前回までのあらすじ
ターニャは千秋のあまりの熱心さから黒木を重ね、黒木の元へ訪れ謝ると、黒木はコンクールに出たいのでピアノ伴奏をターニャに頼みたいと告げます。のだめは千秋があまりに熱心なので、そこまでしなくて良い、ウサギとカメの例えから自分の勉強をしてくださいと混乱します…
全く違うようで実は本質的に似ていたのだめとRuiのピアノ
千秋のおかげで課題曲もはかどったのだめは感謝を告げ、それぞれの現場に赴きます。4月ーマルレ・オケ定期公演にはのだめは顔を見せず、終演後電話すると翌日レッスン日ということもあり練習漬けのようです。オクレールの求める技能レベルは相変わらず高いですが、初めてべーべではなくメグミと呼ばれ喜びます
リュカにRuiの協奏曲のチケットをせがまれたのだめ、千秋はそんなことだろうと7枚はキープしておいたと流石の対応です。チケットを取りに行くと言うと、明日は仕事でRui宅でリハだと言われ、のだめはその複雑な心境をピアノにぶつけます
Ruiは相変わらずだらしなく、千秋は掃除に手を出しそうになりますが、Ruiは気にもせずラヴェルを聴いてと弾き出します。色彩感が前に共演した時より広がっており、そんなことより胸が高鳴って痛いくらいで、Ruiがしたい演奏が千秋が思い描いていたものと同じであることを喜びます
Ruiのピアノにジャズを感じた千秋が問うと、Ruiは父がジャズ好きだったことを明かし、千秋はのだめとの演奏自体は違うのに方向性は一緒だったことにショックを受けます。シモンは常に最高の演奏を目指せと志高く、テオに聞かれ千秋は歌をやりたいと話します
アパルトマンでパーティーを開き、のだめは千秋が作ってくれた料理を出し大好評です。各々の将来を語らい、のだめのピアノは感情が曲にも憑依しており、皆恐ろしさすら感じます。一方千秋とRuiは意気投合し、お互い曲への理解を深めます
千秋とRui、再共演
ミルヒーは馬車馬のように働かされ、エリーゼは意気消沈するミルヒーにパリで千秋と「ワン・モア・キッス」だ!と引っ張り出します。オケとRuiのリハではそのレベルの高さが伺え、雰囲気も良い中、クラシックライフの取材も訪れます
Ruiの独白の予定が千秋も一緒にインタビューとなり、Ruiは千秋の実力を認め、若い同世代の彼のような音楽家と共にひとつの演奏を作り上げてみたいと語ります。千秋も光栄だと話し、RuiのNYでの酷評がこうして彼女の成長に繋がるのかーとインタビュアーは感じます
ラヴェルの協奏曲を滑稽でふざけててかわいくて飛んで跳ねて、まるでのだめみたいだとRuiは話し、自身にないものからお互いの良さを考えさせられある意味のだめに感謝していると語ります。公演の日、のだめたちが連れだって会場に向かうと、師事したオクレールも現れのだめは驚きます
<舞楽>にも挑戦した千秋は挑戦的なプログラムで攻め、ついにRuiとの共演となります。すごいことやってやろうっていうんじゃなく人の心に直に触ってくるような温かくてアットホームなコンサート、いや、これは…みんなの心にある愛の記憶かーと記者は感じます
あっという間に共演は終わり、大喝采を浴び、Ruiはやっぱり恋ってすっごく楽しいけど、ちょっと切ないねと涙します
のだめ、千秋にプロポーズ!!
ムソルグスキー組曲で締め公演は大成功、千秋はRuiとの共演が良い意味でのだめに刺激になってくれればと感じます。家に帰るとのだめがおり、いつもと比べ様子がおかしいです。ずっと一緒ですよね?と抱き着くのだめに、わけがわからないけどこいつなりの変な方式でなにかを乗り越えようとしているのかもしれないと千秋は受け入れます
一夜を共にした二人、朝のだめは唐突に「結婚してくだサイ!」とぶちまけ、千秋はいつもの冗談だとあしらいつつ、やけに真剣だったことが気がかりです。Ruiたちの書評に千秋は1行だけだったことを笑い、ミルヒーはのだめを見つけますが、逆に泣きつかれます。パリ留学してもうすぐ3年、のだめはレッスンを初めて欠席します
なんでプロポーズしてしまったのかもわからないのだめは学校もピアノも疲れちゃったと嘆きます。千秋は結婚してと言われ、一瞬「あ、コイツ(音楽から)逃げた」と感じており、ここまで来てそりゃないだろうと焦ります
千秋とRuiがのだめのやりたかった以上のことをやられたので、のだめは達観しもういいじゃないかと言い、ミルヒーはのだめのピアノを聴いてみると、その才能に惚れ、僕と一緒に行きますか?と誘います。ミルヒーは一時死んだかのような様子でしたが、精気に溢れ、エリーゼにプログラムの変更を申し出ます
禁煙ってやればできるってことだねと言うとエリーゼは怒ったため、ミルヒーはもう少し生きられそうだから、見たいんだよ早く…かわいい娘の晴れ姿ー美しい音が聴こえるうちにーとのだめを見るところでこの巻は終わります
まとめ
のだめは猛特訓から更に一段階上のレベルまで達しますが、達したが故に自身が切望してやまなかったラヴェルの協奏曲での千秋との共演をRuiに先を越され、更にそのレベルの高さに完全に参ってしまいます。RuiはRuiでのだめのピアノを認めており、お互い良い部分がある訳ですが、のだめは自分がしたかったことの先を越されたと感じます
普段から勝手に嫁発言しているのだめですが、終演後様子がおかしく、恐らく一夜を共にし、翌朝逆プロポーズをするのです!千秋はいつもの冗談だろうと取り合わずにいましたが、妙に真剣だったことが気に掛かります。千秋は一瞬「あ、コイツ(音楽から)逃げた」と感じており、これには本レビュー筆者も感じ入るものがあります
スポーツ選手にしろ音楽家にしろ、常に逃げられない境遇の中、何かのきっかけでそこから解放されたいという所謂「きっかけ待ち」な人も大勢います。心身共に追い詰められる中、意地で続けている人もいるでしょうし、ちょっとしたことがきっかけで引退という文字が脳裏を掠めるのです
所謂「降りた」人から言わせると、そこまで毎日勝負の世界にいるというのは酷な話なのです。のだめが千秋に逆プロポーズした真意の程は分かりかねますが、千秋がのだめが「降りた」と感じたのは必然かもしれません。しかしこれでお話は終わらず、何とのだめはミルヒーに魅入られ、話がトントン拍子に進むのです
これから待っている出来事がのだめの将来をどんなものにするのか…22巻で答え合わせしましょう!
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