あらすじ
うらぶれたサーカス団・仲町サーカスは人質事件を解決したことで興行ができることになりました。
ですが仲町サーカスにはサーカスのためのテントすらありません。
そこでストローサーカスという大サーカスに機材を貸してくれるよう頼むのですが、機材を貸す代わりにしろがねを舞台に立たせるよう迫られます。
しろがねは仲町サーカスのためならば、と、一肌脱ぎ、見事な曲芸やピエロのパフォーマンスで会場を大盛り上がりさせます。
そのおかげで最低限の機材を確保できた仲町サーカスでしたが、今度は演目が決まりません。
刻一刻と公演の日時が迫る中、マサルがあることを思い付きます。
それはお芝居仕立てのストーリーショーでした。
猛獣使いのリーゼロッテはかわいらしいお姫様役、万能のしろがねは敵の麗しいヘビ魔王役、マサルはお姫様に恋をするえんとつそうじの若者役です。
観客のペットを操り芸をさせるリーゼロッテと曲芸で観客をひきつけるしろがねのおかげでショーは好調に滑り出します。
しかしなにがなんでもしろがねを引き抜きたいストローサーカスの親子が邪魔に入ります!
しかしマサルはとっさの機転でストローサーカスの親子を悪の手下に仕立て上げ、無事にショーは大成功。
仲町サーカスの興行が始まりました。
ところで舞台はフランスへうつります。
そこでへたくそな大道芸をやる大道芸人が…
その正体は、なんと行方不明になっていたナルミだったのです!
記憶を無くしたナルミの脳裏に浮かぶのは、しろがねとマサルの顔…。
ナルミの命を助けたのはギイ・クリストフ・レッシュ(以降ギイ)。
徐々に記憶を取り戻しつつあるナルミに、ギイは、200年もの昔から続いている「自動人形(オートマータ)」達とそれを破壊しようとする人間たちの物語を語るのです…。
①しろがねのほほえみ
大盛況で終わったストローサーカスでのしろがねのショー。
ショーの最中たくさんのしろがねの笑顔を見たマサルは、普段笑わないしろがねの笑顔に大喜びします。
しかししろがねは悲しい表情で「それはショーのための作り笑いで、本当の笑顔ではない」と明かします。
マサルは、しろがねが本当に好きなことをやって、笑ってくれればいいなあ、と、子ども心に思うのです。
そこでマサルは思い切って聞いてみます。
「ぼくは今日、サーカスに出られて、本当に楽しかったんだけど、しろがねはどうだったの?」
そこで、照明の落ちたテントを見渡すしろがね…
ふっ、とほほえんで、「また…来ましょう…」と言うのです。
その笑顔に、マサルは、しろがねを大きなショーに出すんだ!と心に決めるのです。
②『真夜中のサーカス』
仲町サーカスの興行も始まったある日、マサルは不思議な夢を見ます。
見たこともないサーカス団のパレード…
大きな楽器から銀色の煙を出しながら…
無人の原野を踊りながら渡りながら遠く遠く…
リーゼロッテとしろがねが風の噂で聞いたところによると、『真夜中のサーカス』と呼ばれる不気味なサーカスの一団が世界中を渡り歩いているとのこと。
この『真夜中のサーカス』と「銀色の煙」が、今後この物語の大きなキーとなってくるのです。
③『自動人形(オートマータ)』と『しろがね』
ギイがナルミに語ります。
自分で考え、自分で動く『自動人形(オートマータ)』が存在すること…
『オートマータ』は人の世に災いをもたらそうと考えていること…
それら『オートマータ』の破壊を目的とする人間がいること…
その人間たちが得意とするのが『人形繰り(マリオネット)』であること…
その人間たちを称して『しろがね』と呼ぶこと…
ギイは、ナルミを「しろがね」としてスカウトするのです!
④『オートマータ』を素手でぶっ飛ばすナルミ
ギイとナルミが話をしているところに、2体の「オートマータ」が襲いかかってきます。
1体はギイと、ギイのマリオネット「オリンピア」によって引き裂かれます。
ギイの異名は「オリンピアの恋人」、200体もの「オートマータ」を倒してきた伝説の「しろがね」だったのです。
しかしギイのアドバイスも無視してナルミは生身で戦います。
使うのは幼い頃から鍛えてきた中国拳法。
渾身の一撃を食らった「オートマータ」は内側から体液が沸騰し倒れます。
⑤『気』をたたきこむ
ギイがナルミを引き抜きたい理由はずばりナルミの使う中国拳法にありました。
「オートマータ」を倒す方法はふたつ。
ひとつはギイがやったように、瞬時に敵の体を引き裂くこと。
もうひとつはナルミがやったように、「気」を叩き込み、体液を沸騰させ、自壊させること。
中国拳法で「発勁(はっけい)」と呼ばれる「気」をコントロールし爆発的な力を生む闘い方を身につけていたナルミは、ほかの「しろがね」たちとは異なり、生身で「オートマータ」と戦えるのです。
次回予告
ひと闘いを終えたギイとナルミは、「しろがね」が生まれた地へと向かいます。
同時に、なにやら怪しげなサーカス団の不穏な動きも…
深まる謎に、躍動するアクション!
次回もお楽しみに。
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