「バガボンド」18巻の数々の激戦と成長譚~舞台に上がってきた者だけ斬る!小次郎への荒療治…武蔵との邂逅も!そして落人狩りへ…~

前回までのあらすじ

旗指物に「天下無双剣 巌流佐々木小次郎」と名を書いて、歩くことになる小次郎。すると前方に「兵法天下一 無双権之助」と背に記した男が現れ、一刀斎が「ここにも天下一がいるが?」と声を掛けます…

舞台に上がっていない権之助

小次郎を付き人と勘違いしている権之助は天下一とは生き様だと息巻きます。妙に一刀斎に突っかかって来る権之助を「0点」と一蹴し、休んでいると、権之助が追いかけてきます。一刀斎権之助の勘違いを正し、ちゃんと天下一を背負っている小次郎と立ち会うように言います

権之助に木剣の持ち柄で打撃を加えた小次郎は、権之助がまだ舞台に立っていないと悟り、手を緩めます。小次郎には命のやり取りをするには至らないと瞬時に分かったのでしょう。そのことを一刀斎から告げられ、権之助は悔しがります

権之助は相手が一刀斎だと分かり、旅に同行します。一泊しようとしていると、旗指物を見てか、武者修行の者が訪ねて来ます。真剣での勝負を了承するし、一刀斎小次郎に剣を渡します。裏で勝負をし、小次郎は相手の渾身の一振りを華麗にかわし、腹に一太刀、そして首も斬ってしまいます

一刀斎鍛錬に鍛錬を積み技と心を試し合う…試合…その行き着く処にある死を受け容れた者であれば小次郎は斬ると言います。権之助はその舞台に立っていないのです

小次郎は剣技を磨いています。相手は天狗か!?一刀斎か!?権之助小次郎から学ぼうと決意します

翌朝寝坊した権之助一刀斎達は戦見物に行くと最早出立しています。なんとか合流し、合戦場に着くと、そこは屍がゴロゴロころがっています。そこに若かりし頃の武蔵が現れます!

小次郎と武蔵の邂逅


東軍西軍どっちの軍か?」と問う武蔵に、一刀斎は「見物人である」と答えます。武蔵は素直に納得し、その場を去ります。権之助は屍を見て、戦は最早剣ではなく鉄砲や弓、長槍の時代なのだなあと呟きます。そこに騎馬武者が現れ、「どこの隊の者か?」と問われ、一刀斎は今度は「お主らの相手方である!」と言うのです!すると武蔵が猛然と騎馬武者に向かって行きます!斬り合いが始まります

武蔵が獣じみた野獣とかして戦いを繰り広げる中、小次郎は静かに敵を倒していきます。一刀斎は新手も呼び寄せ、敢えて修羅場を作って楽しんでいるようにしか思えません。権之助はこの状況を笑って楽しんでいる3人を見て、異常さを感じつつ、自分も笑ってみようと思います

一刀斎はその暴れっぷりを見て、「獣が2匹おるねえ」と呟きます。一瞬武蔵小次郎が対峙しますが、瞬時に本能で敵でないと悟る二人でした

大将首を見つけて俄然やる気の上がる武蔵小次郎も下段の攻撃が冴え渡ります。すると、遠方から鉄砲を撃つものがいます!足を撃たれた武蔵は倒れます。一刀斎は「テッポウは好かん」と腕ごと一刀してしまいます

この足に鉄砲を受け、倒れているシーンがバガボンドの1巻に繋がるという心憎い展開です!

残党狩り

残党狩りをしている村人達がいます。権之助は自分達が落人に見えなくもないことを悟ります。そこにこそ一刀斎の意図があるのです!

小便に行った小次郎を置いていき、一刀斎は「自分は人を育てられるような人間ではない、わしがしてきたようにやらせるだけわしになれ」と言います。小次郎は残党狩りに合います

場面変わって、利宗市三巨雲といった落人達が残党狩りから如何にして生き延びるか思案しているところでこの巻は終わります

まとめ

覚悟が出来ていない人間は斬らないという暗黙のルールが既に出来上がっている小次郎には、権之助は斬るに値しない人物だったのです。武者修行者を斬りながら、己の腕を磨いていく小次郎、とても聾唖者とは感じられませんが、道を極めて行きます

一刀斎は修行のために色々と苦難を仕向ける訳ですが、今度は関ケ原の合戦場に連れていくのです!実際の戦場の方が得る物が多いと踏んだのでしょうが、最早メチャクチャですね!しかし、生き死にの極地となる戦場でのやりとりで、小次郎の剣技は更に磨かれていきます。若かりし頃の武蔵との邂逅、まだお互いを認知していない時ですが、生涯のライバルとして、最初の出会いとなりました

ここのシーンがバガボンド1巻の冒頭シーンに繋がる訳です。井上雄彦先生はそこまで先を見越して1巻冒頭シーンを描いていたのかと思うと、その計画性や辛抱強さに感服しますね!

残党狩りということで、新キャラが出てきます。小次郎達も含め、日中は敵方と、夜は落人狩りの連中と、休む間もないという、戦争というものは本当に無常で、追い詰められるものだなあと感じてしまいます。まさにそこに一刀斎の意図がありそうですね、次巻も読みましょう!!

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