前回までのあらすじ
この’’次世代小さな巨人’’達による空中戦勃発の中、ウチの王道エースもお忘れなくと澤村は影山に声掛けます。事実日向に釣られ2枚ブロックを旭が撃ち抜き加点します。和久南の主将もなかなかの’’土台’’っぷりを見せ競る中、ラリーが続き何とか烏野が返球し加点しますが、交錯したのか頼りの澤村が起き上がれません…
澤村の代打:縁下
澤村は田中と激突し、何とか起き上がりますが大事を取って医務室へ行き離脱します(脳震盪を起こしている場合危険だからです)田中は責任を感じますが澤村はおかげで20点台だと元気づけます。及川が澤村に代わるWSが烏野にいるのか危惧する中、代打は縁下です
澤村の代わり等いないものの誰もがこの役は縁下しかいないと感じており、’’暴走2年二人組’’や曲者1年の手綱を握っているのは実は彼なのです。縁下は早速レシーブミスしますが、逃げる方が絶対後からしんどいと分かっている為気合を入れ気張ります
2年の中で将来的な主将候補はレギュラーの2人より冷静な縁下だという暗黙の了解があります。縁下はきつい練習を逃げてしまった事をずっと後悔しており、その事を糧に踏ん張り好レシーブを上げます。旭の連続鬼サーブはツーで切り和久南は冷静です
ここでピンチサーバーに山口を呼びます。リードされていた前回とは状況が異なり、運良くネットインでマッチポイントです。今のはラッキーで次ミスしたら±0だと山口は普通のサーブを打ち安全πです。当然繋がれワンタッチが山口の前に落下しますが反応出来ず、縁下が拾い旭が加点、1セット先取です
烏養は日和った山口にキレますが縁下は自身が一番分かっていると宥めます。山口は唯一勝負出来るサーブから逃げたら何も残らず、くそカッコ悪いと感じます。澤村は大事を取って休ませ、勝って次の舞台を用意すると皆気張ります
縁下集中で完全に試合に入る
他校が試合にアップにと気張る中、及川は当然の様に上がっていた球が上がらない事(=澤村の離脱)がボディブローのように効いてくる頃だと推察し、事実第2セットは和久南のセットポイント、縁下のスパイクミスは3本目です。案の定20‐25で和久南が勝ち次が最後となります
日向は中島が’’小さな巨人’’のプレイスタイルに一番近いと言われ張り合おうとしますが影山は冷ややかです。中島の正確なプレイに比べ日向は技術的に拙く、烏養は現段階では中島が上だと評します。ところが全力ブロックから合宿で鍛えたフライングで奇跡的なレシーブを上げ更に速攻と大車輪の活躍、身につけた’’全部’’でなら戦えるのです
乗って来た烏野は影山の殺人サーブで3‐3の同点です。縁下なりのレシーブを頑張りますが澤村には到底及ばず、謝りますが皆評価しています。中島のブロックアウト対策として縁下は田中と旭にストレート側を守らせ奥の縁下が球を拾う分担と決めます
これを拾えなければこのコートで俺に価値はないと気張り、縁下のナイスレシーブから日向は3枚ブロックを立て直すとリバウンドし、囮から田中が加点、烏養は縁下が完全に試合に入ったと感じます。中島はやはり’’小さな巨人’’を意識しており、まずは日向を倒すと気張りますが月島がドシャットです
辛くも烏野勝利!
これで13‐13と追いついた烏野、追い上げムードで旭が加点、更に影山のネット際の強さで中島は高さの壁を感じますが川渡の好レシーブから中島が決め粘りの和久南です。レシーブが良い和久南のお蔭で余計に打たされており、烏養は終盤旭に集めても良いかもなと伝令します
誰しも意識する旭を敢えて外して縁下で加点する狡猾さを影山は見せます。旭・松島が連続サーブミスで烏野マッチポイント、この場面でも中島は冷静にフェイントで加点します。日向の速攻は失敗しますが縁下が’’良いジャンプは⁉’’’’良い助走から‼’’と声掛け最早澤村不在を感じさせません
日向は中島のブロックで巧みに腕を広げますがワンタッチを誘われてしまいます。ところが例の布陣で縁下が拾い最後は日向が決めゲームセットです。日向は中島に真っ向勝負で勝てずおれより’’小さな巨人’’だったと評し影山に100年早えと蔑まれます
城西と伊達工が好ゲームを演じる中澤村が復帰、縁下の健闘を称えます。縁下はトイレでミスも多かった中後半は戦えたのに澤村を見て安心している自分に怒ります。山口も気合を入れてトイレに向かいます。中島は最後スローモーションだったと語り、もう一回やらせてくれと涙します
伊達工と城西が2セット目3‐4の中、烏野の次の相手がどっちだろうな?と試合を見守る場面でこの巻は終わります
まとめ
競技は違いますが、本レビュー筆者は高校スポーツでレギュラー当落線を行ったり来たりした経験から、今巻の縁下や山口の気持ちが非常に良く分かります。種目が違うので少し違った形とはなりますが、アクシデントから急遽試合に出る縁下がどこか自分は関係ないと安心していた描写等正にその通りです
部活をやっている者は誰しもレギュラーになる為に練習しています。ところがいざ試合となると緊張等もあり誰か代わりに出てくれないか?敗戦の責任を負いたくないと考えてしまうのです。そんな気持ちが山口の安全πサーブ等に繋がってしまいます
私はレギュラー当落線で本当に苦しみましたが、当事者としてどこか逃げ場を探していたのかもしれません。そういう意味で、急遽澤村というチームの魂の代役を十二分に熟した縁下には拍手を送りたいです。トイレで縁下が澤村を見てホッとしてしまった自分に怒った描写等も秀逸です
スポーツをやっている人間誰しも日向や影山のように向上心強く競い合っているとは限りません。単純に楽しいから、何となく続けている人も多いのです。そこで全国に行きたい・上を目指したいと考えられるかが結果の分かれ目なのかもしれません…実体験から非常に感じ入る部分の多い巻でした
日向が’’小さな巨人’’の様だったと感じた中島の奮闘虚しく烏野が勝ち上がり、相手は伊達工‐城西の勝者となります。15巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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