はじめに
大ヒット中の「東京リベンジャーズ」の和久井健の原点であり、出世作である新宿スワン。ヤングマガジンに人気連載され、ドラマ化・実写映画化もされた名作です。今回はこの新宿スワンのアンダーグラウンドな夜の街の光と闇にスポットを当て、まとめていきます
白鳥タツヒコ、スカウト業始める!
白鳥タツヒコ19歳、夢を抱き上京したものの、現在所持金100円、サイババのような頭を馬鹿にされ、「バーチャン譲りの天パーだ」と喧嘩が始まります。多勢に無勢、タツヒコが一方的にやられていると、ある男が止めに入ります。真虎との最初の出会いです
真虎に飯をおごって貰い、理由を聞くと、スカウトの仕事をしていると言います。新宿で水商売、風俗、AVの仕事を紹介していると言うのです。飯をおごって貰った手前、スカウトの仕事をすることになり、スーツに着替え、路上でキャッチをすることになります
いきなりの展開で、声を掛けまくるタツヒコでしたが、30連敗…真虎は手本を見せます。言葉巧みな真虎は女を立ち止まらせ、考える暇を与えず、電話番号をゲットしてしまいます!タツヒコは再び声を掛けていると、なんと風俗希望の女をキャッチします
イメクラではいきなり服を脱がされ、講習をするということ、なんとAランクで入店ボーナス5万円に永久歩合で女子給の10%が入るというのです!後ろめたさを感じるタツヒコに、真虎は裏の顔を見せ、凄みます。実際金が入り、タツヒコはこのまま辞められないと感じます
スカウトを始めて一週間、タツヒコは驚きの連続です。そこに社長の山城神が現れます。真虎に現状を聞かれ、店に決まったコが3人くらいというタツヒコは、真虎に相談します。借金が500万ある女はキャバクラも風俗も出来ないとワガママです。ホストにハマって借金を膨らませてしまった女の処遇を、タツヒコは間をとって「おさわり」でどうかと言います
事務所に女を連れて行くと、真虎は温泉に売り飛ばすと嘘を付き、女に「おさわり」で働かせる気にさせる上手い演技をします。面接ではマジックミラー越しにハッスルタイムを見て戦慄するタツヒコ、結局女はこの店で働くことになり、慣れたらヘルス、次は吉原と落ちていきます
女を守ってあげたいと感じるタツヒコは「会社の社員である前に人として正義の味方でいたい」と説きますが、真虎に軽くあしらわれてしまいます
ハーレムとの揉め事
タツヒコは真虎とホストクラブに行くことになります。店長に話を聞くと最近のホスト事情はさっぱりだと愚痴られます。ホスト・スカウト・闇金融という水商売の循環の法則を聞き、うんざりしていると、問題の信也が女を連れて店に来ます。リョーコは売り掛け(後払い)で300万、他の店でも同様に200万というだらしなさです。この業界では有名な女で、売り掛けで回って総額1200万でプーだと言います
真虎は免許証を見て、即座に偽造と見抜き、17歳と暴きます。結局ヤクザに売られることになります。未成年だった時点でサイクルから外れてしまっていたのです。見送ることしか出来ないタツヒコでした
タツヒコはスカウトのノウハウを真虎に叩き込まれ、すっかり反応も良くなっています。2週間で1000人に声を掛けたというタツヒコ、アポった女52人、店が決まった女8人という気が遠くなる数字です…
美女を見つけ、追いかけると、倒されてしまいます。女は合気道をやっています。前の店のお客とトラブルがあり、勘違いしていた長谷川裕香は謝罪し、店を紹介して欲しいと言います。早速面接に行くと、店長はそわそわしています。esでNO.1藤崎セリナとして働いていた超大物ということで、好待遇を提示されますが、実力で時給を上げるという裕香、店長はSランク待遇で迎えます
駅まで一緒に帰っていると、他のスカウトマンと揉めます。以前裕香を扱っていたスカウトは複数人でタツヒコをボコります。襲った連中は「ハーレム」の連中で、タツヒコの所属する「バースト」との揉め事、幹部会では荒れるぞと山城は言います。真虎が話を付けてくると言うと、幹部の関が現れます。山城は関に火種を大きくして欲しいと言います。武闘派の関はタツヒコと揉め事を起こしに行きます
責任を押し付けられたタツヒコを救う真虎
例のスカウト達を見つけ、タツヒコに暴れさせ、関が社長を呼びます。しかし社長は部下達に関とタツヒコをボコボコにさせてしまいます。咬ませ犬として火種を大きくするために動いた関にタツヒコは感動します
全体ミーティングではハーレムの連中を集団でボコれと指示します。山城の狙いはこれだったのです。山城、真虎、時正はハーレムの社長、松方に会いに行きます。ハーレムを解散するか、バーストの傘下に入るかと迫ります。関とタツヒコも呼び、話を聞きます
相応の責任として、慰謝料3000万と逆に迫る松方、更に逆に3000万でハーレムを売るとも取れると真虎は言います。関は最初に手を出したのはタツヒコだと言います。関に全ての責任を押し付けた後にその責任をタツヒコに持っていき、ハーレムを頂くという山城のプランです
タツヒコはキレますが、ボコられてしまいます。すると真虎がハーレムNo.2の葉山という男と現れ、先程の会話を録音していたと言います。葉山は松方以外すべての幹部の意向でバーストの傘下に入ると言います。真虎はタツヒコを救います。タツヒコは山城に苦言を呈し、真虎と退室し真虎にお礼を言うところでこの巻は終わります
まとめ
ひょんなことからスカウト業界で働くことになったタツヒコ、アンダーグラウンドな世界で徐々にその闇を見ていくことになります。契約を結べると高額なスカウトバックがあり、驚くタツヒコ、水商売の循環を知り、戦慄していきます
スカウトにも慣れ、女の処遇に一喜一憂しながら様々な出来事が起きます。何の助けも出来ず売り掛け1200万の女が未成年のためヤクザに売り飛ばされたことは、タツヒコに暗い影を落とします。この経験が後に生きてきます
美女の裕香を店に紹介し、ウハウハだったタツヒコですが、ハーレムとの揉め事に巻き込まれます。関がことを大きくし、結局ハーレムを頂くための茶番だったと知り、タツヒコをキレますが、全責任をタツヒコに持って来るとは上手い考えです。しかし、真虎は更に上手い手段で事を納め、タツヒコも解放されます
こういったやったやらない等の言い争い、上手く立ち回ったものだけが利を得るという人生の教訓のようなものでしょうが、夜の世界では日常茶飯事、右も左も分からないタツヒコは一つ一つ経験して、身に覚えていくしかないのです。まだ新宿の闇はほんの一握りですが、今後タツヒコがどんな事件に巻き込まれ、どう成長していくのか…続巻も読みましょう!!
コメント