前回までのあらすじ
幸い珠世達は鬼なため傷口も回復します。愈史郎は炭治郎に視覚を貸してやると札を投げ、これで毬の軌道が読めるようになります
炭治郎は「参ノ型 流流舞い」を放ち、珠世にこの二人は鬼舞辻に近いか確認し、必ず血をとってみせると豪語します…
矢琵羽・朱沙丸連破!
朱沙丸の回復力は尋常ではなく、すぐ新しい腕が生えて来ます。愈史郎は禰豆子と入れ替わって矢印の男(矢琵羽)をやれと炭治郎に指示します。隙の糸が切れ、炭治郎は矢印に引っ張られ、地面に衝突する間際技を放って衝撃を緩和します
禰豆子は朱沙丸の毬を蹴ろうとして右脚を失います。珠世は薬で禰豆子の脚の回復を計ります。矢琵羽の無数の矢印は当たるまで消えず、刀でも斬れません。炭治郎は技の応用を閃き、「ねじれ渦・流流」から「弐ノ型・改 横水車」で矢印を巻き取り矢琵羽の頸を斬ります
ところがこれは相打ちで実は攻撃を喰らっており、今までで一番強い力で引かれるため、次々に技を放って受け身を取らないと体がグチャグチャになります。炭治郎は技の連撃で何とか解放されますが、肋と脚が折れてしまい、疲労で刀も握れません
炭治郎は刀を口で掴み進むど根性を見せます。一方禰豆子は朱沙丸の蹴毬に徐々に順応して逆に蹴り返す程になって来ます。珠世は巧みに「白日の魔香」(自白剤のようなもの)で朱沙丸の本音を吐露させ、体内から腕が湧き出て自身を轢き潰してしまいます
’’呪い’’で体内に残留する鬼舞辻の細胞に肉体を破壊されたのです。朱沙丸の眼球に数字が刻まれていない事から、珠世はこの二人が十二鬼月ではないと感じ、血を採取します。いつしか朝になり、日の光で鬼は消え去り、炭治郎は鬼舞辻が自分を慕う者にすらこの仕打ち…本物の鬼だと感じます
地下室で禰豆子は暗示もあってか鬼の珠世であっても抱き着き、人間だと判断し、本人の意志で守ろうとしたのです。珠世はこの土地を離れると切り出し、禰豆子を預かろうかと提案しますが、禰豆子は炭治郎の手を固く握り、一緒に行く覚悟を見せたので、炭治郎はもう二度と離れ離れにはならないと決意します
恐怖!鼓のカラクリを解け!
次の行先は南南東と指示される中、道すがら女に無理矢理求婚する男(善逸)がいるので引きはがします。彼も最終選別で生き残った鬼殺隊で、炭治郎は何とか善逸を宥め、二人は先を急ぎます。屋敷に行き着き、そこには子供の兄妹がおり、上の兄が連れ去られたと言うので、助けると約束します
善逸は耳が良く、屋敷から鼓の音がすると言い、その音と共に男が傷だらけで放り出され、絶命します。上の兄ではないので、何人も捕まっているようなのです。炭治郎は兄妹に禰豆子の箱を託し、善逸と共に屋敷に入ります
善逸が喚く中、兄弟が箱を置いて中に入って来てしまい、善逸のドンケツで炭治郎が妹(てる子)と部屋に入ると鼓の音がして部屋が変わります。すると屋敷の主と思われる鬼が現れます。善逸と兄が押し問答をしていると、別の部屋で猪頭の半裸の男がいます
炭治郎はわざわざ自ら名乗り、斬りつけますが、鬼が鼓を叩くと部屋が回転してしまいます…これがこの鬼の血鬼術で、屋敷全てが鬼の縄張りなのです。すると先程の猪頭の男が刃こぼれした日輪刀を持って現れ、鼓の回転を炭治郎やてる子を踏みつける事でかわします
猪頭の男は炭治郎を斬りつけると、鬼が三つの獣の爪痕のような形の引き裂きをして来て、猪頭の男は部屋から脱出します。炭治郎は徐々に鼓のカラクリが分かって来ますが、別の部屋に飛ばされ、匂いからこの屋敷には複数の鬼がいると判断します
外に出た善逸と兄が言い争っていると別の鬼が現れ、舌を伸ばし襲って来るため、再度屋敷の中に入ります。あまりの恐怖に善逸は気を失い(寝てしまい)、これまで…というところで善逸は覚醒して鬼の舌を斬ってしまいます
「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃」で鬼の頸を斬ると、意識が戻り先程の臆病な善逸に戻ります。善逸は眠ると強くなるようで、命の危機を前に緊張・恐怖が極限を越えると失神するように眠りに落ちるのです
響凱の背景も理解した上で葬る
一方猪頭の男は三日前から部屋を飛ばされまくっているようで、そこにまた別の鬼が現れたので、「我流 獣の呼吸 参ノ牙 喰い裂き」で鬼を仕留めます。鼓の鬼(響凱)は’’稀血’’を探しており、あれさえ喰えばまた十二鬼月に戻れると漏らします
響凱は以前程人間を喰えなくなり、鬼舞辻に数字を剥奪されていたのです。てる子が上の兄(清)を見つけると、清は寸でのところで鼓を鳴らさず、炭治郎の治療を受けます。清は今までの事情を説明し、鬼達が殺し合いを始めたと言い、たまたま響凱が落とした鼓を叩いたら部屋が変わって何とか今まで凌いだのです
清の事を稀血と言っていたようで、鎹鴉は稀血は貴重で一人で五十~百人分の栄養がある鬼の大好物だと語ります。炭治郎は兄妹に言い聞かせ、鼓を使って逃げ延びるよう伝えると、響凱と対峙します。炭治郎はどの鼓でどのような効果があるか巧みに読み取りますが、あまりの速さに付いて行けません
炭治郎はまだ傷が癒えておらず、ずっと我慢して戦っているのです。炭治郎は鱗滝の言葉を思い出し、水の呼吸は拾種類の型があるのでどんな敵とも戦えると自身を鼓舞しますが、気合だけではどうにもならず、同時に頭も使わなくてはなりません
響凱は物書きで、趣味の鼓で気を紛らしていたのです。「尚速 鼓打ち」で更に鼓を叩く速度が上がりますが、炭治郎は響凱が書いた紙から怪我が痛まない体の動かし方・呼吸の仕方を会得し、更に匂いで爪の攻撃も読めるようになります
「玖ノ型 水流飛沫・乱」で響凱の攻撃を全てかわし、ついには隙の糸を見出し頸を斬ります!響凱の散り際炭治郎は小刀を投げ、血を採取・珠世の使い猫が回収してくれます。響凱は自身の書いた物も血鬼術も炭治郎に認められたと満足して逝きます
炭治郎は清とてる子を連れ外に出ると、猪頭の男が善逸を襲っており、善逸が炭治郎に箱が命より大事なものだって言ってたから守ったよと告げたところでこの巻は終わります
まとめ
鬼滅の刃の秀逸な点は様々な鬼の攻撃方法です。前半では矢琵羽・朱沙丸の矢印と毬の攻撃が冴え、炭治郎・禰豆子は苦戦しますが、炭治郎は得意の分析力が冴え、打開してしまいます。また、他のバトルものと一線を画す点として、ダメージが残るというリアルさも人気の秘訣かと思われます
他のバトルものは天井知らずの能力であったり、こんな攻撃受けたら…というものも平気だったりしますが、鬼滅の刃はあくまで炭治郎も人間であるというようにリアルなダメージを記述し、その痛みを読者に実感させ、感情移入しやすいようにしているのです
後半は響凱の鼓のカラクリを見抜き、彼の背景や悲しみ、血鬼術の凄さも認めた上で勝負を決めます。この辺も単純なバトルものの悪は倒されるべきというワンパターンに敵側の思惑・想いもあるのだよと問題提起しているようで、こちらも鬼滅の刃が人気な点と言えるでしょう
新キャラとして善逸、そして正体不明の猪頭の男も登場し、賑やかになって来た鬼滅の刃、4巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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