あらすじ
中国拳法の使い手で腕っ節だけが取り柄の強面ニイチャン・加藤鳴海(以降ナルミ)は、ある日突然、ひとを笑わせないと死んでしまう奇病「ゾナハ病」にかかってしまいます。
自分の命を繋ぐためひとを笑わせようと奮闘している最中、遺産争いに巻き込まれ命を狙われる才賀勝(以降マサル)と出会います。
しかしマサルの命を狙うのは強力な「傀儡人形」を使う殺し屋集団。ナルミがマサルを守るため闘っているところに現れたのが、銀髪美女のサーカス曲芸師・しろがねでした。
しろがねはなんと「傀儡人形」の使い手で、マサルの祖父からマサルを守るよう使命を与えられた戦士だったのです。
ナルミはしろがねとともに敵に打ち勝ち、一度はマサルを悪の手から守り抜くも、寝込みを襲われマサルをさらわれてしまいます。
マサルを助けに行くと決めたナルミとしろがねの運命はいかに…!
①「 おとなしくかっこつけてあきらめんな、あがいてあがいてダメだったらそん時ゃ… にっこり、笑うしかねえけどよ。 」
殺し屋に命を狙われ、絶望感に襲われて「自分ひとりで死ねば良かったのに」と泣き出すマサルにナルミが喝を入れるシーンです。
「笑うこと」はナルミの病気を一時的に治してくれますが、ナルミがどんなときでも「笑うこと」を選ぶ理由はそれだけではなさそうです。
それにしても…絶望的な状況でも不敵な笑みを浮かべるナルミ、カッコイイ~!!!
②「 安心しろ。おめえのためでも、勝のためでもねえよ。オレのためさ。 」
追手を退け、手当を受けた病院で、ナルミがどうして命の危険を冒してまでマサルに肩入れするのか怪しむしろがねに、ナルミが言ったセリフです。
この前に、ひとを笑わせるのが不得手な自分が唯一笑わせられるのはマサルしかいない、マサルがいないと自分が死んでしまう、と葛藤するシーンがあります。
ですが、安心してすやすやと眠るマサルの寝顔を見てほほえむナルミのこの笑顔には、決して「自分が生き延びるため」だけではない信念がありそうです。
③「 まず… 泣くのをやめるんだよ。そして… 笑え! 」
病院で殺し屋の襲撃を撃退した後、病院を壊してしまったことの罪悪感で「どうしたらいいのかわからない」と泣き出すマサルを、再びナルミが一喝します。
この時も「おめーが笑わねーとオレが死んじまうんだよ!」と、ゾナハ病の発作を起こしながら怒鳴りつけていますが、どんなときでも泣くのをやめ、「笑うこと」。この言葉がのちにマサルを変えていきます。
④「 そーしたかった…としか、わかんねえな。 」
殺し屋やたくさんの武器、意味の分からない傀儡人形を相手に、どうして戦えるのか、どうして怖くないのか、とマサルに訊ねられた時のナルミの答えです。
目の前で誰かが「助けて」と叫んでいるのに、黙って見過ごすことができなかった、それを無意識にしているナルミの侠気が格好良いですね。
⑤「 オレとおまえは似てるんだよ。オレよか、強くなるぜ。 」
「強くなりたいけれど体力もないしどんくさいし、」と、いじめに抵抗できない理由を説明しているマサルに、ナルミは子どもの頃のアルバムを見せます。
そこに映っていたのはひょろひょろで、運動もできない、今のナルミとは似ても似つかない男の子。
それを見たマサルは「ぼくもお兄ちゃんみたくなれるかな」と勇気をもらいます。ナルミのこの言葉はマサルの心に深く刻み込まれることになるのです。
次回予告
しかし、しろがねやナルミの奮闘むなしくマサルは敵の手中へ…。
いったいどうなるのでしょう?
第2巻に乞うご期待!
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