前回までのあらすじ
相変わらず星海のサーブは強烈かつ多彩で乱されますが、それでも影山‐日向のラインで加点します。旭はサーブミスからレシーブミスと悪目立ちし、澤村は「励まさねえぞ」と突き放します。エースはとことん狙われるのです
日向がサーブとなり、唯一の「強壁2枚」でワンチし、BAで日向が加点、実況が烏野は1年生が頼もしい、2年後が楽しみと告げ、大将が彼女の「エースめっちゃ損」という言葉に「損か」と返します…
折れかける旭、エースの宿命
影山は意図的にセッターの定位置をアタックライン寄りにする事でどんなレシーブでもトスを上げられるようになります。影山はバレー経験の浅い白馬狙いの入れてくるサーブでお見合いを誘い加点です。宮侑は影山がこの状況でも+αを試しているとその変わりようが腹立たしいのです
今度は鬼サーブで崩し、田中はブロックも上手く拾い旭勝負ですがここでもどシャットです。宇内は心折れんなよエースと同情します。昼神の過去の回想となり、才能・努力も人一倍も壁にぶつかり、拳を傷つけバレーあんま好きじゃないやと悟ると星海から「やめれば」と言われ吹っ切れます
スポーツ一家に生まれた宿命も受け入れ、自身がここにいる皆ほどバレーも仲間も好きじゃない事が俺の強みだと昼神は気張ります。同時多発位置差攻撃はファーレフトの旭で勝負ですが、振られても不動の昼神がどシャットです。まるで木の根に行くてを阻まれているような感覚です
16‐17となり後がない烏野は2回目のTOです。旭は澤村に「世界の終わり顔」ヤメロ、菅原に「調子乗って凹んでんじゃねえー」と言われ「自分なんてダメなんだタイム」に陥っていた事を謝ります。田中のアタックは拾われ再度旭勝負ですが明らかにブロック有利な態勢、それでも打ちに行きます
当然ブロックされますが、’’背中は’’俺がと西谷の見事なフォローから影山は月島の速攻で加点します。旭は仲間のおかげでここにいる、でもただ一人信用してこなかった「自分」を、負の感情をぜんぶ背負って俺を味方にすると思い直します
エースは’’損’’でも決めたら英雄
菅原INで2枚セッター+守備強化し、旭はとりあえず一点はとれると肩の力を抜きます(筋弛緩法)。2m対策も百沢で経験済みの烏野、影山は敢えてトリハダハイセットを旭に上げ、仲間が重荷であった事があるか?と3枚ブロックを手玉に取るフェイントで上手く加点します
大方強打で来ると皆読んだ中、旭は今までで一番コートが俯瞰で見えた気がすると感じ、日向達の感覚ってあんな感じなのかな?と悟りブレイクです。菅原がサーブに気張る中、旭は達観し’’1点’’獲ろうと冷静です。巧妙に星海を狙い、ワンチすると再度旭でブロックを吹っ飛ばしますが繋がれます
同時多発位置差攻撃ではまた旭に集め、クロスは上林が上げ星海アタックも影山が繋ぎ、オープンで日向も鴎台ブロックは強力で阻まれます。乱されつつ菅原に高いトスを呼び込み、旭は美しい空中姿勢を保ちついに吸い込みでブロック撃破です
大将は彼女に言われた「エースは損」だけど俺的には’’オイシイ’’、苦難も決めたら英雄じゃん?と話し、彼女はサムライ見くびったと謝ります。これで19‐17とし、鴎台のTOです。烏野はこの流れのまま何とか第2セットを取り返したいところです
コートの中に手に負えないものなんか無い
菅原のサーブは今度は上林が対応し、星海で加点です。すかさず旭で返しますが、ここで星海のサイドライン上への強烈サーブが決まり同点です。田中が根性で上げると、ブロックに対し日向はマイナス・テンポ+’’ドン’’ジャンプで最高到達点へのドンピシャトスから上を抜き加点です
高くを早くという高次元で、黒尾や宮侑も驚きます。更に旭のサービスエースで2点差とし鴎台2回目のTOです。今度は助走距離が足りないと感じた二人は咄嗟にライト移動攻撃に切り替え加点します。流れは完全に烏野ですが、鴎台は上手く繋ぎ星海のブロックアウトです
星海は俺達に「流れ」は無い、コートの中に手に負えないものなんか無いと気張り、昼神の鬼サーブで追い上げます。澤村が辛うじて上げると日向は今度は’’紛れる’’と1stテンポ+’’ドン’’ジャンプでブロックアウトしセットポイントです
ここで山口投入で乱してもモンスター:星海で来ると読んだ月島は視線からブロックアウトを狙っていると判断、咄嗟にコースを空けOUTとする巧妙な空中の駆け引きに勝ち、25‐22で第2セットをものにし、ゲス笑顔で山口とハイタッチ、兄にこっそりピースサインを送るところでこの巻は終わります
まとめ
今巻ではエース:旭の葛藤が見事に描かれます。決めて欲しい時に決めてくれるのがエース、誰もが頼りとするところですが、鴎台の鉄壁ブロックに阻まれ、旭はどんどん追い詰められていきます。メンタル的に若干脆さもある旭ですが、3年の言葉や筋弛緩法等から上手くこの泥沼から抜け出します
決めて当たり前とまで言われる中、お膳立てされて阻まれ続ければ折れるのも当然です。きっと以前伊達工戦で心折れた時の心境にもなったと思われますが、強い仲間と共にそれを乗り越えるとまた違った景色が見えるのです…苦境の先にはまだ見ぬ世界が広がっているのでしょう
エースの奮闘に加え、日向は高いブロック対策としてテンポを変えた’’ドン’’ジャンプと移動攻撃を使い分け相手を翻弄します。即順応する影山も凄いですが、引き出している日向の覚醒が止まりません…月島も日向が以前語っていたブロックアウトの件から咄嗟の判断で第2セットをものにするファインプレーです
勝負は第3セットになると分かっていても緊迫する試合はどう転ぶか全く予測不可能です。心身共に正念場の’’魔の3日目’’の2試合目、フルセットの攻防はどちらに転ぶでしょうか?41巻に続きます…
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