『からくりサーカス』第13巻の「しろがね」と「才賀マサル」名シーン5選|本当はさ、サーカスやりたかったんでしょう!

あらすじ

大道芸大会の一件以来、仲町サーカスには元ストローサーカスの団長・三牛息子のナオタ、そして元殺し屋でナイフ投げの達人・ヴィルマが加わっていました

ナオタはストローサーカス時代からしろがねにゾッコン

ですが、ストローサーカスにいたころのしろがねとは全く違うしろがねの姿に困惑します

当時は冷たく、誰も寄せ付けなかったしろがね…ですが今は仲町サーカスの中で積極的に人と関わり、人のために行動し、おっちょこちょいな一面を見せています

ナオタはそんなしろがねも素敵!とさらにベタぼれになります

ところで、そんなしろがねと、猛獣使いのリーゼロッテは留学生という扱いで地元の高校に通うことになりました

口利きをしたのはマサルのおじの善治です

マサルの命を狙って失敗して以来マサル恐怖症になった善治をなかば脅すようにして、しろがねとリーゼロッテを高校へ編入させたのです

それはもちろんマサルも同様でした

地元の小学校に通うことになったマサル…

ですが、学級委員長のリョーコにしょっぱなから目の敵にされてしまいます

サーカスなんて大っ嫌い!

そう言うリョーコにはなにやら事情がありそうで、マサルはなんとはなしに気になるのでした…

ところで仲町サーカスでは、借金やら何やらで全ての機材が無い状態だったのですが、唯一綱渡り(カンスー)の機材だけは生方法安(うぶかたほうあん)という道具方のもとに残されていました

仲町団長はしろがねを連れて法安のもとを訪ねます

しかし、法安はサーカスをつぶした仲町団長に対し恐ろしく怒っていました

というのも、仲町サーカスがつぶれるきっかけとなったのがある交通事故…その生き残りであった仲町団長は毎日殺到するマスコミに対してブチ切れてしまい、手を出してしまったのです

それが原因で仲町サーカスを擁護する人はいなくなり、サーカスは空中分解

仲間を信じて我慢をしきれなかった仲町に対し、法安は、ひどく憤っていたのです

そういうわけですから当然綱渡りの機材を貸してくれるはずがありません

しかししろがねは諦めませんでした

後日しろがねはマサルとともに再び法安のもとを訪ねます

マサルが何故着いてきたのか

それはマサルを目の敵にするリョーコが実は法安の孫娘だったからなのです

法安は、「どうせ仲町にこびを売ってこいと言われたんだろう」としろがねを相手にしません

ですが軍手、長靴にねじりはちまき、ニッカポッカという作業服姿のしろがねを見て目の玉が飛び出るほど驚きます

ぐしゃぐしゃになった作業場をあっという間に片付けるしろがね

その中でしろがねは、法安が大事に修理をしていたもののどうしても動かすことのできなかったからくり人形を手に取ります

法安はどうせ壊れているから…と少しだけしろがねがいじることを許しますが、しろがねも人形(マリオネット)遣い…

あっという間に壊れた部分を修理して、法安の前でからくり人形を動かしてみせるのです

その姿に心がほだされた法安は、綱渡りの機材を、仲町ではなく、しろがねになら貸してやる!と許可を出したのでした

そのころマサルは家を飛び出したリョーコを追いかけていました

しかしリョーコは一輪車すら乗れないマサルをバカにします

すっかりしょげかえるマサル…

そんなとき、ベビーカーを押した母子が、荒くれ者たちに絡まれます

ベビーカーに差してあった風車を蹴飛ばし、壊す荒くれ者たち

赤ちゃんは大泣きしてしまいますが、荒くれ者たちは一向に構う様子がありません

リョーコはひどいよ…と慌てますが、マサルは荒くれ者たちに向かって「風車を直しなよ!」と言い放ちます

それに激怒する荒くれ者たち!

マサルに殴りかかる荒くれ者たちでしたが、マサルは小柄な身体をうまく活かし、荒くれ者たちの懐に潜り込んで大立ち回りを演じます!

結局途中で警官がやって来て、荒くれ者たちは逃げていきますが、このことをきっかけに、リョーコのマサルへの敵対心が少しやわらぎます

そんなこんなで綱渡りの機材も手に入り、ようやく仲町サーカスの興行だ!と大盛り上がりする一同でしたが、残念なことに興行を前に雨が降ってきてしまいます

まあそんなこともあるさ…と大人たちは諦めモードでしたが、マサルはどうしても仲町サーカスに興行をさせてあげたい、と、ふたたび法安のもとへ向かいます

要件は、テントを貸して欲しい、というもの

ところが法安は、「また来たのか!」と大激怒!

どういうこと?と困惑するマサル

実は、口では諦めたようなことを言っていた仲町サーカスの団員たちが、こっそりと法安のもとへやってきて、みな一様に「テントを貸してくれ!」と頼み込んでいたのです

極めつけはしろがね嬢

なんと、前日から正座で座り込みをしていたというのです!

とうとう観念した法安は、手伝わない代わりにテントを貸してやる!と許可を出さずにはいられませんでした

そして興行当日が迫って来ます

ですが「地走り」や「現場監督」といった道具方がいない仲町サーカスが、自分たちだけで複雑なテントを組み上げることができるはずもありません

遠巻きに見ていた法安でしたが、どんくさい仲町サーカスの面々にだんだんイライラしてきて、ついに「もう見てられん!」と口を出してしまいます!

有能な道具方の法安の指示のもと、どんどん組み上がっていくテントに、仲町団長と三牛は団長を経験した仲間として「やっぱり道具方は必要だなー」と感心するのでした…

①「私は、変わりたい。」

以前とは全く違うしろがねの様子に、困惑するナオタ

そんなナオタにしろがねは言います

冷たい人形みたいと言われるのが嫌で…人との関わりを断っていたのかもしれません…」

ですが… こんな私でも人と出会い… その関わりの中で変わってゆけるのなら、私は、変わりたい。」と…

少しずつほほえむことを覚えていくしろがねの魅力は、いや増しに増すのでした

②「ぼくも変わっていけるよね、兄ちゃん」

夜の学校に忍び込み、「前からやってみたかったんだよね!」とプールで泳ぐマサル

今まではダメだと言われたことはやってこなかったし、周りからは「大人しいなあ」と言われていたマサルでしたが、マサルもまたしろがね同様、仲町サーカスの面々と関わることで変わっていたのです

仲町サーカスのみんなは怖いけど、スゴイ芸がいっぱいできるし、強いし…

強い…という言葉で思い出すのは、やはりナルミのこと…

おもわず涙ぐんでしまいますが、グッとこらえ、ぼくも変わるんだ、と月を見上げるマサルは確実に強くなっていました

③「人間なら何度だって、やり直せるのでしょう。」

しろがねは、からくり人形を直しながら、法安に語ります

自分は本当にただの道具として育てられてきた

だがあるコトをきっかけに…ナルミに「おまえは人形なんかじゃねえよ」と笑いかけてもらったコトをきっかけに、変わった

そして今も変わり続けている

壊れた道具は修理すれば直る…ましてや人はモノではない

だから、きっと、人間なら何度だってやり直せるのだ、と…!

そうして仲町団長も昔のことを悔いているから、もう一度チャンスを与えて欲しい、と頼むのです

そのことばに、頑固じじいの法安も、心を許したのでした…

④「赤ちゃんの風車けったでしょ。直しなよ!」

身体の大きい荒くれ者たちにマサルが立ち向かうシーンです

それまで誰にも刃向かったことのなかったマサルが、泣き虫でいじめられっ子で弱っちかったマサルが、荒くれ者たちに向かって堂々と間違いを正します

その目におびえやひるみはありません

胸の内には仲町サーカスのみんなの言葉が燃えています

ヴィルマは「自分が弱いコトを言い訳にしてたら、いつまでたっても言いたいコトは言えないねえ」と笑います

ノリヒロは「身体が小せぇのって、ケンカのときにゃ、けっこういけるんだぜ!」「ふところにもぐりやすいじゃん。」「思いっきりやってみな!」と檄を飛ばします

仲町団長はそんなノリとヒロにゲンコツを喰らわせながらも、「男にゃ引けねえ時もあるからな… そんな時にゃ根性入れろ!」「目は絶対にそらすな。」「そしてゲンコツをまっすぐつきだすのよ!」と言います!

みんなの言葉がマサルの背中を押し、荒くれ者たちにぶちかますのです!

⑤「……いないわ。私が、温かく受け入れてあげた人などいなかった…」

ヴィルマはしろがねを相手に、恋の話に花を咲かせます

しかししろがねは自分が温かく受け入れた人などいなかった…と後悔の念を口にします

私が優しく受け入れた男などいなかった…

代わりに…取り返しのつかないほど迷惑をかけた男が一人…

もう一度会えたなら…本当に謝りたい男が… 一人…

カトウ ナルミ…!

ナルミが生きていることを知らないしろがねは…身を焦がすほど熱く…ナルミのことを想っていたのでした…

次回予告

舞台は移り変わり、ナルミたち飛行機の中にいました

そこに現れたのは壊すと自爆する自動人形(オートマータ)たち!

なんと飛行機をハイジャックされてしまいます

オートマータたちの目的は、ナルミと闘うことでした

子どもたちに変わって人質になるギイ…

戦いはいったいどうなるのでしょうか!

次回、乞うご期待!

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