前回までのあらすじ
ナナはヤスに諭され、奈々が誰とどんな人生を歩こうと干渉せずに優しく見守る、ヤスがナナにするようにと決意します。タクミはこれからレコーディングがあるので奈々の決意を問い、子供はタクミの子として産んで育てたいと話します
では結婚するかと豪胆なタクミ、奈々が思わず涙ぐみます…
奈々・タクミ結婚の衝撃
ナナが頃合いを見計らって家に帰るとまだタクミはいます。タクミは率直に現状を伝え、お互いスキャンダルの素なので慎重に行動するよう確認します。奈々達は自室に向かうと、当てつけの様に行為を始め、ナナは気がおかしくなりそうです
ナナはイチゴのグラスを誤って落として割ると、ペアのグラスも自分から落とします。ナナはいつの間にかレンのところにいます。トラネスのミーティングでタクミは結婚の話をし皆驚く中、ディレクターの笠井はある意味真理だなと同意します
レイラは飛び出し、シンにヤスの携帯の番号を教えてと言います。レイラはヤスの家に転がり込みます。ナナはノブと電話で話し、グラスが割れてから後の記憶がすっぽり抜けていると言い、改めてイチゴのグラスを買い替えます
明らかにレイラはタクミの唐突な結婚話を聞いて飛び出して行ってしまいましたが、行先が分からずスタッフは慌てます。タクミはレイラからの想いを知りつつも恋愛感情は持てないのです。レンはタクミを諭しますが、タクミはなんで城がデカくなる程窮屈になるんだと吐露します
ヤス伝手でタクミからマネージャーに話が行き、レコーディングの延期と休養を伝えますが、レイラはあたしから歌う場所まで奪わないで！と泣き喚きます。ノブと落ち合ったナナは経緯を話し、記憶が抜けている点を気にしながら、ノブの心の広さを知っているナナは泣いていいぞとノブを抱きしめます
トラネスはレコーディングを再開します
奈々、白金の家賃70万の新居へ
週刊 SEARCHの編集者達はレンとナナの事で大きいスクープにしようと企てています。ナナの地元で様々な悪評を取材し、レコーディングも終わったレンとのツーショットを狙います。ブラストは演奏は絶好調ながら、なかなかデビューの話が進展しません
ヤスは川野と飲み、状況の悪さを悟りつつ、ヤスに負荷が掛かり過ぎないように抱えている荷物を半分持たせてくれと諭します。ノブ宅で奈々の話題から険悪になり、シンとナナは言い合いになり感情の起伏が激しいです
レンから電話が入り、ノブはその事を心配し、レンもナナの携帯が水没している事に気づき、思い当たる事があると納得します。ナナにレンが迎えに来ると告げると、パパラッチの事を気にしてナナは一人帰ろうとしますが、ノブはレンにはおまえが必要なんだよ、自分の事しか考えてねえのはおまえだと諭します
ナナは思い切って久しぶりに家に帰ってみますが、そこには置手紙があり、奈々の部屋はもぬけの殻でした。淳子達は奈々が白金の70万の家賃の家に引っ越した事から話が膨らみ、タクミ＝トラネスのベーシストと合点が行き驚愕します
タクミは新居にナオキを招き、厳重なセキュリティーの中奈々はご馳走を作り接待し、ナオキは二人のラブラブぶりを見て満足して帰ります。タクミは奈々と風呂に入り、奈々が両親に報告を済ませてある事に安堵し、今度親に挨拶に行くと手際が良いです
ナオキは良かれと思ってレイラにタクミの件をメールし、レイラは安眠妨害だと荒れます。シンは事情を知らず久しぶりに奈々に電話を掛け、奈々はもうあの頃には戻れないと涙し、タクミの声がしたためシンも事情を察し、奈々は咄嗟に淳ちゃんと嘘を付き電話を切ります
レンはナナ宅に行き、奈々からの置手紙は別れの手紙じゃなくて熱烈ラブレターだと断言します。アコギを取りに戻ったシンはそのままレイラの下へ行き、「いとしのレイラ」を弾き語りレイラが涙したところでこの巻は終わります
まとめ
今巻あたりから特に週刊誌のスキャンダル絡みの話題が出て来ます。人気ミュージシャンにゴシップはつきものですが、NANAは恋愛ものであると共に音楽ものでもあるので、この辺のバンド事情が巧みに描写されています。スキャンダルすら話題作りに利用しようと考える人もいるくらいなのです
また、特にバンドメンバーに男女がいるとトラブルの素となります。上手く行けばバンド内結婚なんてケースもごく稀にありますが、健全な風通しの良い関係性を保つ為には、特に男女混成バンドでは注意が必要です
ブラストもトラネスもボーカルが女性という事と、更にこの2バンドの人間関係が複雑に絡まっている為、正にタブロイド紙には美味しい局面です。ミリオン連発のトラネス、デビューを控えるブラストとお互い大事な時期ですが、周りの動きは非常に不穏です
奈々はあっさり白金の新居に引っ越し、すっかり新妻が板についています。元々料理は得意なので、家庭向きではあるとは思いますが、恋多き乙女がこんな形で結婚に向けて動き出しているのは、その変遷を考えると読者の皆さんも様々な想いがある事でしょう
奈々は良かれと思って家を出て、ナナへの熱い想いを手紙に残しますが、ナナはなかなか受け入れられません。ナナは感情の起伏が激しかったり、記憶が飛んだりと少し心配な要素もあり、今後どうなっていくのか…10巻ではどんなお話が待っているでしょうか？
おまけ
巻末には特別読切「NAOKI」が載っています。学生時代のナオキ・レン・ヤス・レイラとの馴れ初めが語られ、いずれトラネスとブラストとして世を賑わす前のサクセスストーリーの前日譚として楽しめる読切となっています
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