前回までのあらすじ
迷い猫が車に入り込み、いつしか人だかりが出来る中、車も直り、お礼もいらないと知り、大がアメリカという国の自由さ・寛大さに驚きます…
ジェイソンの友人・ゲーリット
カリフォルニア州サンノゼでジェイソンの友人・ゲーリットに逢い、即決でライブが決まります!ゲーリットは優秀で卒がなく、ジェイソンとは真逆の性格ですが、馬が合うようです。ジェイソンは元々優秀だったのですが、ライフスタイルを変え、今のような放蕩生活を敢えて行っており、「ちゃんと教」にはなりたくないと言います
ジェイソンの過去(火事現場で犬を助け出した)等挟みつつ、まるで正反対の二人ですが、根源的なところでお互いを認め合っているのです。ライブでは大の圧巻のプレイに、ゲーリットは練習に練習を積み上げた、逆になんて自由なプレイなんだと感激します
先を進む大達は、全米第2位の都市・ロスアンゼルスに着きます。その夜に早速ジャズクラブに行き、相場や客層・年齢層の高さに驚きます。演奏も非常にゆったりとした大人のジャズで、出演交渉も体よく断られます。そのまま練習をしに行きますが、治安が悪く、大は夜は出歩けないと感じます
他の店でも出演を断られ、L.Aではスムーズとかイージーといったゆったりとしたジャズスタイルが好まれ、大と真逆な事が分かります。女の古い手口の詐欺まがいにも遭い、ジェイソンはL.Aをスルーして先に進もうと言いますが、大は諦めず、この街の事をもっと知ろうとします
L.Aでの挑戦
ジャズバーは諦めて、ライブハウスに向かった大は、一度断られたものの、グラナイツのマーティの写真を見つけ、そこから突破口を見出し、ライブが決まります。大はL.Aのスムーズな音楽の逆をやってみると思案します
マーティ宅を訪れ、大は1時間程全力で吹き、その様子を録っていたマーティのSNSで動画を上げて貰い宣伝する作戦で、しかも一人でのライブをやると言います!大はたまたま出逢ったおじいさんのL.Aが何でも飲み込んでしまう街なのだという言葉から、自身には小さいジャズの種を持っていると熱く語ります
マーティの宣伝もあって、おじいさんを含む15人の客がライブに訪れます。大の物凄い音圧の予想不可能な演奏は徐々に観客に伝わっていきます。30分程全力で吹き切り、緩急を付けて一旦バラードを挟み、一人帰る中、失ったものは数えない、必ず届く人がいると信じ、そこから輪が広がっていくと大は更にフルスロットルで吹きます
結局53分間全力で吹き続け、6人が立って歓声を上げます!観客から今の音楽は何?と聞かれ、大は迷いなくジャズだと豪語、質問攻めに遭いますが、自身のスタイルとこの街への挑戦を語り、店主も気に入り、3日後のライブも決まります
大はおじいさんを送ってくれとジェイソンに頼み疲れて車で眠ります。おじいさんは大の強気の姿勢に、本人が負けたと思わなかったら勝つんだねと話します。ギャラは80ドルで、ジェイソンは世界一への道は遠いなと感じます
メキシコ人ピアニスト・アントニオ
店主は3日空けた理由は宣伝もあるが、大の全力のプレイスタイルはボクシングのメガファイトのように毎日聴けるものではないと説明し、ジェイソンも納得します。大は無理矢理にでも、自分の居場所を作ったのだと一人ランニングします
次のライブは前回の倍・30人以上集まっています!更に次回は40人以上、リピーターもいます。毎回異なるステージングは観る方も非常に疲れますが、不思議と飽きないのです。全てを出し切った大は次の街へ…というところで、コロンビアから来たダンサーがどうしても話がしたいと言うので、食事に行きます
彼は貧しい生い立ちながら、ダンスで立身出世を志しているスタイルに大を重ね、何と2時間歩いて観に来たと言います。ダンサーは大の全身全霊のプレイに胸打たれ、大は間違っていない、絶対に大丈夫だと断言します。大はトイレに立ち、一人その言葉に涙します
去り際最早曲芸とも言えるダンスを披露し、ダンサー(カルロス)と別れます。大は出逢って別れて…最高じゃんかと車を進めます。サンディエゴで何とジェイソンは一緒の旅を終え、しばらくここに滞在すると話します(本当は資金が尽きたのです)。ジェイソンは別れの言葉はいらない、もう逢えなくなってしまうからと言います
ジェイソンはお別れパーティーを提案、お互い金がないため、隣国・メキシコのティファナへ行こうと提案します。スルッと国境を越え、二人で飲み明かします。大は珍しく悪酔いし、結局例によってジャズバーに行きます。すると大を知っているメキシコ人が話しかけて来ます
男(アントニオ)は動画等で知ったと言い、サムとの共演を引き合いに出し、自身の方が上だと豪語します!大のプレイはシリアス過ぎて、音楽を楽しむ姿勢がないと酷評し、大も怒ります。そこでアントニオは実はピアニストで、今から演奏すると言うので聴いてみると、独特ながら味があり、明るい音を鳴らしています
ジェイソンは終演後アントニオに悪条件ながら全米ツアーに行かないかと持ち掛け、自身の後任として大をミュージシャンが支えてくれないかと話します。音大行きも決まっているアントニオはこの唐突な誘いに驚き、ジェイソンが大ともう一軒飲みに行くところでこの巻は終わります
まとめ
特にこのEXPLORERでは、ヨーロッパと違い広大なアメリカが舞台という事もあり、出逢っては別れ次の街へ…というスタイルでお話が進みます。一期一会の出逢いを繰り返していく大ですが、自身が持っているジャズの種を大は蒔いていくのです
また、L.Aという場所柄に大のスタイルは真逆で、困難を極める中、ライブハウスから突破口を見出し、単独ライブを行う姿は痛快です。2000キロも南下し、各街である程度結果を出して来た大でしたが、サンディエゴでジェイソンが離脱することになります
ここまで大のエージェントとして苦楽を共にしたジェイソンの離脱は痛手です。お別れパーティーをメキシコのティファナで行うと、そこで大の事を知るピアニスト・アントニオと出逢います。自信満々のアントニオは大にはない楽しさに溢れたプレイを見せ、ジェイソンは大がそろそろ誰かミュージシャンと組むべきだと、自身の後任を依頼します
現段階ではアントニオが大と組むのか分からない状況です…この流浪の旅、本当に先が読めない展開ですが、大がSUPREMEで見せたようにミュージシャンと組んでバンドとして活動していくのか興味深いですね!5巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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