「MONSTER」18巻の深まる謎と極上ミステリー~最終巻!ルーエンハイムが殺戮の現場へ…グリマー・ロベルト逝く!「完全な自殺」を企てたヨハンの結末とは!?~

前回までのあらすじ

テンマからのメールを見たニナは協議の結果、ギーレンルーエンハイムに向かいます

売店の女ロベルトに抱かれています

ルンゲ達は自身を守るすべは一丁の拳銃だと悟ります…

超人シュタイナー、逝く…

テンマは雨の中街に入り、撃たれた教師から子ども達の事を託されます。ルンゲは一連の事件の主犯・ヨハンの存在を認めつつ、テンマも重要参考人だと言います。グリマーボナパルタを責め、その罪状を公の元に明らかにすべきだと主張します

テンマは女・子どもを助け、林道から避難させます。宝くじの夫婦がホテルに着き、ルンゲは銃を預かりもう一つのホテル・ベルクバッハに向かいます。グリマー中心にホテル内で立て籠もる準備をします

街中死体だらけの中、ルンゲ売店の女を見つけ、そこにテンマも現れ、ルンゲは詫び、テンマの言っていたことが現実になった、職務に戻るとベルクバッハへ一人向かいます

ホテルフェアシュテックも隣の建物から銃撃を受け負傷者が出ます!グリマーは超人シュタイナーを引き合いに出し、地下室に人々を隠し、単身丸腰で説得に向かいます。すると売店の女が現れますが、撃たれてしまいます

林道に逃げた人々と鉢合わせしたニナ達は、乗って来た車のキーを託し、街に入ります。フェアシュテックに着いたテンマは、中で負傷したグリマーを見つけます。超人シュタイナー化して4人仕留めたと言いますが、虫の息です。そこにボナパルタが現れます

悲しみの感情を理解したグリマーは静かに逝きます

ロベルト死す…

テンマルンゲから預かった手紙を読み、それがボナパルタが書いた物だと理解します。ボナパルタと共にベルクバッハに向かいます

ベルクバッハに侵入したルンゲはついにロベルトを見つけ、銃撃戦になります。上手く椅子を使って反撃したルンゲは、負傷しながらロベルトを追い詰めますが、ロベルトルンゲの事を事細かに知っており、格闘戦に突入、馬乗りになりながら、ヨハンが自身の記憶を呼び覚ましたと言います

グリマーの施設での友達(ココアが好き)はロベルトだったことが判明します。ボナパルタは過去の回想から、怪物をつくってしまったと悔い、同じくテンマは怪物を蘇らせてしまったと悔います

ルンゲは追い詰められますが、首を右手で締められつつ(ロベルトは以前右腕をテンマに撃たれたため握力が足りません)、逆に重症の腹部を攻撃し形勢逆転、ロベルトに銃を向けます

ニナ達がフェアシュテックに到着すると、ヴィムは吸血鬼の家の絵の女の子にそっくりだ言うのです。吸血鬼の家で数々の絵を見つけ、先程までここにヨハンがいたこと、そして母の残像と、ニナヨハンの命令通りヨハンを撃たなければ一連の事件は起きなかったと悔いります

ベルクバッハ前に到着したテンマ達の元にヴィムが現れ、ニナの事を伝えると、そこについにヨハンが現れます!ボナパルタロベルトに撃たれてしまいますが、ロベルトもそのまま死に絶えます

不穏な結末

誰にでも平等なのは死だというヨハンは、テンマに「終わりの風景」を見せ、寸でのところでニナが到着、テンマを止めます。ヨハンテンマに自身を撃たせるためにヴィムに銃を向けますが、ここでヨハンが撃たれます!ヴィムの父親が撃ったのです

一連の惨劇は終止符を打ちます。マスコミも到着し、その惨状をニュースで伝えます。ヴィムの父親の犯行と疑われますが、ギーレンルンゲがこの複雑な事件の全貌を話すと言います。警察は指名手配中のデンマを見つけ驚愕しますが、ルンゲが頭部に銃弾を受けたヨハンを救えるのはテンマだけだと言います

テンマは再度ヨハンのオペを行います

事後として、ライヒワインは更生したエヴァと面会します。エヴァはインテリアコーディネーターとして成功します。エヴァはテンマに関する新聞のスクラップをライヒワインに渡します。そこにはテンマが教授になるチャンスを不意にし、国境なき医師団に参加とあります

スークヴァーデマンルンゲグリマーの墓参りをします

南フランスの病院の庭で、テンマは双子の兄妹の母親と面会します

ハイデルベルク大学に復学したニナは、卒業論文が評価され、教授へ弁護士になる夢を語ります。ディーターから電話があり、明日テンマが来るということで、友達との約束もキャンセルします

警察病院で昏睡するヨハンに母に会ってきたと語るテンマは、ヨハンの幻覚(命の危険に晒された母は、迷いながら双子のうちの一人を差し出したのです)から、いらなかったのはどっち?と問うてきます

幻覚から覚めたテンマが去ると、病室からヨハンが忽然と消えたところでMONSTERは終わります

まとめ

どこにでもある小さな街が殺戮の場と化し、多くの人の命が奪われます。主犯はヨハン・ロベルトで、扇動され疑心暗鬼に陥った住民はお互いを殺し合ってしまうのです。グリマーは身体を張って住民を守りますが、最後は超人シュタイナー化し、失っていた悲しみの感情を思い出し逝きます

ヨハンの右腕として暗躍していたロベルトは実は511キンダーハイムグリマーの友達だったココア好きの子だったのです。ルンゲと死闘を演じ、結局ヨハンに踊らされてロベルトも逝きます

ヨハンが絵に描いた最後はテンマに撃ち殺されるというものでしたが、ヴィムを盾に取った事で、ヴィムの父親に頭部を撃たれ、一連の事件は終止符を打ちます。大混乱の現場で、この複雑な事件の詳細を説明出来るギーレン・ルンゲの生存は救いでした

頭部に重傷を負ったヨハンをまたしてもテンマがオペをするという形となり、テンマは何を思ったのでしょうか?

最終的には残った登場人物はハッピーエンドに向かったかに見えましたが、最後のヨハンの失踪が再度このMONSTERという作品の恐ろしさを際立たせます…ヨハンが再度凶行を起こさないことを祈るのみです

終わりに

如何だったでしょうか?浦沢直樹先生の作品の中でも、ホラー・ミステリーものとして抜群の人気を誇った今作、なまえのないかいぶつという得体の知れない恐怖感が読者を震撼させ、読後も底知れない恐怖を覚える不思議な作品です。浦沢直樹先生の幅広い作風に感嘆しつつ、また他の作品にも是非目を通して頂きたいです。お付き合い頂きありがとうございました

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