前回までのあらすじ
千秋は相変わらず悪夢を繰り返し見て、飛行機・船舶恐怖症も克服できません。のだめは催眠療法について独自に調べ始めます。友人知人総動員し客席も派手に埋まる中、千秋はのだめのために良い席を用意し、彼女席というよりはオレ様の音楽を聴け!と豪胆にキメます…
千秋、飛行機恐怖症を克服!
R☆Sオーケストラの初演では誰も千秋についての予備知識がなく、様々な憶測が飛び交う中、シューマンの<マンフレッド序曲>作品115からスタートします。若さのパワーからか、物凄い迫力に観客は圧倒されます。オケの響きは美しく、掴みはOKというところです
モーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調作品314では黒木が先日のコンクールの雪辱に燃えます。のだめのことを想いながら最高の演奏をした黒木、休憩を挟み観客はそのレベルの高さに酔いしれます。ベルリン管弦楽四重奏団も観に来ており、プロオケ関係者や有名な指導者・評論家等注目度も高いです
ブラームスでは情熱と絶望:対立する2つの旋律と心の傷を見事に表現し、’’悲劇’’から‘’希望と救済’’へ歓喜の歌を完璧に演奏し、ブラボー‼と大喝采を浴びます。のだめはその素晴らしさに涙し、千秋の母に声を掛けます
公演の反響は凄まじく新聞に雑誌、電話の問い合わせ等ひっきりなしです。のだめは懐中時計で千秋に催眠療法を施し、母から聞いた胴体着陸の際亡くなった人が自身のせいではないか…という悔いについて、千秋のせいではなかったのだと諭します
暗示を掛けられ、タイマーで目覚めた千秋は余韻に浸ります。オケの面々は早速再演の機会を伺います。千秋は俊彦を連れて空港に行き、北海道行きの飛行機に乗ります。暗示が効いたのか、ついに千秋は飛行機恐怖症を克服し、カニを買って帰ります
のだめ、コンクール出場
のだめはしばらく留守にすると置手紙を残し、江藤宅で合宿レッスンでコンクールに向けて練習に励みます。のだめは千秋のオケに刺激を受け、マラドーナ・ピアノ・コンクールの賞金と留学の資金援助に惹かれたようです
江藤の妻(かおり)に土産を渡し、合宿レッスンにのだめが臨んでいることを不思議がる千秋、本気になったのなら江藤に任すのもいいかもしれないと結局顔は出さず見守ります。江藤家の夕食でカニが盛大に振舞われ、三善家では千秋が飛行機に乗れたことを祝います
のだめは楽譜通りに弾けず、コンクルって「裏技がある」って本当ですか?と江藤に裏取引について聞きますが、そんな不正は出来ないと一喝されます。のだめはシューベルトに挑戦します。R☆Sオケのリハに清良の師匠(カイ・ドゥーン)が参加します
世界最高峰のオケを率いてきた名コンマスとの演奏で更に刺激を受け、カイの指摘は完璧で、あの千秋や清良を子供扱いする程の百戦錬磨の世界的コンマスなのです。リハ後ミルヒーのことも噂し、カイに欧州に行くつもりか聞かれ、千秋は来年行くと答えます
のだめは千秋や江藤に言われた点を踏まえながら練習に励み、曲の情景が浮かんできます。コンクールの第一次予選でのだめはシューベルトを弾き、多彩な音、表情豊かなフォルテシモに審査員も目の色を変えます。のだめは一次予選を無事通過します
のだめのムラっ気に翻弄される江藤
精鋭揃いのR☆Sオケは絶好調で、オーディションを受けさせてくれという猛者が多数現れます。のだめはバッハの演奏が拙く、江藤は二次予選からは3曲、こっからが勝負やとのだめの技術を前面に押し出した選曲をします。ショパンの演奏は完璧で、鬼気迫る燃えるようなエチュードは人の心を動かすなにかがあると江藤は感じます
二次予選では既に燃え尽きているのかショパンも適当に演奏し、相変わらずムラっ気が酷いですが、オクレールはのだめの演奏をもっと聴きたいと感じます。打ち上げでは坪井はのだめを絶賛し、瀬川といい勝負だと評します
三次予選では表現力の勝負となり、のだめはドビュッシーの「喜びの島」を色鮮やかに演奏し、そのムラっ気が目立ちます。噂の瀬川は抜群の存在感を放ち、安定感もピカ一で完璧な演奏です
オーディションでは高橋が芸能界の誘いを断ってまでコンマスをやりたいと気張り、峰はその間清良はウィーンに行きこいつよりすごいタイトルを2つ3つ取ってまた戻って来いと告げ、自身はこのオケで腕を磨くと約束します。のだめは本選に出場出来ます
のだめは寝ずにシューマンを仕上げ、流石の江藤もこれ程ムラっ気のある生徒を持った経験がないのです。ところがこの覚醒で実はのだめは高熱を出しており、高揚していたからのようで、静養し、夢で瀬川も出て来ます。千秋の母が千秋と一緒にのだめの本戦を観に行くことに決めたところでこの巻は終わります
まとめ
R☆Sオーケストラの初演は大成功に終わり、大反響で評価もうなぎ上り、注目の的となります。各メディアや同業者からも注目を浴びる中、清良の師匠・カイの師事もあり、更に腕に磨きをかけます。オケに参加したい者が続出し、オーディションを開くことにまでなります
峰は清良と付き合っていますが、敢えて清良を突き放しウィーンに行かせ、そちらで賞を引っ提げてまたこのオケに戻って来いと告げます。自身もオケを守るとこういった愛の表現方法もあるのだなと感心しますね
のだめはこのオケに刺激を受け、柄にもなくコンクールに出ることに決めます。千秋は飛行機恐怖症を克服し、のだめも千秋に負けないように頑張る姿は、ライバルや好きな人の存在がその人に良い意味で刺激を与え、互いを高め合っていけると感じさせます
いかんせんのだめはムラっ気が酷く、コンクールの出来も不安定ながら光る物があり、本選まで辿りつけます。付け焼き刃で練習に励み、その天賦の才には観る者を選ぶものの、評価する人もいるでしょう。千秋親子も見守る中、のだめは本選で結果を出せるでしょうか?9巻に続きます…
おまけ
のだめカンタービレを一躍有名にしたのがドラマ版です。イケメン俳優:玉木宏とおっとり女優:上野樹里の抜群の演技でクラシックブームも相まり、一時社会現象となりました。後述しますが続編として映画化もされています
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