「ゴールデンカムイ」20巻のアイヌ文化と食と金塊争奪サバイバル~都丹庵士、有古の庭・八甲田山で雪崩に巻き込まれ無念の死!瀕死の尾形、巧妙に脱走…鯉戸少尉の過去が明らかに~

前回までのあらすじ

キロランケは安堵し、この旅は無駄ではなかったとし、あとは頼んだ、「俺たち」のために…ソフィアと…と言い、アシリパキロランケにアチャを殺したのは本当かと最早事切れたキロランケに何度も問います…

真っ暗な雪山で下駄を履く男とは…!?

杉元のっぺら坊が死に際「アイヌを殺したのは自分じゃない」と言っていたと言います。アシリパは監獄でキロランケと文通をしていたソフィアなら全て知っているかも知れないと探します。人影を見つけ見に行くと、それはあの岩息でした(笑)

結局ソフィアとは会えず仕舞いでしたが、杉元アシリパのマキリを渡し、怪我人も収容し北海道へ帰ります

登別温泉は当時北海道最大の温泉地で、傷によく効いたため、戦争後療養地に指定されます。二階堂宇佐美が滝の湯を楽しんでいると、菊田有古から変な話を聞かされます。真っ暗な雪山で下駄を履く人間がいたと言い、着ていた服が気になったのだと…

チカパシとも再会したアシリパは、ニヴフとアイヌの文化の微妙な違いに感心します。月島はスヴェトラーナ岩息について行って大陸へ渡れ、手紙を両親宛てに書けと言い、了承を得ます。現状利害の一致するアシリパ杉元は相棒の契約更新だと話し、金塊を見つけてアシリパを開放してやると杉元は気張ります

ニヴフで「ばけもの川」という話を聞き、それに乗っ取り白石を驚かせてやろうと杉元は尻に目を描きますが、二人共同じことをしてカブっています(笑)都丹庵士有古菊田に見られており、仲間は土方に第7師団の情報を流せなくなるので消すべきだと話しています

菊田達は例の下駄の男を探しに行くと、それはやはり都丹庵士で、暗闇での銃撃戦となりますが、菊田は目を闇に慣れさせよく見えています。地獄谷の方まで降りて来て、都丹庵士の巧みな戦術で菊田は撃たれますが、胸に隠していた銃が盾になります

二階堂・宇佐美・有古とも落ち合い、有古が見たのは刺青だったという事で、都丹庵士の後を追います。古い坑道に足跡が続いており、氷筍(地面に逆さに生えるツララ)を壊した事で気づかれ宇佐美は撃たれます。正に形勢逆転です

尾形の逆襲

地獄谷の火山ガスの中でも奴らは…と菊田は閃き、暗闇を嗅覚で移動していた都丹庵士を松明で誘導し、肩を撃ちます。外に逃げられ、「狩り」は静かにひとりのほうがいいと有古が向かいます。有古は「八甲田山雪中行軍遭難事件」で完璧な捜索を行った、謂わばここは有古の庭なのです

有古は巧みに都丹庵士を翻弄し、気づいた時には意図的に雪崩を起こしており、都丹庵士は雪の中に埋もれます

一方杉元達はニヴフの伝統料理・モス(魚の皮を使ったお菓子)を食べ、特に鯉戸少尉は父の事を思い出しテンションが高いです(笑)尾形が特に重症なので、医者を探しますが、日本人だとバレ、杉元は医者に銃を向けます

一方登別では有古都丹庵士の刺青を剥ぎ、菊田に見せます。二人は鶴見中尉への良い土産が出来たと喜びます

医者は尾形が重症の為、ここでなく病院に運ぶと言います。杉元尾形に聞きたい事がある為了承し、鯉戸少尉は尾形が改心するとは思えないと言いますが、杉元は救いたいのはアイツじゃないと橇に乗せます

病院では明日まで持たないだろうと言われ、外に出ていた杉元が室内に戻ると何と医者が倒れており尾形が逃げた形跡があります!杉元は急いでアシリパと裏手へ回りますが、何とまだ尾形は室内におり、医者の妻を盾に取り、ロシア語で医者に鯉戸少尉を殴り倒すよう指示し、鯉戸少尉は倒れ、ボンボンめと言われます

鯉戸少尉の過去

回想では鹿児島で鯉戸音之進が14歳の頃、3輪バイクを乗り回しているとある男(鶴見中尉)に咎められ、自顕流を素手で受け止められ、観念します。西郷隆盛の墓に行きたいと言われ、バイクで一緒に連れて行くと、「月寒あんぱん」を差し出され、音之進は兄の墓に備え、鶴見中尉は兄の事を話してくれと請います

兄は日清戦争で命を落とし、それは凄惨な光景だったようです。音之進は父の仕事で函館に行くと言い、鶴見中尉は桜島と少し風景が似ている、月寒は北海道にあるんだよと言い別れます

16歳になった音之進は突如拉致され、父の平二大佐達が心配する中、鶴見中尉が奪還作戦の指揮を執ります。要人である音之進を拉致したのはロシア側で、ウラジオストク艦隊が太平洋に抜ける際の要塞が芽の上のたんこぶのため、無力化させる狙いがあるのでは?と鶴見中尉は言います

ロシア領事館に電話が掛かって来ますが、鶴見中尉は冷静に今出てはならないと駆け引きをします。函館の電話加入者等を分析し、交換手に番号を聞き現場を特定する気です。平二大佐は音之進一人のために戦争を起こす訳にはいかない、死んでもらうしかないと非情です

時間になり鶴見中尉の段取りで交渉が始まりますが、電話越しに音之進が暴れている隙に交換手から場所を特定し、監禁先が五稜郭だと判明します。平二大佐は3輪バイクに乗り、鶴見中尉と共に向かいます。追手が来て鶴見中尉が巧みに倒しますが、馬車に当たり、バイクは壊れますが構わず進みます

監禁先に平二大佐が正面から、裏から鶴見中尉が侵入し、あべこべに何とか音之進を救います。たまたま月寒あんぱんを食べさせられていた音之進はまさかその鶴見中尉に助けられるとはと喜びます。音之進は海軍ではなく陸軍に進み、当時から鶴見中尉の側近だった尾形と面識があったという訳です

現在に戻り、尾形鯉戸少尉を蹴り倒し、馬で逃走します。杉元は何発も銃を撃ちますが当たらず、元気になって戻ってこい、ぶっ殺してやるからと凄んだところでこの巻は終わります

まとめ

登別温泉界隈で真っ暗な雪山で下駄を履く人間がいたという証言があり、それは都丹庵士の事でした。下駄の音は彼が発する口音で、着ていた服が気になったのも刺青からなのでしょう。都丹庵士は按摩ながら優秀な刺客ですが、八甲田山を庭とする有古の方が一枚上手で、雪崩を起こされ命を落とします

杉元アシリパは利害の一致から今後も共に過ごす事になります。重症の尾形から聞き出したい事があったため、医者に見せますが、あべこべに逃げられてしまいます。この際尾形鯉戸少尉の接点から鯉戸少尉の過去が語られます

鶴見中尉との出会いや、拉致された事、そして救われ何故あんなに鶴見中尉を慕っているのかが分かる回想でした。こういった背景を知る尾形鯉戸少尉の事をボンボンと見下していたのです。目の前で蔑まれ逃げられた鯉戸少尉は悔しかった事でしょう

結局尾形に逃げられ、杉元は必ず殺してやるからなと凄みます…21巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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