は頑なで信じようとしません。ギーレンの聞き込みを聞いたライヒワインは、直接シューバルトの元に出向くしかないと決心します
シューバルトの寄贈セレモニーの前日、テンマは図書館に忍び込みます。ロッテにチェコ語の辞書を取ってやり、自身は2階の本棚の上で身を潜め、閉館の時間になったところでこの巻は終わります
まとめ
ロッテがアンナと接触し、同じくマルゴット・ランガーの事を調べていたことから意気投合しダンスパーティーに誘います。ロッテはカールにフラれたことを悔しがり、アンナは慰めます
子どもの連続転落死事件が多発しており、その原因はどうやらヨハンのようなのです。欄干に向き合って目を瞑って一歩ずつ進み先に落ちた方が負けというゲームを子どもにさせる等、やはりヨハンは狂っています。怪我をした子はヨハンはもっと凄い遊びをしている、ヨハンは日本人に撃ち殺されると言うのです
これは着々と準備を進め、ヨハン狙撃の算段をしているテンマの存在に気付いている証拠です。そうとも知らずテンマはヨハン周辺の聞き込み等を行い、最終的に狙撃ポイントをシューバルト寄贈セレモニーが行われる図書館の2階本棚の上と決め潜みます
ヨハンは「エミル・シェーベ」の絵本を見て卒倒する訳ですが、後程ルンゲも手に入れたその絵本には例の「僕を見て!僕を見て!僕の中のモンスターがこんなに大きくなったよ!」という文章も見受けられます。ヨハンも以前書き残していたこの文言、何か曰く付きのようですが、現段階では定かではありません
ライヒワイン達もシューバルトに直接交渉に行くしかないと決心し、シューバルト寄贈セレモニーで役者が揃いそうです…9巻ではどんな展開が待っているのでしょうか?
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