前回までのあらすじ
天童は最早誰が打つか読み切れず、こういう思考に陥った時点で負けていると自戒します。「俺にトスは上がるのか」なんて考えず突っ込む事が相手ブロックを惑わすのです。菅原⇔影山で鬼サーブでチャンスボールにすると、即日向の超速攻で加点、8‐9の1点差です…
ファイナルセットもデュースまでもつれ込む混戦
備えていたとはいえこの超速攻には誰も付いて来れず、2人は昔からコンビ組んでいたのか?と言われる程です。牛島が決めついに10点台としますが、烏野も食らいついていきます。ここで代わった瀬見がノータッチエースを決めブレイク、烏野は2回目のTOを取らざるを得ません
冴子はこういう時こそ’’応援’’でしょうがっと気張りますが、白鳥沢サイドは校歌を歌い既に勝負が決まったかのような騒ぎです。牛島渾身のスパイクをネットからかなり離れたところで日向がブロックを当て、最早ブロックじゃなく’’超至近距離レシーブ’’です。これで10‐12と2桁に乗ります
ここで山口のサーブはネットインとなり、同時多発位置差攻撃から澤村が打ちますが五色がブロック、INしますがタッチネットで烏野の得点と運があります。更に悪条件の中でも打って来る牛島を何とかワンチし、成田の速攻は幸運にもフェイントとなり追いつきます
続けて山口のサーブを五色が後逸しついには逆転です。この場面でも牛島は落ち着いて仲間を鼓舞します。敢えて五色を使い返させ、更にサーブは緩急を付け牛島が加点、白鳥沢のマッチポイントです。しかし烏野は同時多発位置差攻撃で敢えてレシーブを上げた澤村で加点、デュースとします
際の際で体力も集中も切れる寸前の中、澤村のサーブは非常に短くネット際にIN、五色のバックアタックを凌ぐと牛島のスパイクは西谷の執念で上げますが再度牛島に決められます。ここで烏養が「下を向くんじゃねええ‼バレーは常に上を向くスポーツだ」と鼓舞、すると月島が戻って来ます‼
高さ至上主義の鷲匠、小さい日向に嫉妬
月島は冷静かつ情熱的に試合に出たいアピールをし烏養も驚きます。ジャンフロサーブを澤村がいなし、天童は読みますがここで影山のツーで加点し追いつきます。ついに月島がINし、冷静にブロックについて指示します。旭の鬼サーブは天童の囮から牛島ですが、月島がワンチします
月島は最後まで戦っていたいと吠え、チャンボを再度牛島ですがコースを空け西谷が対応、旭のバックアタックは拾われ、3連続牛島も白帯でIN、月島の移動攻撃の囮で田中が加点、ブレイクです。白鳥沢2回目のTO、及川は古く堅実な白鳥沢・新しく無茶な烏野と評します
牛島の得点は40点近く一人で半分は獲っています。白布は牛島が使い物になる内は’’どんな時でもトスを上げる’’と確認し、対する澤村は個々の能力は劣るも最後までコンセプトは変わらない、殴り合いを制すと鼓舞します。旭の鬼サーブは僅かにOUT、続く牛島も際どくOUTで均衡は崩れません
疲労困憊の中、牛島は滞空時間の長いスパイクでタイミングをずらして加点、正に怪物=’’超バレー馬鹿’’です。しかし超速攻で日向が返し、影山の鬼サーブはチャンボになりますが、再度速攻は天童の長い手でブロックです。鷲匠は俺の40年を懸けて日向を否定したいと感じます
烏野、春高全国大会出場決定!!
田中執念の加点からサーブ、ここでついに日向も足にきてブロックに跳べません。白布のサーブはネットインし、誰も反応出来ない中西谷が奇跡的に上げ、更に五色のダイレクトまで超反応レシーブし、旭が加点します。最早選手交替の手も尽きる中烏野は100%超攻撃型ローテです
対して西谷不在・澤村前衛で地上戦が最も手薄なローテでもあります。ここで早さで中央突破を試みる白布ですが、月島はしつこくリード・ブロックし慣れて来ています。同時多発位置差攻撃から日向のマイナス・テンポのバックアタックに賭けます
牛島が執念で上げ、渾身のストレートを何と日向がレシーブ、チャンボは当然牛島です。月島は3枚ブロックで今日初めてストレートを締めに行きます。今までずっとストレートの抜け道をワザと作っており、その事に気付いた牛島は咄嗟にクロスで対応、まるで牛島が烏野メンバーを抑え込みに掛かるようです
ところが烏野メンバー全員で押し上げ、澤村→田中のアタックからチャンボとなり、日向は紛れる事で1stテンポの同時多発位置差攻撃となり、バックアタックを日向が仕留めます‼烏養は「未来に発展も変革も無いと信じる理由は無いのである」と自戒します
フルセットまでもつれた試合は最終的に21‐19で烏野が制し優勝・春高全国出場です‼満身創痍ながら喜びを爆発させる烏野メンバー、及川は影山・月島・日向の脅威を感じます。烏養は月島に今日のMVPはお前だと告げます。鷲匠は流石にバス乗れと告げ、あとで100本サーブだと白鳥沢の健闘も称えます
ダウンしながら牛島は日向に意地になった事を認め、コンクリート出身の2人に次は倒すと凄みます。月島は5セットあったのに止めたのは1本だけと自虐しながら山口に煽られ表彰式に向かい、ついに春高なのです。例の居酒屋で慰労会をし全員ぐったりです
白鳥沢は牛島が丁寧に後輩一人一人に声を掛け新チームに引き継ぎます。学校で浮かれる烏野メンバーですが、東京予選は音駒も梟谷も残っており、黒尾は戸美学園の主将に決勝で会おうと誓い、東京都代表決定戦準決勝で音駒と梟谷が当たるところでこの巻は終わります
まとめ
決勝戦の為5セットまでもつれた試合は非常に競った緊迫した内容となりました。離脱した月島が執念で戻り、集中を切らさなかったのは正にこの試合のMVPと言われる所以です。牛島を完全に抑え込む事は最早不可能な中、常にストレスとしてリード・ブロックに跳び、巧妙に仕掛けた罠も光ります
3枚ブロックの際常にストレート側を空けていたのを最終局面で締めてどシャットを狙いますが、流石牛島、咄嗟にクロスとします。しかしこれでチャンボとなった烏野が日向の敢えて1stテンポの同時多発位置差攻撃で紛れてバックアタックを決め勝負ありです
際の際、最早極限状態の攻防は正に死闘で、バレーというどちらかというと瞬発力が必要とされるスポーツでもスタミナ・ガッツがいる事が分かります。コンクリート出身として牛島に有言実行した日向と影山、個人では負けなかった牛島ですが、烏野の多彩な攻撃力に散ったのです
これで春高全国行きを決め流石に浮かれる烏野メンバーですが、凌ぎを削った東京勢では準決勝で音駒と梟谷が当たります。東京は参加校が多い為1位以外でも行けるようですが、全国の舞台で再戦はあるのでしょうか?22巻に続きます…
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