前回までのあらすじ
ここまで攻撃陣を牽引してきたアレックの負傷交代で風雲急な中、若い2人に託し残り30分、村林は楽観的な事は言ってられないがブランジャパン結成以来今がベストのチーム状態だと感じます。高さを失った日本に救世主の如く投入されるのは意外にも夏木です…

「時は来た」
ブランは「時は来た」と夏木を送り込みついにピッチにETUの選手が2人揃います。負傷したサリバンも治療を終えコヴァルに10番にふさわしい仕事をしろと煽ります。マクレガーは夏木を警戒し守備時は実質5バックです。躊躇している時間は無いと椿は強引に早いクロス、夏木が合わせますがキーパーチャージです
藤澤はこの重要な局面で日本中の期待を託されてピッチに立っている2人に達海の日本サッカーを面白くするという仕事の成果が日本代表にまで影響を及ぼしていると感慨深いです。夏木はのびのびプレーで当然ポカもありますが高さもスピードも十分通用すると手応えを感じます
ここでオーストラリアはSBとWGの2枚替えで右のテコ入れをしてきます。ライアンが危うい守備からコヴァルがカウンターで江田もイエローを貰い両CB同条件です。コヴァルは人の事どこまでも見下しやがってと怒りのFK、夏木が弾くと再度コヴァルはクロスと見せかけてバー直撃の惜しいシュートです
日本もSBを入れ替え城島は主戦場の左です。コヴァルは執拗にカウンターを仕掛けますが星野が阻み、ライン下げてチンタラやってる時間はありません。椿が執念を燃やす中またしてもコヴァルで窪田が対します
ETUホットラインで同点!
窪田の頑張りからボールを取り返しフリーの城島にドンピシャサイドチェンジ、ニアの椿を囮に中央志村のシュートが阻まれ更に花森の押し込みすらベイカーは止めてしまいます。ここでボールを奪った椿は全てを俯瞰し僅かな隙間の夏木にダイレクトパス、そのままシュートが決まります!
ETUホットラインで同点とし、八谷は喜び合う2人を見て調子が良すぎてやられる気がまるでしてないと段違いの存在感を感じます。両監督熱くなり壮絶なゲームとなり、達海は自身の手腕を誇り椿が鳥になったような状態だと語ります…椿は過去1調子良いのです
マクレガーは血気盛んで死に急ぐようなコヴァルを危惧しながら危険なのは例の2人だと警戒します。コヴァル→ハミルトンから裏は星野が捌きカウンターで椿→夏木から花森シュートはバー直撃です。セカンドを窪田のところでコヴァルがカバーしこのしんどい時間帯に窪田は楽しそうです
日本の時間帯となり、椿達の躍動に藤澤はブランが恐ろしい慧眼の持ち主だと慄きます。3枚目を切るオーストラリアに対しブランは様子見し、出ている選手を信じます。笠野は達海とブランの密会をお見通しで、達海はただブランの思ってる事に同意して頷いてただけだと謙遜します
椿会心の逆転弾も…
焦れるコヴァルがボールを要求すると花森がカット、窪田のショートカウンターでビッグチャンスです。夏木の斜めの囮で椿フリーです。回想では達海の現役時代のプレー集を見たブランが賞賛し、本人の招集は最早叶わないが教え子は呼ぶ事が出来、それは本人を呼ぶ事と相違ないと語ります
達海は椿はすぐに日本中の選手達をごぼう抜きするだろうと予期し、事実GKを抜いて逆転弾を決めます!日本中が歓喜し椿家も大興奮、実況も達海の教え子の大活躍に勝利は目前と逸ります。後藤は涙し、藤澤はこの選手に魅せられたジャーナリストとしてそのサッカー人生を最後まで追い続けると誓います
アディショナルは6分で、城西投入で試合を終わらせる気の日本、焦るコヴァルを尻目に志村からカウンターで窪田が猛追、コヴァルの足が出てここで倒れる訳にはいかないとかわした窪田は着地で何と左足を痛めます。接触以外での転倒で、村林は状況から怪我が軽いものではないとし椿が呆然とする場面でこの巻は終わります
まとめ
ジェットコースター状態の波乱のゲームとなった準決勝、ETU選手2人の息の合ったコンビネーションから加点し達海の教え子として鮮烈な印象を日本国民に与えます。夏木は特に波がありポカもやらかすタイプですが切り札として気張り、椿のピンポイントパスを得意のアクロバティックで加点です
藤澤の感じた通りブランの慧眼恐るべしで、シンデレラストーリーのような椿の大活躍に心躍りますが、終盤の圧巻の逆転弾で最早世界中からチェックされるべきクオリティーです。この1年ここまで飛躍した選手等早々いるものではありません
ところがここからがGIANT KILLINGの恐ろしいところで、素直に日本に勝たせてくれないのです…リードして更に躍動する窪田が転倒で脚を痛め先程まで楽しそうにプレーしていたはずなのに風雲急を告げます。このアクシデントで青ざめる椿、何やらもう一波乱ありそうな雰囲気です。56巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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