あらすじ
命からがら殺し屋から逃げたマサル達。学校では、マサルの勇敢さが噂になり、もういじめもなくなりました。
母の墓前で、笑顔でいろいろな話をするマサル。
ですが、しろがねは相変わらず笑顔を見せてくれません。
それに、命を救ってくれたナルミももういないのです。
マサルはひとり悲しみに暮れます。
そんな中、いじめっ子の主犯格だった梶山くんが、マサルが命を狙われ助かった話を聞かせろ、と、言ってきます。
梶山くんは、強くなったマサルと友達になりたかったのです。
ですがマサルがいるとまたいつ危険な事が起こるかわかりません。
マサルはしろがねとともに学校を去ることにします。
そこで行き着いたのがくだんの仲町サーカス。
ですが仲町サーカスはテントから材木から取り上げられ、身一つの状態です。
しかしマサルはしろがねに、サーカスに入ることを勧め、しろがねもそれを受け入れます。
そんなある日、仲町サーカスはリーゼロッテという猛獣使いと出会います。
リーゼロッテは相棒のライオン・ドラムとともに、サーカスから逃げ出した凶暴なトラ・ビーストを追っていました。
恐れ知らずのビーストが唯一恐れるのがドラムの尾に生えた一本の毒針。
そのドラムを扱えるのはリーゼロッテただひとりです。
ビーストはもともとリーゼロッテの姉が使っていましたが、ある日観客の、リーゼロッテの目の前でビーストが暴走し、食い殺されてしまいます。
リーゼロッテは厳しかった姉の呪縛から逃れられず、猛獣使いとして子犬の一匹も扱えない状態でした。
彼女はビーストと差し違える覚悟で日本までやって来たのです。
しかしマサルはそんなリーゼロッテを鼓舞します。
そして、リーゼロッテはついに猛獣使いとしての矜恃をを手に入れ、ドラムとともにビーストを倒すのでした。
①「 マサル! その…よ… わるかったな。 」
それまで散々マサルに嫌がらせをしてきた梶山くんが、顔を真っ赤にしながらマサルに謝るシーンです。
これから、仲良くやろうぜ。
なかなか素直になれない年頃の男の子の、精一杯の謝罪の言葉の外には、そんな思いが込められていました。
②「 行かせてやんなよ。どうやらこの子が一番うまくやれるみてえだ。 」
仲町サーカスの団長が、猛獣使いとしてドラムを連れ回すリーゼロッテを連行しようとする警官を止めて言うセリフです。
情に厚く、ついつい困っている人に手を貸してしまいがちな団長の性格がよく表れているシーンです。
この人情は、のちのち物語に大きく関わってきます。
③「 おおよ、サーカスにゃ… サーカスの奇跡があるんだ。 」
これも仲町団長の言葉です。
専門家達が、いかにリーゼロッテが無謀なことをしようとしているかを侃々諤々している時に、専門家を黙らせて言うのです。
どれだけサーカスを愛しているか、どれだけサーカス団員を信じているかがわかるセリフです。
④「 ぼくは、タランダ・リーゼロッテの大サーカスを見に来たんだよ。 」
リーゼロッテがビーストとひとり差し違えるつもりで「死んでもいい」と言った時に、マサルが言ったのがこのセリフでした。
死んだ姉のかげに怯えるリーゼロッテに、マサルは勇気を与えます。
そしてこの、マサルという観客のおかげで、リーゼロッテに心境の変化が訪れます。
⑤「 あなたはお客様に牙をむいた。だからあなたを退場させます。このタランダ・リーゼロッテが! 」
そこにはもう姉の亡霊に怯えるリーゼロッテはいませんでした。
あれほど恐怖していたビーストに対し「Step back(下がれ)」の命令を下し、ビーストを後ろへと下がらせます。
死へ向かう空虚な目ではありません。
意思を持った強い目をしたリーゼロッテがそこにはいました…。
次回予告
この一件は大ニュースになりましたが、なんとか一件落着です。
次回は仲町サーカスの三人の物語が描かれます。
頑固だけれど人情に厚い団長と、お調子者のノリとヒロの兄弟との関係、そして絆とは。
次回もご期待下さい!
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