前回までのあらすじ
8‐5とリードされ先に稲荷崎が1回目のTOとなり、珍しく西谷が饒舌です。こわいって思う事が懐かしい気がした西谷、じいちゃんにわからず終いは「もったいねえからさ」と言われた事を語り、それでもこわかったら「助けてもらう」と仲間を信頼します
案の定宮侑は西谷を狙いますがオーバーで上手く上げ同時多発位置差攻撃で旭が加点します。喜ぶ西谷は木下とのサーブレシーブ練習を思い出し、お互いガッツポーズします…
登山のハーケン
アランと宮兄弟の過去が回想で語られ、特に宮兄弟は切磋琢磨し実力を上げて来た事が分かります。事実非常に難しい普通ならアンダーで上げる球をオーバーでトスする技術の高さを見せ烏養は驚きます。宮侑はオーバーは指10本、よりいっぱいのモンで支えたいねんと嬉し気です
再びピンチサーバーに入った理石は強気の鬼サーブで加点、汚名返上です。一旦烏野はTOで切りますがチャンボになりアランです。3回目は澤村が的確にレシーブし月島で返します。宮治の鬼サーブを上げ田中で勝負ですが所詮木兎の弱小版に過ぎんとどシャットで稲荷崎逆転です
全国2位等過去の事、大事なのは今日何をする?と宮兄弟は双子速攻 マイナステンポ’’裏’’で華麗に決め、横断幕通り「思い出なんかいらん」と言わんばかりです。明らかに稲荷崎優勢な中、日向がINして空気を変えたいところです。しかし上手くオーバーネットを誘われ宮侑はセッターとして狡猾です
続く鬼サーブを澤村必死のレシーブは上手く相手コートに返り1本で切ります。宮侑の選択をことごとく月島はブロックに奔走しますが、何と宮治まで連続トスとしアランで仕上げです。ところが日向がここでレシーブを上げ、重要な局面でーごく稀にこういう1本がある…雲雀田は登山のハーケンを思い出します
田中の弱気?
思わずナイスレシーブと言う影山、同時多発位置差攻撃オールから旭が拾われ、ブロックアウトを日向が超反応で繋ぎ囮も機能、田中で加点か?と思いきや赤木が足で上げます。チャンボと思われた返球は不運にもネットINし稲荷崎です。マッチポイントではないのに心を折るのに十分な1点です
たまらず烏野2回目のTOで日向の向上心にメンバーは火が着きます。また宮侑は日向が飯食うみたいにバレーをすると評し、その貪欲さを兄弟で認め、これは周りも感化されると感じます。ここで北が投入され、キャプテン同士澤村も同じ心境なのだろうと感じ合います
月島はスタミナ切れもありブロックにスパイクに合わなくなって来ます。18‐20で旭は100%の鬼サーブでノータッチエースを決めます。それでもいつだって今が最高のチャンスだと双子速攻 マイナステンポで攻めますが合わず、北がナイスフォローで返します
ここでも同時多発位置差攻撃で俺達全員点を獲るために居ると澤村のバックアタックでついに同点です。田中は先程こっそり影山に一時俺に上げる本数を減らしてくれと申告していました。旭のネットINサーブから月島が押し込みついには逆転で、稲荷崎TOです
日向のレシーブは最早マグレではない
先程の不安定な双子シンクロをまた使ってくると読ませ実はアランという狡猾さで逆にブレイクする稲荷崎、返されても意表を突くツーで加点、更にアランの鬼サーブからダイレクトでマッチポイントです。宮城県の他校も応援に気合が入る中、影山は田中に「いいえ」と答えており、敢えて田中を使い続けます
ブロックされても西谷が拾い、日向の速攻を宮侑が奇跡的なトスでアタックしますがこれも西谷がレシーブです。影山は田中の攻撃が必要だと感じており、超インナークロスの効果でブロックが内に意識が向く中、高いトスは選択肢を広げ、極上ラインショットのストレートがついに決まります!
宮侑は影山の’’オリコウサン’’はドコ行った?と動揺します。未だ稲荷崎マッチポイントの中、影山は鬼サーブを決めサービスエースでデュースに持ち込みます。畳みかけるように今度は緩急で揺さぶる影山、日向の電光石火の速攻が決まり烏野が逆マッチポイントとします
しかし宮侑は落ち着いて銀島を選択し返します。北は影山や宮侑のような天才はAからZやってみたらどんなやろ?と常に全力で考え実践していると説き、「最初から優秀」というのとは違うと断言します。影山は際の際のトスが日向と合いませんが、日向が空中で足で上げ何とか加点します
日向の「次もくれ」は影山を極限まで追い込んでくる言葉です。そんな極みの境地で宮侑のサーブなのです。澤村は後逸し稲荷崎マッチポイントです。ジャンフロからスパイクサーブでも澤村は巧みに順応しレシーブ、ネットを超えそうな中日向に引っ張られ影山が変人速攻で返します
宮侑はエライおっかない相棒持ってもうたなと影山に同情します。最早限界に近い月島はブロックでコースを絞り、その先に居ろよと日向のレシーブに賭け、事実日向は上げたので’’マグレ’’という単語を使うのはやめようと改心するところでこの巻は終わります
まとめ
あの強気な田中は超インナークロスという新武器を手に入れても弱気になるくらい追い詰められ、影山に一時上げる回数を減らしてくれと言う程でした。しかし影山は田中の攻撃は必要ですと返し、敢えて田中を使い続けます
高いトスは田中の選択肢を広げ、今までの超インナーも効いており逆にストレートが空き極上ラインショットが決まります。バレーはこのように一つの攻撃に気を取られると逆が空き、そのチョイスが絶妙なテンポとなり加点へと繋がる面白さが際立ちます
また、日向の覚醒したレシーブは烏野に今までなかった武器となり味方を鼓舞します。今まで不安だった後衛守備時にも日向が好反応する事で、孤軍奮闘していた月島の一枚ブロックもコースを絞り後衛に対応させる等幅が広がります
際の際の試合中でも烏野の進化は止まりません…この接戦をものにするのはどちらでしょうか?33巻に続きます…
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