「極黒のブリュンヒルデ」第18巻のあらすじ
ヴィンガルフの本拠地の中で逃げ惑う良太たち
ロキはヴァルキュリアを食べると覚醒するのですが、寧子ではなくフリストを食べて覚醒しました
巨大化したロキに多くの人が食べられます
良太の父、神祇官は息子たちへの愛を語りながらロキに食べられました
良太がロキに食べられればロキの意識は良太のものになるのですが、ロキは良太を警戒して食べません
そこでカズミが第3のボタンの力によりエッダの情報を消去してロキの理性を消しましたが自身はイジェクトされて亡くなりました
そして良太を守ろうとする寧子ですが、良太にハングアップされて魔法が使えなくなり、良太はロキに食べられてしまいます…
名シーンベスト3!
3位 良太と神祇官の最後の対話のシーン
「自分の父親には心から尊敬できる
人間であって欲しかった」
覚醒したロキは手当たり次第に人々を食い漁ります
それは覚醒した寧子でもかなわない無敵の存在です
そんな時に良太の前に現れた神祇官は彼に別れを告げに来ました
彼は良太がロキに食べられれば良太がロキの能力を得られること、そして良太を愛しているからそのようにしたと言います
良太はそんな彼に尊敬でき誇れる父親であって欲しかったと涙しながら言いました
神祇官は再度愛を伝え、そしてロキに食べられて亡くなります
けして分かり合えない父子の最後の対話という悲しい名シーンです
2位 カズミが良太を寧子に託して亡くなるシーン
「村上のことは心配あらへん…
村上には…
寧子がついとる…」
土屋は自身の肉体を使いあらゆるセクションの情報を集めました
そして宇宙人の記憶の集積場所であるエッダにアクセスする装置をカズミに与えます
カズミは良太を守るため、第3のボタンの力でロキの理性を司るエッダの情報を全て消去し、その結果イジェクトされて亡くなりました
死に際、佳奈と初菜に良太には寧子がいる、良太のことが好きだと言い残します
そこに良太も駆けつけ彼女の死を嘆きました
カズミの恋の果てが描かれた名シーンです
1位 良太がクロネコに心中をお願いするシーン
「クロネコにはもう前に助けてもらったよ
今度はおれの番だ」
カズミがエッダの記憶を消し、ロキの理性がなくなってもロキは止まりません
所長と助手は食われ、小鳥も良太をかばい食われました
良太はロキに自身を食わせようとしましたがそれをクロネコが邪魔をします
良太を見殺しに出来ないと言う彼女に良太はキスをし、一緒にロキに取り込まれてくれと頼み彼女は了承しました
しかし、良太は彼女をハングアップさせて魔法を使えなくし、そして自分だけロキに食べられます
かくしてロキは良太の姿になり消滅し世界は救われました…
小鳥やカズミなど、色んな魔法使いの最期を看取って来た良太は最後には自身を犠牲にクロネコたちを救いました
そんなこの物語の締めくくりである名シーンです
まとめ
この物語は何だったのかと考えると様々な人の「生きがい」を表現していた作品だったと思います
いつ死ぬか分からない魔法使いたちはもちろん、良太はクロネコとの再会と彼女の代わりに宇宙人を証明すること、彼の父親である神祇官は祖父の代から受け継がれてきた野心を自分の息子たちでかなえようとすることなど生きがいのために全力で生きていました
そのような多様な生きがいの在り方が絡み合い、この物語を刺激的で神秘的、そして感動的なものにしていたのだと思います
私が好きだったのは良太が自身の能力をふるに使い生き延びようとする非常に強い主人公だったことで、彼が考えた様々な作戦はどれも感心させられました
そしてクロネコとの再会は感動的だったのですが、今までの根暗な寧子はどうなったのかと寂しく思います
あとは軽い(?)エログロがあって良い娯楽作になっているところも好きなところで読んでいて楽しかったです
そうそう、忘れてはいけないのは天文台に住んで生活するというシチュエーションで、そういう高尚なところと野外で食事を作ってとる素朴なところが合わさっていることにもとても魅力を感じました
そういう舞台を設定したことは作者の凄い発明だと思います
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