あらすじ
莫大な財産を持つマサルはそのおじ・善治に命を狙われ、命からがら魔の手から逃げ延びます。
その先にいたのは一族の別の人間に雇われた殺し屋・阿紫花でした。
マサルは自分の財産を「力」として利用し、阿紫花を護衛として雇うことにします。
そのころナルミとしろがねは善治の罠により、捕らえられてしまっていました。
マサルはふたりを助けるべく、迫り来る人形達をなんとか退けながら阿紫花と共に善治の許へ向かいます。
命がけの闘いの中、マサルは意外にも人形繰りの才能を開花させます。
そして救出されるナルミとしろがね。
しかし追手はやすやすとは3人を逃がしてくれません。
屋敷には爆弾が設置され、建物ごと全員始末される危機に瀕します。
爆発の不意をつかれ、ナルミとしろがねは再び敵の手中へ。
マサルは今度は逃げるのでも泣くのでもなく、しろがねの人形「あるるかん」を使い戦うことを選び、闘いに勝利して、阿紫花としろがねを逃がします。
配下の者を全員倒され、屋敷が爆破されているショックで腰を抜かす善治。
マサルは、自分を殺そうとした善治を見殺しにするのではなく、助けることを選択します。
しかし、屋敷は崩れ、火の手が善治とマサルを襲います。
そこに現れたのはナルミでした。
そうしてナルミは爆発からマサルを守り、行方知れずとなってしまうのでした――。
①「 で… お代はいかほどいただけるんで…? 」
自分の命を狙う殺し屋・阿紫花を雇う!と言ったマサル。
その目に今までのマサルとは違う光を見出した阿紫花は、マサルの側に付くことを選びます。
このセリフはその時のものですが、のちのち、大きな伏線となってきます。
②「 ぼくは、阿紫花さんの人形を使う腕前――信じてるんだよ。 」
阿紫花と共に善治の許へ向かうマサルでしたが、ナルミとしろがねが囚われているのはマサルたちがいるのとは別の建物。
阿紫花の操る人形を使って、そこへ飛び移ろうとマサルは提案します。
阿紫花は、最初こそそんなことは無茶だと渋りますが、マサルにこう言われて、「そう言われると、格好のいいトコ、見せたくなっちまいますね」と、腹をくくるのです。
「信じる」は今後この物語で大きなテーマとなってきます。
③「 ガキ一人をよってたかっていたぶるしか能のねえ弱っちいおめーらが… オレ達を殺せるなんて思ってるのが…… 大笑いってことよ! 」
マサルに救い出されたしろがねとナルミ。
しかし周囲には人形遣いや、その他殺し屋達が大勢いる絶望的な状況です。
そんな中でもナルミはニヤリと笑うのです。
この「絶望的な状況でも笑う時は笑う」というナルミの言葉は今後マサルの運命を大きく左右します。
④『 闘う 』
再び悪の手中に落ちたしろがねとナルミは、ひとり無事だったマサルに「逃げろ!」と言います。
そこで、ふとマサルは、今までに無かった疑問を抱きます。
自分のために闘ってくれたナルミやしろがね、阿紫花を置いて、一人だけ逃げるのか…?
善治の許から逃げる時に自分を一回殺したのに…?
そして選んだ選択肢は、「逃げない」、そして、「闘う」でした。
しろがねの手から「あるるかん」の繰り糸を受け取るマサル。
この選択は後にマサルの人生を変えていきます。
⑤「 笑うべきだとわかった時は… 泣くべきじゃないぜ。 」
マサルを腕に抱き、最後の大爆発を背にナルミがマサルへ語りかけるセリフです。
泣くことがあってもいい。
歯を食いしばることがあってもいい。
でも、それ以外の時は笑っていろ。
このセリフは、物語だけでなく、私たちにも共通して言えることなのかもしれませんね。
次回予告
マサル達は命拾いをしますが、ナルミは一人、マサルを抱いた左腕だけを残して行方知れずとなってしまいます。
才賀の屋敷編はここまでです。
次回からは、しろがねとマサルがふたり、ナルミを思いながら生きていく姿が描かれていきます。
次巻にもご期待下さい。
コメント