前回までのあらすじ
千秋はここが今のオレの居場所だとし、親父を早く見返したかったのは本当だけど、そんなことのためにここにいるんじゃない、コンマスの夢かーと気張り、三善家の母宛に今の部屋を出ることにしたとメールを送り驚かれます…
千秋の引っ越し
のだめはランベールからサロンコンサートを提案され喜びます。ところが千秋は早々に次の部屋を決めてしまい、のだめはいきなりのことで嫌いになったのか?と気落ちします。誤解を解き、この部屋は小さい頃家族で住んでいた部屋のため、オレも自立できるならするべきだと思ったと語り、のだめも納得します
最後の晩餐だと大袈裟なのだめは4年続いた「突撃!隣の晩ごはん」が長寿番組だったのにと嘆きますが、いつでも会いに来れると説得され、千秋のシャツの匂いを狙うのだめは相変わらず変態的です(笑)引っ越しすると、唐突に母が現れます
千秋とのだめの仲を心配する母(征子)ですが、千秋は別に…と素っ気ないです。Ruiは独力でオクレールの個人レッスンを取りつけ、フランクは愕然とします。征子やアパルトマンの面々で千秋の引っ越しパーティーを開き、遅れて来たのだめはサロンコンサートの練習で3日風呂に入っていません
ユンロンとターニャは「バルデス国際コンクール」に出ると宣言し、征子はアパルトマンの幽霊学生・ヤドヴィカを呼び出すと、作曲したというテルミン(ロシア発の電子楽器)の曲を初見得意なフランクと演奏し、高評価を得ます
千秋はテオを狩りだし引越しし、征子は千秋の部屋をのだめに託し、千秋にのだめはあなたの天使なんだからうまくやりなさいよと諭します
結局ピアノしかないRui
Ruiはその音楽的才能を如何なく発揮し理論から初見レッスンまで音楽漬けの毎日を送ります。オクレールの家に招待されますが、Ruiは音楽にしか興味がないのか調理に疎く、煮豚も満足に切れません。Ruiはフランスでは指揮者のことを’’シェフ’’とも言う、料理も音楽と同じと言われ、音楽自体の話がなかなかされないためのだめのレッスンを聴講します
のだめには熱心にレッスンしているように見え、Ruiはわたしにはいい加減なレッスンをして…と怒ります。家に帰ると母が来ており、のだめ同様Ruiも私生活はだらしなく、母の得意なサラダ巻きを一緒に食べます。母はコンサートの出演依頼がいっぱい来ていると言いますが、Ruiは乗り気ではありません
Ruiはささやかな恋もしていたようですが、やはり彼女にはピアノしかなく、パリにまで来てなんでまたピアノを弾いてるんだろう…と嘆きます。母がしつこいので、Ruiは本当はママがピアニストに、「孫Rui」になりたかったんでしょ⁉と本音を言ってしまいます
千秋はマルレ・オケのリハに励み、オケの雰囲気も良く最近の公演もうまくいっており、今シーズンいい結果を出せれば…と思案しているとRuiから連絡があり、食事をすることになります。Ruiはのだめの演奏を聴いてしまったからピアノから離れられないと感じます
料理もできる千秋に自身の演奏について聞くと、例の共演の際お互い助けられたと同意見でRuiは胸キュンし、焦がれますが千秋の眼中にはないことを悟り、自宅に帰り母が眠る中モーツァルトを弾きます。翌朝満足した母にRuiは公演に出ても良いが、パリのオーケストラで指揮者は千秋が良いと話します
<2つの伝説>・完
巨匠でライバルでもあったリッピが急死し、流石のミルヒーも動揺し寝込みます。千秋にエリーゼから連絡があり、半年後Ruiとウィルトールオケで共演しないか?とオファーが届き千秋は即決します。契約の関係でデシャンとR管以外はOKということで、客演として呼んで貰えてシモンはマルレの常任としてしっかりやってきてくれよと託します
のだめのサロンコンサートの日、千秋は移動中地下鉄のストライキに遭い遅れる中、バス車内でヴィエラと出くわします。13年振りの再会で、千秋の現状についても良く知っており、これからリハだけど来る?と誘われ、千秋は迷わずヴィエラを選びます
のだめはバッハを情熱的に速弾きし、メンデルスゾーンは本当に歌っているみたいな演奏、ショパンでは次々に転調しオクレールに’’なんか君みたい’’と言われたことを思い出します。休憩時間で千秋が来れないことを知りますが、のだめは動揺せず、集中できています
観客はのだめの不思議な魅力に魅了され、リストではのだめの背中ホックが開く中(笑)、イサークで締め大喝采を浴びます。オクレールが先生だと知り婦人たちは余計なこと言わない方がいいと納得します。のだめは敢えて終電で帰ると車は断り、一人になるとサン・マロとパリで<2つの伝説>が終わったと駆け出すところでこの巻は終わります
まとめ
Ruiは自由を手に入れたくて音楽活動を停止しコンヴァト留学と称しささやかな恋もしますが、やはり彼女にはピアノしかないのです…彼女のように音楽に身を捧げる人は、普通の人生を送る人には到底成しえない素晴らしい経験ができるのでしょうが、ささやかな幸せは手に入らないのかもしれません
音楽家は聴いてくれる人がいないと成り立たない訳ですが、一番身近な存在が母だというのは、音楽家の一番のファンでいてくれて、支えてくれるのは家族なのだということが窺い知れます。これはスポーツ選手なんかにも言えることでしょう
千秋はのだめのサロンコンサートに行くはずが、偶然ヴィエラと劇的に再開し、彼のリハに急遽行くことになります。のだめはコンサート休憩中にそのことを知りますが、動揺せず毅然と弾き切り、公演後荒れますが少し成長した姿を見せます…19巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
のだめカンタービレは2023年に初舞台化され、のだめ役はやはり上野樹里以外あり得ませんでした。また、シュトレーゼマン役も竹中直人が引き継ぎ、音楽を上野樹里の夫であるTRICERATOPSの和田唱が手掛けるというファンには嬉しい内容となっています
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