前回までのあらすじ
合宿3日目、相変わらず烏野は負け続きですが、木兎のスパイクを月島が’’キル・ブロック’’に行き、咄嗟のフェイントで加点しますが、猫又はそれを見て厄介な雛鳥が殻を破り始めたかな?と感じ、見つめ合う日向と月島がそっぽを向きます…
負け続きでも前進し続ける烏野
合宿3日目、皆バテつつも少しずつミスも減って来ており成長が伺えます。しかし日向‐影山の例の速攻は未だ上手くいきません。フラストレーションが溜まる一方の日向に気持ち良く打たせる為のトスを上げると日向は見抜き手エ抜いたな‼と迫ります
無意識に妥協したと悟った影山は及川の意図を知り迷いがなくなります。烏養はしばらく新しい速攻は封印しようと提案、相変わらず二人は揉めますが、谷地には日向にこそ’’王冠’’が見えた気がして、新しい速攻が見たいなあと告げ、当然だと変人コンビ再起動です
練習後の自主練で3対3をやる事になり、ネコチーム:約190cm(月島・灰羽・黒尾)VSフクロウチーム:約177cm(赤葦・木兎・日向)とバランスが悪いです。月島はちゃんと止まって上へ跳ぶと日向をドシャットします
練習ではだいぶ競りますが負け続きの烏野、親切な黒尾は「ゴミ捨て場の決戦」を実現したいと語ります。例の自主練では木兎がワザとブロックに当てる「リバウンド」を披露します。日向相手にまるで傘のような圧倒的ブロックの中、日向は隙を見つけ天井に向かって打ちブロックアウトを誘います
成長する日向に木兎は必殺技を伝授します。合宿最終日、通算成績は梟谷がトップの50勝を上げ、烏野は僅かに3勝です。罰を熟す姿に異様な貫禄すらあります。そこで澤村が練習試合全部終わったら監督達のオゴリでBBQらしいと告げ、皆やる気アップです
梟谷との最後の試合、成長を感じさせる烏野は日向が木兎から教わった必殺技:フェイントで加点します。スパイクにはスパイクの、フェイントにはフェイントの良さがある事を日向は実感します
新速攻初めて決まる!
烏野の最も高いブロックのローテで木兎は超インナースパイクを放ち加点、敵味方関係なく士気を高めてしまう選手なのです。影山は絶好調で、今なら新しい速攻が使えるかもしれないと感じます。日向は助走から誘い、迷った影山はついに例の速攻を出し、日向はボールをしっかり見て打ち切り加点します
ついに新速攻が決まった2人、歯車が嚙み合います。打点で止めるという神ワザにもう一回と日向は燃えます。パッと見いつもの変人速攻との違いが分かりづらいですが、烏養は空中で日向の選択肢が増えるとし、その可能性に身震いします。ただまだ完璧ではなく失敗も多いです
更に西谷のトスから旭のバックアタック、そして1stテンポの同時多発位置差攻撃から田中が決めその伸びしろが凄いです。気張る木兎がスパイクミスしついに20‐19と初めてリードを奪います。木兎は「しょぼくれモード」に入り意欲低下、畳み掛けるチャンスです
ところがこれで崩れないのが梟谷の強さなのです。エースの不調に振り回されない総合力でいつしかマッチポイントです。ここで月島のドシャットが決まり1点差に追い上げます。しかしそろそろ木兎のそわそわし出す頃と見抜き華はエースに持たせやはり梟谷の勝利です
春高予選編開幕
木兎の波を理解しつつ総合力の高い梟谷は隙が無い良いチームです。旭は最後のサーブを護りに入ってしまったと謝り、烏養は’’勝ちに行くサーブ’’打とうとする奴を非難する者等いないと擁護します。武田は’’色’’は混ぜると濁って汚くなるが、最後はどの色にも負けない黒になる、’’烏’’らしく黒のチームになって下さいと激励します
春高予選はIHと異なり8月の一次予選で8校に絞られ、そこにシード8校を加えた16校で10月に代表決定戦を行い、全国に行けるのは1校だけです。無事合宿も終わり、念願のBBQとなります。西谷・田中・虎は清水包囲網を敷き近づこうとする男子を寄せ付けません(笑)
谷地も巨漢男子に囲まれる中、女子マネの花園のような異空間を男子は羨みます。全国’’3本の指’’と言われるエースは東北の’’ウシワカ’’・九州の’’キリュウ・関東の’’サクサ’’が全国高校3大エースなのです。武田は猫又に礼を言い、半年後には今と同じチームは1つも存在しないと高校バレーの奥深さを諭されます
夏休み合宿遠征全日程終了し、いよいよ春高予選編開幕です。予選2回勝てば10月の代表決定戦に進出出来、烏野は1回戦免除です。山口がジャンプフローターを、日向・影山が新速攻をそれぞれ気張る中、月島は兄と久しぶりに腹を割って話し、兄がバレーに未だ燃えている事を悟り喜びます
月島の190cmの身長は才能で武器だと褒められる中、他校では何と201cmの選手が打倒烏野を誓い、いよいよ春高一次予選当日を迎えたところでこの巻は終わります
まとめ
関東の強豪校に無名の烏野が混ぜて貰う形で明らかに格上相手の練習試合は3勝しか出来なかった烏野が惨めのようではありますが、得たものも非常に多く、充実した合宿となりました。影山と一時険悪になった日向ですが、ついに新速攻が決まり、見える景色も違います。これが完璧に使い分けられれば烏野は更に強さを増すでしょう
西谷のトスやシンクロ攻撃等も試しつつ、心折れそうになっても踏ん張った烏野は確実に実力を上げました。是非黒尾が語っていた「ゴミ捨て場の決戦」を全国の舞台で実現して欲しいものです
宮城県の春高予選はIHのトーナメントとは異なり一次予選で2回勝てれば8校に残れ、シードの8校との決勝トーナメントに進めます(烏野はIH3回戦進出の実績から1回戦は免除です)バレーの春高は野球の甲子園、バスケのウインターカップ、ラグビーの花園と並ぶ晴れ舞台です
数多の強豪を退け、今回の合宿で凌ぎを削った全国区の強豪と再びまみえる為にも、打倒城西・白鳥沢を誓う中、未だ見ぬ未知の高校もいるようです…12巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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