前回までのあらすじ
これだけのアウェイの中、ブーイングすらあるのに物怖じせず、上がり続ける大を見て、マーティも降参し握手、実力の違いをまざまざと見せつけられたエディは踏ん切りも付き、これで音楽を止めると大とハグします。観客から握手を求められ、大がこの街を出ますと力強く決断します…
マイカーゲット!
終演後観客は大のテナーについて賛否両論で盛り上がる中、記念撮影時に大がアメリカに来て初めてのライブだったという事にしてくれないかと店主から持ち掛けられます。ジャックは大の演奏を観て感化され、知り合いの車を引き取り、大用の車だと整備してくれます。ホンダのシビックです
古い車ですが、皆で整備し、エンジンも掛かり、ジャックは大に明日シアトルを発てと言います。ジャックは何とブルートゥースも搭載してくれて、検索でNUMBER FIVEのアルバムを見つけ、嬉しがります。大は南に行く事にし、安宿を後にします
ジャックは車のナンバーに「PASS ME」と書いてやります。こういった配慮含め2000ドルだと言われますが、大は1000ドルしか出せず、低賃金で働いてくれたからとジャックは売ってくれます!ジャックからエディと一緒に演奏してくれと頼まれ、エディを説得するため大はエディの父の事を持ち出します
大は大きなステージで演奏する事が勝ちだと思って来たが、ダグのように毎晩毎晩何年間もどんな日でもステージに立ち続ける事も勝ちなのだと知ったと話し、エディは涙を流し、納得して「This I Dig Of You」で共演します。ジャックは仕事仲間を呼び演奏を聴き、新しい景色を見せて貰ったと感謝します
大はインターステート5で南へ向かいます。大型トラックに煽られる中、何とか高速を走り、給油も問題なく行え、更に先へ進むと、ヒッチハイカーを見かけます。大は新しいジャズを探す、トラベラーじゃない、エクスプローラー(冒険者)なのだと胸を張ります
コミュニティFMでの出逢い
大は今まで多くの人に助けられて今がある事から、次に見かけたヒッチハイカーに声を掛け、車に乗せます!ジェイソンは今は働いていなく、スケーターとして各地転々としているのです。プロにはなりたくないと言い、街々のパークでライドし、クラフトビールを飲んで金がなくなったら工場で働くのだそうです
ジェイソンはジャズの現状を話し、大はジャズの良さを語り、ポートランドで受け入れてくれるといいなと言われます。大は躊躇する事なく世界一のプレイヤーになりたいと断言し、ジェイソンはそれってハッピーな事なのか?と訝しります。ジェイソンはポートランドは古い価値観から脱した街だから大に合うと言います
ジェイソンを降ろし、安宿を見つけ、ジャズスポットへ向かい、早速飛び込みで売り込みますが、断られてしまいます。夜ジャズバーを訪れ、その雰囲気の違い(音楽を楽しむ優雅さ・余裕があるところ)に驚きます。コーヒーショップでは街一番濃いから軽いものなら他ショップを勧めると言われ、他店を勧める余裕さにも驚きます
翌日大は手当たり次第に住民にどんな音楽を聴くのか聞き込みし、意外とジャズは聴かれていない事に気づきます。スケボーの公園ではジェイソンが楽しそうに滑っており、住民ののんびりと人生を楽しむ姿勢を感じつつ、オレにはオレのリズムがあるとコミュニティFMに乗り込みます
そこはジャズ専門のラジオ局で、何とDJは大の事を知っています!唐突に番組で吹いてくれないかと打診が来て大はこんな事が起こるのかと驚きます。大は「Dear New Portland」を即興で吹き、後半は大らしい高速の超展開で締め、対談して近況を話します
早速反響があり、何と昨日体よく断られたジャズクラブの店主から、明日吹いてくれないかと打診が来て、大は快諾します。ラジオ終了後DJは客集めをしようか?と言いますが、大はしなくて良いと強気です。バックバンドも用意するという話で、アメリカで大メインの初ライブとなり、大は自身を曲げずに正面から行くと気張ります
アメリカで初の自身メインのライブ!
大はリハーサルで厳しく、勝つためにより良いものをと練習に励み、選曲も決まり、ミュージックチャージも8ドルとします。音楽好きの男はたまたまラジオを聴いて惹かれるものがあったため、車でわざわざジャズクラブに訪れます。前の演者から居残っている者も含めて30人強という集客の中、大は3億人以上のアメリカでと喜びます
大はカルテットとしてステージに上がります!緩やかな立ち上がりで気を良くしていた観客が一変、激しい大のソロに驚愕します!友人にチャージ代を払って貰った男達は思い直し自腹を切る程です。大は堂々と世界一になりに来たと豪語し、次来る時はチャージ代が上がっているだろうと言います
好評で終わったライブ、メンバーはこのメンツでもっとライブがしたいと話しますが、大は止まっている事は出来ないと先に進むと言います。大は行き着けになったコーヒーショップで思い切って店員に名前を聞き(シェリル)、食事に誘われます!
大は身なりを整え、シェリルと夕食を共にします。大はそこで初めて自身がジャズプレイヤーだと明かし、本気で世界一になりたいと豪語し、シェリルは感嘆します。シェリルは全てを音楽に捧げている大に、自身とはだいぶ違うのだと感じます。次の店ではオレは放漫で強欲で誰かの役に立ちたいと言います
シェリルとの別れを惜しみ、いつかまた会いたいと握手するところでこの巻は終わります
まとめ
大の熱演に感化されたジャックは大のためにホンダのシビックを整備し、なんと1000ドルで売ってくれます。エディとも最後の共演をし、この出逢いが素晴らしいものであったと感動の一コマです。BLUE GIANTシリーズは数々の奇跡的で運命的な出逢いが描かれますが、一期一会のものが多く、本当に感動的です
車も手に入り、単身南下しポートランドに入ります。ここではスケーターのジェイソン、コーヒーショップのシェリル等が出て来ますが、後程も登場しますのでお楽しみに!
ジャズクラブでは最初断られますが、ジャズ専門のコミュニティFMを訪れ演奏すると、そのクラブからオファーがあり、トントン拍子にライブが決まります!大はこの急展開に戸惑いつつ、こんな事が起こるのか!と感慨に耽ります…何もしなければ起こらなかった事です
大はアメリカで自身メインの初ライブをし、盛況に終わります。ジャズは本来優雅に音を楽しむというものがありますが、大の音はシリアスで、ヒリヒリした、躍動感のあるもので、バンドメンバーはもっと一緒にやらないかと持ち掛けますが、大は一か所に留まる気はないと前を向きます
シアトル→ポートランドと来て、次に大が向かう先はどこでしょうか?3巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
コメント