前回までのあらすじ
全国は遊びじゃない、就職活動だとハングリーさを見せるバト、組技のスペシャリストに対しユーマは「突き」しかありません。立ち合い逆に鋭い突きを見せたバトに、国宝級と感じながらユーマは弾く突きで返し、ユーマがダチ高の日本一は命を懸けるに値する!と凄みます…

ユーマ「全て」を出し切り2-2で大将戦へ
まさかの突き合い、こうなるとユーマ有利と思いきや、手数の多さはともかく一発の正確性では押しているのはむしろバトです。外国人なので「国宝」とは決して呼ばれぬ無名の強者なのです。白楼以外はぬるま湯だと蔑むバトに対し、ユーマは空手改法ー巻き伏せで崩しますがバトには廻しを取る好機です
ところがユーマは死角からバトの腕を掴み、カウンター気味に放つ手繰り追い突きは強烈ながら躱されます。ついにバトが廻しを取ると、ユーマは奥の手で組技:三点同時攻撃ー変型三所攻め’’呼掛’’で仕掛けます!「打掛け」が不発の中残り二手で「渡し込み」を仕掛けるのです
バトは勝てなきゃオレの居場所はねぇ!と二枚蹴りー狼牙で強引に返しますがユーマは堪え、合わせ突きから掛け追い突きー破城追掌もバトの目は死んでません。ユーマは逃がすな!出し切れ!みんなのくれた全てを!と猛烈な連撃でついにはバトを突き出し高荷は嫌いなんだよ…ヤンキー更生物語は…と涙します
これで2-2となり勝負は大将戦です。名塚はバトの敗因は「通過点」に過ぎなかったこの一戦がユーマにとって「全て」だった所か…と分析します。白楼に悲壮感漂う中、天王寺はいつもの「横綱」の風格を見せ、応援席は白楼一色となります
横綱になろうって奴が二度も負ける訳にはいかねぇ…鬼丸はみんながくれたチャンスを絶対無駄にしねぇ!とついに天王寺と対します
鬼丸ー天王寺の再戦
二日前とは違う事を見せつけるかのように鬼丸は低く構え、かち上げを肘で防ぐと右下手を取り巻き替えをさせず鬼車で畳み掛けます。天王寺は読んでおり、左片閂で極めますが鬼丸は下手を離し掬い投げを小手捻りで返しますがお互い攻め手を研究済みです
こうなってくると先に手札が尽きるのは鬼丸、天王寺は黒ー修羅戦黒の相でめった打ちですが、鬼丸の殺気が消えます。勝機は両廻しを取って崩してからの百千夜叉堕しかない中、万策尽きた鬼丸は何と引きを見せ、流石の圧に屈したかに見えて実は「心」は退いておらずより強い一歩を踏み出す溜めを見せます
ユーマの追い突きを放つと今度は八艘飛びのフェイントから真っ向勝負がより強く輝く!とぶちかましを放ちみんなの想いを胸に鬼炎万丈の相を見せ百千夜叉堕を仕掛けます。左腕を掴まれたので咄嗟に鬼丸はそれを切り反り手ー掛け反りと揺さぶりますが、天王寺は動じません
鬼丸は構わず逆百鬼薙で揺さぶると再度百千夜叉堕→逆百千夜叉堕と畳み掛け、終いには鬼炎万丈ー百千夜叉堕と全てをぶちまけます
準決勝で5-0圧勝の栄華大附属
死に体であるはずの天王寺から放たれるただならぬ殺気、この状況でも天王寺は笑っており、体が死に切る寸前で投げという執念を見せます。鬼丸の左腕が限界かと思われる中、沙田は執念こそが君の一番の武器だろ?と語り何と鬼丸は天王寺の左足を崩し敗北を拒絶する火ノ丸相撲です
ー天王寺に憧れて良かった…この高い山を越えられたかわからないがみんなが紡いでくれた今日のこの勝利だけは死んでも譲らねぇとついに投げ倒し鬼丸は思わずガッツポーズで勝利の雄叫びを上げ、3-2で大太刀の勝ちです
天王寺は気落ちするチームメイトを宥め、鬼丸とは1勝1敗、決着は大相撲で着けようや…その為にも勝ってプロになれよと念じます。医務室の三ツ橋に勝利を報告に行くメンバー、レイナは鋭く’’緩み’’を正し、火ノ丸を日本一の相撲部の大将にしてやると団結し腕を痛めている火ノ丸もそれに倣います
もう一つの準決勝:立花寺対栄華大付属は何と栄華大付属の四連続電車道と正レギュラー陣はとにかく「大きい」のです。更に大将は草介で、何と’’睨み出し’’で相手はびびって勝手に土俵を割ってしまいます。準決勝で5-0という圧勝の栄華大附属、場外で大太刀と向き合います
兵藤が國崎を煽る中(お互い知っている風です)、相撲は’’大きく’’’’重く’’なきゃいけねぇのさと蔑まれ、桐仁はウチの大将見てそんな事言えんのか?と語り、小関も’’心’’が重要だと説き、四方田は栄大の大将に勝ってから言えと返し、あれから三か月…鬼丸と草介が全力で殺し合おうと対するところでこの巻は終わります
まとめ
「ブフ」出身で組技に滅法強いバト相手にユーマの勝機は突き押ししかありません。しかし手数では上回っても一発の正確性で返すバト、経験の浅いユーマは不利な状況に陥ります。ここで高荷から教わった空手技が冴え、怒涛の反撃を繰り出します
やはりユーマの真骨頂は突き押しで、バトはいつの間にか土俵外に突き押し出され土壇場でダチ高は2-2に追いつき大将戦です。2連敗からの2連勝ですから勢いはダチ高にありますが、相手は個人戦で敗れている天王寺、一筋縄にはいきません
鬼丸は合宿等で培った百千夜叉堕まで行き着く揺さぶりに冴えを見せ、天王寺を翻弄、死力を尽くした一戦は最終的に鬼丸執念の投げ倒しで3-2でダチ高の逆転勝利です。これでついに決勝:栄華大附属戦となりますが、準決勝は対照的に5-0と圧勝で勝ち上がっています
兵藤と國崎が顔見知りなのが気になる中、3か月前のリベンジと気張る鬼丸、左腕の状態も心配されますが、優勝してプロへの僅かな可能性に繋げる事が出来るのでしょうか?16巻に続きます…
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