「NANA」7巻の数々の恋模様とバンド活動の光と影~ブラスト絶好調でレーベルとも好感触!ナナ、タクミに見切りをつけノブと結ばれる!ナナの異常とも言える独占欲とは!?

前回までのあらすじ

奈々が今日ノブに会ったらどんな顔すればいいんだろう、ノブはもう笑いかけてくれないかもしれないと感じます

ノブが作ったあの曲にあの夜ナナが何を願って歌っていたのか声をふり絞ってあたしの耳に届くように今なら分かるのに…というモノローグです…

ナナのカリスマ性に魅せられて

ブラストの都内3度目のステージはいつものライブハウスの対バンで最初の40分でした。物凄い人気で淳子達は泣く泣くチケットを諦める程です。観客それぞれの想いを乗せて、バンドは走ります。出待ちまで現れる程の盛況っぷり、信者が多く集います

淳子京介はミュージシャンは実力があっても成功出来るとは限らない中、上手い下手の問題じゃなく、カリスマ性だと感じます。ガイアレコードの川野から良い話が来てそのまま食事に誘われ、打ち上げの準備をしていた奈々はまたしても不意に終わりますが仕方ない事です

美里が居候する事になり、しばらく家には来ないでと駄目元でタクミにメールを送ると、「居候ってオンナー?」とタクミから電話が掛かって来ます。奈々は再度電話を掛け「会いたい」と本心を告げ、美里を置いて出掛けます

奈々の事を気遣いナナは食事会後家に戻りますが、奈々はいなく、打ち上げの為に用意された多くの食事に驚き、奈々のかいがいしさを想います。お互い恋人同士ならそれは抱き合えば埋められる程度の隙間だったのかな?と…

ナナを独り占めしたかったんじゃない、ナナに必要とされたかっただけなのに

タクミに見切りをつけノブへ

翌日ノブ宅にナナ奈々の作った料理を持って行き、一緒に食べ、メンバーにも食べさせようと奈々の愛を感じます。奈々は忙しい中時間を作ってくれたタクミに感謝し、これでは逆に自分の都合の良い時に利用しているようだと自責します

奈々が仕事から帰ると、ブラストが来ており、料理の礼を言われ奈々も喜びます。ヤスはインディーズで固定客を掴んでハクをつけてからメジャーに移った方がいいという考えです。奈々ノブの作曲の才能を高く買っています

逆にトラネスはレンの作曲の才能は勿論、タクミのアレンジの才能が光ります。タクミは「レイラの歌声の魅力を最大限まで引き出す音が作れるのはこのおれしかいない」と豪語していたようです。気を使われ奈々ノブと二人っきりで買い出しに行かされ、本音をぶつけ抱き合います

奈々タクミと決別してノブを選ぼう、あたしの欲しい未来が全部詰まってると感じます。花火大会に行く約束をし、奈々の魔性に翻弄されながら(笑)ノブは意地でもお前を幸せにしてやると言い切ります。決して力づくで奪うのではなく、タクミと別れて気持ちにケリがついたらおれんとこに来てよと…

ノブとそこで別れ家に戻るとナナの入っている浴槽に入る奈々ノブとの事も応援してくれているのです。奈々は決心し、タクミに別れを告げる為電話しますが、タクミは「ガキでも出来たら大変だ、わずらわしい話ならかんべんしてね」と非常識な応対をされ、ついに奈々はキレ、もう連絡して来ないで、さようならと言えます

これで吹っ切れた奈々はついにノブと結ばれます

ナナの独占欲の強さ

まだノブの事を多く知らない奈々は身の上話をし、今までの男とは違ったタイプのノブが愛おしく、お互いが求め合い、お互いに尽くすという感覚を初めて感じます。今までは一方的だったのです。また夜家を空けた奈々ナナと気まずいかと思っていたら、自然に受け入れてくれます

ノブとの付き合いが長いせいか、ノブの良いところを沢山知っているナナ奈々とも上手く行くように見守ってくれるのです。淳子達は章司とジャクソンバーガーで奈々の変遷ぶりについて語り合います

ここでノブ奈々の事でナナに礼を言うと、何とナナは「ハチ公を自分の庭で放し飼いする為に利用した」というのです!歪んだ感情を持つのはシンも同じで、「男と女はしょせん欲望の対象者同士、愛なんかで繋がれるか?」と疑心的です

奈々美里と部屋のトラネスのポスターの跡を消す為にペンキで壁を白く塗り直し、思い出を封印しただけなのに証拠隠滅してる犯罪者みたいな気分になるのはなんでだろうと感じたところでこの巻は終わります

まとめ

冒頭のバンドのファンの想いに共感する部分が多々あります。音楽を愛する者は、単調で退屈な毎日を過ごしつつ、ライブに時間とお金とその人の人生を賭けて生きている人達が沢山います。最早その人の生き様・生きがいにも関係するところで、それくらいバンドというものは物凄いエネルギー・活力をくれるもので、人生感の変わるものなのです

タクミの冷たい部分に嫌気が刺し、ノブの温かさに惹かれる奈々は、ついにタクミと決別し、ノブと結ばれます。グルーピー的なノリもあり、流れに任せて来た嫌いもあり、ズルズル関係を続けない意味でも奈々にしたら随分思い切った行動です

これで心置きなく両想いのノブと付き合える身になった奈々、一見順調そうですが、NANAの恐ろしいところはこの狭い間の人間関係の複雑さにあります。続巻に譲りますが、一筋縄ではいかない展開がこの後待っているとは、幸せ絶頂の奈々には気づかない事でした

また、異常性という点では、「ハチ公を自分の庭で放し飼いする為に利用した」というナナの独善的な発言でしょう。レンに続き、ノブも、奈々も、自分に近いところに居させるこの独占欲のようなものは、ナナの性癖というか、悪癖とも言えるかもしれません

シンも「男と女はしょせん欲望の対象者同士、愛なんかで繋がれるか?」と語り、少し偏った考えを持つ者が多いのです。一見平穏に見えて、実はここから物語は急激に加速していきます…8巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

NANAといえば何と言っても実写映画でしょう。1作目は奈々宮崎あおいナナ中島美嘉が熱演し、一大ブームが巻き起こりました。特に中島美嘉がハマり役で、当時から売れてはいましたが、主題歌となった「GLAMOROUS SKY」は大ヒットし、今でも彼女のライブで歌われ大歓声が起こる名曲です

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