前回までのあらすじ
注射器ポンピングで船越は例の小指が痛み上手く出来ない中、加瀬が登場、代わりにポンピングを手伝います。下屋は冷静に家族に状況を説明、何とか母子共に無事に済みます。今回の出産で10ℓを超える多量の出血があり、全摘となったのですが、竹下は母子共に生きていて本当に良かったと涙します…
子宮外妊娠
前日に妊娠が分かり、病院に行ってみるといきなり子宮外妊娠と診断され手術となり、動揺を隠せない上原は、下屋と顔見知りのようです。卵管内で妊娠しているため、いつ破裂するかも分からず、緊急オペが必要なのです
子宮外妊娠を放置すると母体の命に関わるため、サクラは夫婦に今回は赤ちゃんは諦めて欲しいと言います。1%と非常に珍しいケースなため、再発はほぼ無いと思われるものの、腹腔鏡手術(上手く行かない場合は開腹手術)は緊急に行わないといけないため、夫婦は戸惑いながら同意します
外妊の捉え方は産科医と患者で大きな距離があり、産科医は母体の命に関わる場面を数多く見てきていますが、患者にしたら流産や死産と変わりないのだとサクラは言います。下屋は上原に自身の初めての患者が外妊で、苦い経験があり、今回の事は結果的には産科医としてこれで良かったと感じています
しかし友達としては失格だと反省し、次は彼女の赤ちゃんを取り上げると決意表明し病室を後にします
性感染症
倉田はクラミジア抗原が陽性と診断されます。流産や早産の原因にもなるため、抗生物質を内服し、夫にも泌尿器科に行き夫婦で完治させるように言われます。風俗通いの癖がある夫は内心びくつきますが、結果は陰性です
これにはカラクリがあり、尿検査で偽陰性で診断された可能性があり、自身は潔白な妻は再度夫を泌尿器科に連れて行き、陽性と診断、風俗通いもバレてしまいます。この件で妻は完全に主導権を握り、家計の財布の紐を握ることになるのでした…
口唇口蓋裂
四宮は土屋に赤ちゃんが先天異常の一つで上唇が裂けている状態の口唇口蓋裂と診断します。難しい言葉を並べられ、言葉だけスマホで調べると、醜い様相の画像が多数出てきて妻は不安定になってしまいます。夫がきちんと話を聞きたいと再度病院に現れますが、四宮はあくまで事務的で、納得がいかない夫婦にサクラが説明します
妻は自身が原因ではと責めますが、サクラは500~600人に1人程の割合で起き、誰にでも起こりうるものだと冷静です。確かに見た目から食事等様々な事に関わる口元の問題のため多くの杞憂はありますが、必ず完治すると断言します
土屋は四宮からサクラに主治医を変え、少しずつ現状を受け入れ始めます。両親にどう説明するか悩んだ末、話してしまう事にしますが、やはり過剰なリアクションがあり、揉めますが、おばあちゃんの一言で和み、親として大事に育てていくことを家族で確認し合うきっかけになりました
一時の不安を乗り越えた土屋夫婦は前向きに出産・育児について考えていくことになります
ここで四宮の例の患者・つぼみが急死してしまいます!5年ぶりに会った父親は頭を下げただけでしたが、それぞれの重い5年間という時があったのです。四宮は植物状態のつぼみに毎日会いに行き、治してあげたかったと涙します
土屋の妻は四宮を見つけ、3つのことを伝えます(口腔外科に繋げてくれたことへの感謝・出産、育児への決意・妊婦には優しく接すること)。四宮は珍しく笑います
乳児院
イレーネホーム乳児院の加賀美はサクラのネームプレートを見て、喘息は治った?と問います。緊急で下屋から連絡が入りサクラはオペ室に急行しますが、無事出産され、フライングしてしまった下屋はオペ場師長に嫌味を言われます
珍しく仕事を早く切り上げたサクラは乳児院を訪れ、加賀美が以前サクラの母親代わりだったのだと悟ります。乳児院から養子に誘われるケースは稀で、親としては障害や病気の無い子を選びたがる傾向は否めません
施設長も現れ、以前と比べ乳児院の在り方も変わってきていると言います。昔は経済的な問題等やむを得ない事情で入って来る子が多かったのですが、今は家庭で虐待を受けていた子が多いと言うのです
サクラは得意のピアノを披露し、子供達も目を瞠ります。加賀美は30年前サクラを送り出す際顔を見れない状態だったことをずっと悔いており、今回笑顔で送り出すことが出来ました
サクラは再度下屋からの緊急の呼び出しがあり、結局今回もフライングに終わり、下屋の心配性であったところでこの巻は終わります
まとめ
子宮外妊娠・性感染症・口唇口蓋裂・そして乳児院と今回も様々なケースが紹介され、非常に勉強になる内容です。子宮外妊娠の場合母体の命の危険もあり、流産・死産と同様の状態であるのは夫婦にとっては辛いところでしょう
口唇口蓋裂は完治出来るものですが、それを受け入れるまでには綿密なケアと覚悟が必要です。今回両親への説明のくだりが出て来ますが、孫が完全体で産まれない事に難癖をつけるということが、如何に母親を苦しめるかが伺いしれます
4つのエピソードの他に、四宮の抱えていたケース・つぼみとの死別や、サクラが乳児院にいたという過去も明かされます。どちらも二人の現在の人格形成に大きな意味合いを持つ出来事で、納得の行くところでしょう
一言で妊娠と言っても本当に様々な出来事・リスクがあり、感動もあると感じさせるコウノドリ、7巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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