前回までのあらすじ
3次予選は持ち時間60分で課題は2曲（くじで選曲）、先行のジャンは才能豊かに最高に魅惑的な音楽を披露します。逆に千秋は苦戦し、同曲でも明暗が別れます。意気消沈する千秋を励ますのだめ、ジャンは千秋のことを認めています
2日目の片平の指揮は独特のジャンプ奏法が軽やかでわかりやすく、観客受けが良く大喝采を浴びます…
千秋、コンクール1位！
オケは次の指揮者が自身の非を認めず、逆に千秋が一旦止めて謝った姿を思い出し、悪いことをしたなと感じます。ファイナリストは思案された結果、ジャン・千秋・片平に決まります。協奏曲のくじを引くことになり、千秋はのだめに引かせチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に決まり千秋の長年の念願が叶います
ヴィエラはジャンから結果を聞き、千秋のことを悟り喜びます。千秋は3次で失敗したティルをリベンジ課題とするつもりです。本選は持ち時間90分で審査員立ち会いのもと非公開のリハーサル後、コンサート形式で3曲を演奏します
オケは一緒なので、前回のミスも踏まえて楽しそうな千秋と意思の疎通もバッチリです。ファイナル・コンサートではまず片平が熱演し盛り上げ、次に千秋が優雅かつ多彩な音楽を披露、大喝采を浴びます。ジャンも善戦しますが、審査員はこのタイプの違う大きな才能がここにきて差がでてしまったと感じます
千秋への評価は非常に高く、「なんとなく」の部分が多すぎるジャンと明暗が別れます。千秋は見事1位を獲得、パーティーではゆうことのだめが張り合う中、ジャンは千秋自身の口でヴィエラに報告して欲しいと告げます。酔ったのだめは千秋に抱き着き、千秋は’’出会ってからいいことづくし’’か…と感じます
「砂漠のプロメテウス作戦」で馬車馬のように働かされ…
コンクール優勝者は1年のプロモーション付きで賞金も高く、皆に羨まれる中、突如黒服に襲われ、実はそれはオリバーで、「砂漠のプロメテウス作戦」でエリーゼの元に連れて行かれます。うちの事務所と契約してもらうと迫り、千秋はキッパリ断ると孫の手でくすぐり地獄の刑に処せられます（笑）
ミルヒーはのだめを見つけ抱き着き、のだめ宅で千秋がヴィエラのところへ行くと言っていたと告げられ嫉妬します。結局千秋はエリーゼの事務所と契約を結び、ミルヒーに付き添って演奏旅行だと言われます。千秋はパリの日本と同名のクラブに呼び出され、そこには豪遊するミルヒーがいます
千秋は翌日からミルヒーと3カ月の演奏旅行に行くことに決まり、夜行列車でスペインに向かいます。その後千秋が女と飲み明かしている写真（無理矢理？）をミルヒーから送られ、のだめは浮気者と怒り心頭です。フランクもターニャも休み明けが試験のため練習に力が入ります
ミルヒーの付き人のような形で我儘に振り回されながら、音楽的才能はやはりずば抜けたものがあり千秋は学ぶものも多いです。のだめはひじきを水に付けすぎ大量にふやかし、ターニャやユンロンとひじきパーティとなります。ユンロン・のだめ・フランクとそれぞれの理由でネガティブモードです
フランクはオクレールに心酔して学校を変えたのに担当にならなかったことを根に持っており、のだめがオクレール担当なことに憤慨します。千秋から生存確認の電話があり、例の写真からのだめも根に持っています
のだめは練習に励むとゆうこから電話があり、ミルヒーの急病で千秋が上海で代理指揮をしたことについて語られ、早速ネットニュース速報にもあり、中国の若手スターピアニスト・孫Ruiと共演したということで唖然とします
理論・技巧には無縁ののだめ、大苦戦
のだめはおじいさんのナンパに遭い、ユンロンはフランス人だからだ、外国人の若い女は狙われやすいと一喝します。ユンロンは孫Ruiの演奏ビデオを観せ、10歳から世界で演奏活動しているそのスター性にのだめも圧倒されます
千秋は孫Ruiに付き添いジュエリーショップでのだめへの土産にネックレスを買い、孫Ruiは男が女にジュエリーを贈るのって独占欲の現れじゃない？とからかいます。のだめは今度は切干大根を戻しているというので、ユンロンとレストランに行き大食いするとお金がないことに気づきます
のだめはお客に事情を話すとピアノを弾いてくれと頼まれ、先程のビデオの影響でか難曲を超絶技巧で弾き、場をわきまえろと店主が現れます。彼は元プロのオペラ歌手だったようで、伴奏を頼まれますが、初見曲に弱いのだめ、逆に初見に強いユンロンが替わりに弾き、ユンロンも自信をつけピアノは「愛」だと語りのだめは気落ちします
のだめは今日から学校だというのに何の準備もしておらず、ターニャたちに急かされ何とか学校に赴きます。アナリーゼでは曲の分析を行い、非常にレベルの高い考察にのだめは全く付いて行けず3時間後には抜け殻状態です。更にデュマ先生とのレッスンでは初見演奏に大苦戦します
ついにオクレールの師事を仰ぎ、好きな曲で良いと言われ、のだめは超絶技巧練習曲を弾きまくりますが、全然ダメと言われます。特技を見せろと言ったわけじゃないと言うオクレールに、そういった難しい曲が弾ける子は今はたくさんいるから、君はなにしに来たの？と言われ愕然とするところでこの巻は終わります
まとめ
欧州留学した二人の明暗が別れる巻でした。千秋はその才能を如何なく発揮し、コンクールで1位となり世界が変わります。その実力が証明され、1年のプロモーションと賞金まで手にしたのですが、早速エリーゼの事務所に契約を迫られ、そのままミルヒーと3カ月の演奏旅行に連れて行かれます
ミルヒーは人として???な部分は多いものの、その音楽的才能に間違いはなく、千秋は学ぶものも多いです。超新星・孫Ruiとも共演を果たし、正に順風満帆です。対してのだめは千秋の成功（＋女との写真）に嫉妬しつつ、本業の学校では全く付いて行けずそのレベルの高さに愕然とします
のだめは本能・感覚で弾く天才肌、理論や技巧といったものとは無縁のため他の学生のレベルに付いて行けず、のだめを推薦したオクレールもそういったものには期待しておらず、何しにきたの？と言う程です。のだめは長所を活かし生き残ることが出来るのでしょうか？12巻に続きます…
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