「MONSTER」7巻の深まる謎と極上ミステリー~カール・実の父親シューバルトと感動の再会も、仕組んだのはヨハン…真相に近づいたリヒァルトの謎の死と、ヨハン包囲網を形成するテンマの真意は?~

前回までのあらすじ

リヒァルトマルゴット・ランガーを名乗る女の元へ出向き、カールロッテの他に、ファーレンともう一人金髪の男が来たと言い、そいつがもしシューバルトの息子だって言ったらあたしゃ信じたねと言われます…

リヒァルトの抱える暗い過去

別れた妻に娘と会えないかと交渉するリヒァルト、酒を断ち、ライヒワインの元順調に治療も進んでいます。過去の忌まわしき事件(刑事時代少年の被疑者を撃ち殺してしまった事件)の事にも向き合えるようになって来ましたが、かなりのトラウマの様です

カールシューバルトの息子だと名乗り出ないことに疑問を感じながら、リヒァルトは結局妻から娘は会いたくないと言っていると言われ、ついついウイスキーを口にしそうになり、何とかその誘惑を断ち切ります

カールシューバルトの実の息子である証拠を持っています。シューバルトに朗読を褒められたカールはもし実の息子がヨハンだったらどう思うかシューバルトに問うと、シューバルトはほくそ笑みます。嫉妬を感じたカールは正直にこのことをヨハンに話し、ヨハンから実の息子だと名乗り出ないのであれば、その証拠を預かると言われます

里親に本当の家族にならないか言われ、快諾したカールですが、シューバルトに電話でアルバイトを辞める事を突き止められ、最後に一節読んでくれと言われ、朗読しているとカールは泣いてしまいます。すると何とシューバルトは携帯電話で掛けて来ており、部屋に現れ、実の息子である証拠・ウサギの足を見せ、カールを抱き締めます

ヨハンから聞いたというシューバルトは、ヨハンを秘書として雇うと言います。リヒァルトシューバルトからの依頼はもう良いと断られ、あの冷徹な男が好々爺に変貌したことに驚きます。仕事が暇になったリヒァルトは昔の未解決事件を読み返し、ある事を思い出し掛けますが、例の少年の亡霊を見て考えが飛んでしまいます

真相に近づいたリヒァルトの死

度重なる幻覚から、ライヒワインについに真実を告げたリヒァルトは吹っ切れ、再度シューバルト関連の聞き込みを進めます。時には命の危険を感じる出来事もありました。過去の事件を紐解く鍵となるキーワードを結び付けると、それは全てシューバルトを孤独にするために仕向けられたことが分かります

ライヒワインも語ったヨハンに繋がったため、リヒァルトヨハンの身辺を調査します。一見何の変哲もない身の上でしたが、自身の子が大人になった姿を想像すると、リーベルト家の赤ん坊の写真が現在のヨハンの顔になる訳がないと閃き、全ては仕組まれたことだとリヒァルトは気づきます

ギーレンヨハンの写真を託したライヒワインでしたが、ユルゲンスはその写真を見てボールペンで自殺してしまいます。リヒァルトの元にヨハンが現れ、例の少年銃殺の件は実は酔っておらずシラフだったのではと問い詰めてきます。後日ライヒワインの元にリヒァルトは死んだと連絡が入ります

全てが一つに繋がった…

リヒァルトの葬儀では参列者もまばらな中、リヒァルトは娘と翌日会う約束をしていたというのです。ライヒワインは自身が何もしてやれなかったことを悔やみ、一人死因の調査を始めます

リヒァルトの死因は飲酒しての転落死でしたが、ウイスキーの酒瓶がラッケだったリヒァルトは本場のスコッチしか飲みません)ことから、ライヒワインヨハンによって仕組まれたものと悟ります。するとライヒワインは地下鉄に突き落とされそうになり、男の後を追い、乱闘の末その男はデカい男に依頼されたと白状します

ライヒワインの医院には戸締りのうっかりミスが目立つメレスがいます。いつもの診察で浮気症の男(ヘッセ)を診察することになりますが、話を聞くとヨハンを仄めかす供述があり、身の危険を感じたライヒワインはお茶を投げ、裏戸から逃げ出します(メレスが運良く鍵を閉め忘れていました

ヘッセロベルトで、最早これまで…というところで、ライヒワインテンマに命を救われます。逃げおおせた2人はディーターを交えてレストランで食事を取ります。テンマディーターリヒァルトが撃ってしまった少年を511キンダーハイムで見た事があると言うので、ここでヨハンと繋がり、ライヒワインに接触したのです

シューバルト財閥の会社でシューバルトカール、そして笑顔のヨハンを見たテンマは、初めて彼を白日の元見たと言います。様々な状況証拠からヨハンを追い詰めようと考えるライヒワインですが、どうやらテンマヨハンを逮捕させたいと言うより、殺そうとしていることに気づきます

ライヒワインギーレンからも同様の電話があり、ディーターが現れ、テンマが人殺しになる前に止めて欲しいと言われたところでこの巻は終わります

まとめ

カールシューバルトの実の息子である証拠・ウサギの足ヨハンに渡し、何とヨハンはその事をシューバルトに伝えた事で、カールシューバルトは感動の親子としての再会を果たします。ヨハンは秘書という形で収まりましたが、やはり何か企みがあるようです

トラウマとアルコール中毒を抱えながら、リヒァルトは前を向き過去の未解決事件を調査していくと、ヨハンの存在に気づきます。真相に近づいたと思いきや、そのヨハンに事故死に見せかけられて殺されてしまいます

主治医であったライヒワインリヒァルトの死に疑問を持ち、調査しますが、今度は刺客としてロベルトが現れ、命からがら逃げだし、テンマの助けもあり助かります。ギーレンも含めヨハン包囲網が出来つつある中、ライヒワインギーレンも、テンマヨハン逮捕ではなく殺そうとしていることに気づきます

全ての事件等が必ずヨハンに繋がっているこの伏線の回収には最早寒気すら感じさせます…8巻ではどんな話が待っているのでしょうか?

おまけ

これからおまけでは浦沢直樹先生の他作品を紹介していきます。まずは出世作となったYAWARA!です。当時社会現象にもなった女子柔道のヤワラちゃんの由来ともなった作品です。アニメ化もされ、累計3000万部の人気作で、一躍浦沢先生は人気作家となりました

コメント

タイトルとURLをコピーしました