前回までのあらすじ
哲雄は上手くトイレに入り歌仙に連絡、歌仙は「証拠セット」も所持しており、上手くいったら週末旅行に3人で行こうと話します
ここで竹田に哲雄が巧妙に作ったメールを歌仙が送り混乱、竹田と二人きりで話すチャンスが訪れます。金の事を聞かれ、哲雄は心を鬼にして「以前…大きい金が入った事があるって…」と嘘を付き恭一を殺すと決意します…

完璧にハメられた恭一
哲雄の父は警察官で、玉突き事故で両親共に失ったもののその存在を今でも誇りに思っています。竹田に一年半前だと言っていたと更に付け加え、金庫近辺が怪しいとし竹田は困惑します。車内に戻り恭一と哲雄の言い分が食い違い竹田は恭一の部屋を部下に探らせ大金が出てきます!
現金輸送車の金かを調べさせて貰うと恭一宅に全員で向かう事になります。窪も加わりこれで恭一か哲雄のどっちかを延人殺しの犯人に仕立て上げると言います。早速部屋の金庫を開けさせ、大金は番号を照会するまでもなく一致しません。すると金庫の奥に紙袋が見つかります…
恭一が荒れる中完全にハメられており、中を確認すると骨が入っているのです!歯型から延人と一致し、一緒に入っていたタブレット端末から偽延人映像のマスターデータすら出てきます。窪とは信頼がある恭一は決めつけている竹田より話が出来ると弁明しますが、金庫の紙袋の件はどうあがいても事実です
映像で紙袋が最初から金庫に入っていた事を確認し、恭一は完全にハメられます
鳥栖夫婦の巧みな連携プレイ
窪は失望し去り、麻取の元に映像と恭一の死体を届けろと言い、哲雄は無罪放免となり、歌仙に全て終わったとメールします。実は恭一の金庫に紙袋を仕掛けたのは歌仙で大仕事をこなしていたのです!22日(金)午前2時半頃(例の最後の晩餐の2時間後)歌仙は巧みに恭一宅に侵入します
避難はしごで下り蹴破り戸も何とか突破し何と窓の鍵は開いており出来るだけ早く撤収しなければなりません。金庫を見つけ、ここでALSライトが役に立ちます。テンキーの四桁は0・3・6・8と特定出来、あとは組み合わせです。3回連続で間違うと押せなくなり、調べると10分間のペナルティーがあります
10分後賭けで8036で勝負すると開き、歌仙は金庫の奥に紙袋を仕掛けたのでした。加えて哲雄も恭一の部屋の密室状態を解く必要があったので、隙を作る為に泣いた際に見せた恭一の表情から食事を作らせる突破口を見出し、恭一の過去をえぐる事でそれすら利用し窓の鍵をそっと開けたのです!
押さえつけられた恭一は足掻き暴れ脱出、何と上階へ向かい、行き止まりで投げられ腹の傷口が開くものの窓から脱出、歌仙が辿ったルートで自室に戻り(侵入の痕跡も見つけます)、別に隠していた金を回収し竹田が1階に追い込むと何と恭一は上の階から金をばら撒き現場は大混乱です
麻取に痕跡が見つけられ…
変装し現場を脱出した恭一はサラリーマンの言葉から哲雄の鍵開けトリックに気付き、とんでもねえ夫婦だなと驚愕します。更にALSライトを使われた事も悟り、恭一は賭けである人物に電話します。零花だと思われた中、掛けたのは実は麻取で、哲雄が真犯人だと今までの経緯を説明します
筋は通っているものの判断するのは僕で窪に犯人の家族は殺して貰うと麻取、話が通じず恭一はスマホを投げ捨て、麻取は発狂し直ぐいつもの顔に戻ります。恭一は取り合えず群馬に逃げます。窪の報告を受け哲雄=バーで隣同士になった男と納得した麻取はALSライト買って来てと頼みます
哲雄が零花宅で休んでいると麻取が侵入してきて、再度クローゼットに隠れます。浴槽は奇麗に拭き取っていたものの、トイレに飛沫があり、そのまま部屋の中に血痕跡を見つけ麻取は号泣します。哲雄は観念して「僕がやりました…」と土下座します
哲雄を警戒する麻取は哲雄の頭の傷を確認すると窪に哲雄の家族を殺すように言うと電話を掛けます。哲雄は必死に飛びつき、麻取は催涙スプレーを噴射、目をやられますが哲雄の「直前の意志」に従った蹴りが決まります。スマホは飛び上がり、ピッキングをした男が外でパトカーを見掛け不審がるところでこの巻は終わります
まとめ
哲雄の完璧な芝居と歌仙の協力により疑心暗鬼になっていた竹田や窪も状況から犯人は恭一と認めざるを得ず、完璧にハメられた恭一が不憫です。家族を想う哲雄の物語なので、この辺複雑ですがどうしても主人公側に同情してしまうのが常、冷徹ながら甘さがあった恭一の負けです
金庫のトリックは鳥栖夫婦の完璧な連携がなければ成し得なかった事だけに、この夫婦の強い絆と零花を守るという意志が感じられます。善悪はともかく、一人娘を想う両親の例え人殺ししても、冤罪を仕掛けようとも守り抜くという確固たる意志には驚かされます
哲雄は無罪放免となり一連の騒動から解放されますが、恭一は足掻き逃走、麻取に直接電話し真犯人は哲雄だと告げて群馬に逃げます。麻取についに現場の血痕を見つけられ、観念した哲雄でしたが、一縷の望みを託し抵抗、麻取が所持していたのは銃ではなく催涙スプレーという事もあり揉み合いとなります
延人殺しの真犯人と対峙しあの麻取がこのまま黙っている訳もなく絶体絶命の哲雄、打開策はあるのでしょうか?6巻に続きます…
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