前回までのあらすじ
キロランケは監獄のタタール海峡に面した塀4箇所に爆薬を仕掛け、それがソフィアへの合図となります。ところが完全には爆発せず、1箇所のみ塀は壊れ、そこからソフィア達は脱獄しようとします
すると突如虎が現れ、ソフィア達の行く手を遮ります…
ウイルクから託された言葉とは…!?
ソフィアは私が待っていたのはこっちのユルバルスじゃないよ(タタール語で虎の意)と呆れます。子分たちが隙を作りソフィアを逃がそうとしますが、ソフィアは子分に助けて貰う義理等ないと飛び上がると虎の首を鎖で締めますが、虎は建物の上に上がって行ってしまいます
他の外壁も空き、そこからソフィアは脱出し、ウイルクと同じ目をしたアシリパを見つけ喜びます。メチャクチャ良い女になったなというキロランケをソフィアは「よくもウイルクを…」と殴ります!脱獄決行の時間を漁師の多い明け方にした事で上手く紛れることに成功します
アシリパはウイルクの事を教えて欲しいと請うと、お嬢様だったソフィアに樺太アイヌの文化を教えてくれた、このままではアメリカの先住民族のようにその文化も途絶えてしまう、樺太・北海道を含めた極東連邦国家を作ればいいと話していたようです
杉元達も一歩遅く脱獄現場に着き、リュウにマキリの匂いを嗅がせ後を追います
先を進むアシリパ達は狼の群れを見つけます!ソフィアはあるエピソードからウイルクは即断即決できる人物だったと言います。ウイルクという名の由来はポーランド語で「オオカミ」という意味だそうです
アシリパはその事で母がウイルクにアイヌ語でホロケウオシコニ=「オオカミに追いつく」と名付けた事を思い出します。するとアシリパは刺青人皮についてある事に気づきます。大事な事なのに出来るだけ考えないように頭の片隅に追いやっていたんだと涙します
白石はおしっこがしたくなり、手間取っていると、流氷が割れて離れ離れになってしまいます。先の方は繋がっていないため、戻って急いで追いつくと言います。雪も風も強くなってきたため、避難して火を焚く事になりますが、尾形はアシリパがとても重要な事を思い出したな?と勘づきます
尾形の誘惑に揺れるアシリパは…
白石はバランスを崩し入水しそうになり、チ〇ポのお守りを刺しギリギリ助かります。しかしそれも折れ、最早これまで…というところで杉元が救います!アシリパが尾形達と一緒だと言うと、尾形があの時俺を撃ったのだと杉元は言い、アシリパを取り戻すと向かいます
尾形はアシリパに気づいた事を教えてくれと請います。暗号の解き方を教えてくれればアシリパはこの殺し合いから「上がり」だと誘惑します
杉元の足跡を追う月島達は、例の写真の女(スヴェトラーナ)を見つけます。灯台守に無事な姿を見せに行けという月島ですが、スヴェトラーナは男と強盗して捕まったなんて知られたくないと泣きます。鯉戸少尉達は脱獄囚に襲われ、銃声が響き、その中に不死身の杉元もいる事を尾形は確認します
鯉戸少尉達が一掃する中、白石と杉元は流氷が割れ取り残されます。尾形はアシリパを連れ、例の杉元を撃った時キロランケは合図を送っていたと言い、のっぺら坊が父親だと確認するのを待って誰かに狙撃させたのだと…尾形はその事をアシリパが何か思い出すまで敢えて黙っていたのです
谷垣はキロランケと鉢合わせし、体当たりし揉み合いになります。キロランケは谷垣を倒しますが、谷垣は網走監獄での「忘れ物」だ、返しに来たぞと凄み、キロランケの腹にインカラマツのマキリが刺さっています
尾形は網走監獄で瀕死の杉元に親友の嫁さんに目の手術を受けさせたいんだと打ち明けられたと言います。その女の名は「トメ」だと言い、更に最後に何か食べたいと言っていなかったかとアシリパが問うと、あんこう鍋を食べたいと言っていたと言い、アシリパは尾形の嘘に気づきます(杉元が最後に食べたいのは干し柿です)
尾形を信用ならないと感じたアシリパは毒矢を向けます。尾形はこの世に清い人間などいないと言い、ウイルクを殺したのは俺だと殺す動機を与えます。しかしアシリパは殺さないと弓を緩め、アシリパに銃を向ける尾形に後ろから杉元が大声で声を掛けると、ビックリしたアシリパが矢を放ってしまい矢が尾形の目に刺さります!
目的を遂げキロランケ死す!
咄嗟に杉元は矢と目玉を引き抜き、毒が回らないように血を吸い出します。アシリパをこんな事で人殺しにさせないためです。流氷が割れ、また離れ離れになりそうになり、二人は手をしっかり繋ぎ抱き合います
一見熱い抱擁を交わしているかに見えましたが、アシリパの瞼が杉元の金属のボタンに引っ付き離れないのです!ここで杉元は白石におしっこをかけてくれと請い、3人の恍惚の表情の中無事瞼は剥がれます。白石はここぞとばかりおしっこをかけ続けます(笑)
一方キロランケを追う鯉戸少尉と月島は仕掛け爆弾にかかり、月島は重症です。鯉戸少尉は血痕を追い、キロランケに後ろを取られますが、アザラシが現れその事に気づき、死闘を演じます。揉み合い小刀を鯉戸少尉の腕に深々と刺しますが、鯉戸少尉も刺さっているマキリを抜きキロランケの首に刺します!
網走監獄でキロランケが何故ウイルクを殺すよう合図を送ったのか問うたインカラマツに、「あいつが変わってしまったからだ」と話していたと杉元は言い、ソフィアはその事に怒ったのです
キロランケと鯉戸少尉の死闘の中、手負いの月島と谷垣も現れ狙撃し、キロランケもこれまで…というところで手投げ弾を投げ、鯉戸少尉がギリギリ破壊します。そこにアシリパが現れ、キロランケをかばい、さっき全部思い出したと諭します
キロランケは安堵し、この旅は無駄ではなかったとし、あとは頼んだ、「俺たち」のために…ソフィアと…と言い、アシリパがキロランケにアチャを殺したのは本当かと最早事切れたキロランケに何度も問うところでこの巻は終わります
まとめ
虎の登場という予想外の展開もありましたが、予定通りソフィア脱獄作戦は成功します。ここでアシリパはウイルクがアシリパに託した言葉から謎が解け、キロランケがずっとそうなるように仕向けていたものが功を奏します
こうなれば最早アシリパからその事を聞きだせば良いので、特に尾形は豹変して誘惑して来ます。この金塊争奪の殺し合いから降りられるぞと言うのです。しかしアシリパは尾形の言葉が信用出来ないとし、矢を向けますが、やはり人殺しになどなれません
ところが急に杉元が現れた事でアシリパは誤って毒矢を放ち、尾形の目に刺さってしまいます!杉元はこんな事でアシリパを人殺しにはさせないと迅速に対応し、感動の再会(+白石のおしっこでの3人の恍惚の表情付き)を果たします
鯉戸少尉とキロランケの際の際のやり合いも見ものでしたが、最後までキロランケは抵抗し、咄嗟に手投げ弾まで投げてきます。最終的にアシリパが「気づき」を見せたため、自身の役割は終えたとばかりにキロランケは逝きます…アシリパのこの「気づき」とは何なのか?20巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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