「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」2巻の数々の激戦と成長譚~カプチュランカでの一騒動も裏でベーネミュンデ侯爵夫人の魔の手が…打開したラインハルト、更なる出世へ邁進!トラバース法でユリアンがヤンの被保護者に~

  1. 前回までのあらすじ
  2. カプチュランカでラインハルトを亡き者にしようと…
  3. 6倍の敵を各個撃破!
  4. ユリアン、戦災孤児育英トラバース法でヤンの被保護者に
  5. まとめ
前回までのあらすじ

下宿先で軍服も良く似合う2人、軍人となり最初の配属先は軍病院事務課で腐敗しています。早速最前線に配置転換を希望し、の寵愛からの配慮でしたが納得の行かないラインハルトは敢えて死地に飛び込み、イゼルローン要塞から更に8光年先、雪と氷の惑星カプチュランカに赴きます…

カプチュランカでラインハルトを亡き者にしようと…

極寒のカプチュランカでフーゲンベルヒ伍長がBⅢ基地まで案内しラインハルトが帝国にはびこる腐敗を一掃してやると豪語、彼を見直します。司令官ヘルダー大佐に挨拶し、俗物だと蔑み、フーゲンベルヒは酒を飲もうと誘いますがラインハルトは未成年だから…とコーヒーをご馳走になります

ラインハルトを気に入ったフーゲンベルヒですが、無情にもヘルダーは彼にラインハルトを殺させる腹積もりです。初任務として6~700キロ先の山間部にある同盟の拠点の情報収集を指令され、辺境の基地では食料もなく腐りきった現状に上層部に告発してくれる!と激昂します

最新型機動装甲車パンツァーⅣ寒冷地用カスタムで準備に余念のない2人でしたが、フーゲンベルヒヘルダーに弱みを突かれ装甲車に細工をします。貴重な鉱物資源が眠るカプチュランカは「宝を奴らに渡してなるものか‼」と低次元の動機で同盟と争っているのです

出発してしばらくしキルヒアイスはエネルギー残量がほぼなくなっている事に気付きます。基地から500キロの地点で停止、絶対に生き延びるとラインハルトは装甲車を雪で覆い中でアンネローゼの事を想いながら静かに時を待ちます。オーディンにはこの事態を意図的に招いた元凶がいるようです

敵が来た!とラインハルトは喜び、戦ってエネルギーと食料を奪う算段です

6倍の敵を各個撃破!

武器まで減らされており装甲車3台を相手するのは不可能、しかしラインハルトは明晰で作戦を考案します。ミサイルを撃つような汚れ仕事は私が…とキルヒアイスラインハルトは2人で手に入れるのだと一緒に撃ち一心同体でまず1台片付けます

敵は4人ずつ分かれた為4対2となりキルヒアイスの囮からラインハルトがつららで1人屠り、射撃が正確なキルヒアイスが2人撃ち残った1人に撃たれそうになるところをラインハルトが助けます。これで1隊やっつけ残りを医療用の液体酸素ボンベを上空で打ち抜き一気に凍らせ2隊目も殲滅です

ものの3時間で6倍の敵を片付けてしまうラインハルトキルヒアイスも降参です。食糧レーションも手に入れ装甲車2台を鹵獲し敵基地の位置データも入手、戦果は十分ですがラインハルトはこの境遇を招いた元凶を引きずり出してやると凄みます

通信が入りヘルダーフーゲンベルヒと現場に向かい、侯爵夫人には何とかお願いしてみようと言うヘルダーは何か考えています。フーゲンベルヒが詫び黒幕を明かそうとするとヘルダーに殺され、ラインハルトを殺せば中央に行けるとヘルダーは銃口を向けます

ユリアン、戦災孤児育英トラバース法でヤンの被保護者に

あの売女ばいたもすぐに送ってやるから先にヴァルハラで待つがいい金髪の孺子こぞうと蔑むとキルヒアイスの装甲車が出現、ヘルダーは一瞬で藻屑と消えます。後日今回の功績で2人は階級を上げ、ヘルダー達は哨戒中の行方不明と処理されます

帰国し後宮でアンネローゼに会える2人、太陽の様な彼女は変わらずで、執事のコルヴィッツベーネミュンデ侯爵夫人が命を狙っていると忠告し、姉上に傷ひとつでもつけたら地の果てまで追って殺すと脅します。キルヒアイスを評価するアンネローゼは頼れる人が彼しかおらず託します

2人は次の任地へ赴きますが、アンネローゼの口添えもあり2人が違う任地に離れる事はありませんでした。ラインハルトを救う為にも宇宙を手に入れると志高いです

一方同盟首都星ハイネセンではユリアンが養父となるヤンと出会います。ユリアンは親族にたらい回しにされその後施設に入り、戦災孤児育英トラバース法でヤン大佐の元に赴きます。捨て猫を見つけ半ばヤケクソで士官官舎に向かうと、そこはゴミ屋敷で温和なヤンがいます

こうしてユリアンは晴れて養父ヤンの被保護者となり、むしろ師と弟子に近い関係です。この時代の2人の主人公「戦争の天才ラインハルト」と「魔術師ヤン」の戦いを通してユリアンは学んで成長していく事になります。元帥と呼ばれ、あのゴミ屋敷を整頓上手なユリアンは奇麗に整理してしまいます!

更に紅茶の淹れ方が上手いユリアンは絶賛され、翌日ヤンは統合作戦本部ビルへ赴きイゼルローン要塞に出兵の動きありです。キャゼルヌは事務系で非常に優秀な先輩で、給料分は働くと言うヤンに今度こそ勝って貰わんと困ると諭すと、ヤンは恐らく我が軍はまた負けるでしょうねと現実的なところでこの巻は終わります

まとめ

美貌や若さ、出世は妬みの対象ともなります。ラインハルトの場合皇帝の寵愛を独占し様々な場面で陰口や嫌がらせに遭います。特に皇帝の寵愛を盗まれたと逆恨みする後程出て来るベーネミュンデ侯爵夫人の嫉妬は苛烈で、その魔の手はラインハルトにも及びます

カプチュランカの一連の騒動も陰で彼女が暗躍したようで、まだまだラインハルトの周りは敵だらけです。そんな中キルヒアイスという相棒と共にこの困難で狭き道を一点突破するラインハルトの光は強烈で、非常に眩しい輝きには惹かれる部分が多くあります

帝国は現段階では腐敗した貴族社会で、ラインハルトがどう改革していくか良く覚えておきましょう。一方エル・ファシルの英雄ヤンの元にひょっこり現れたユリアン、こちらも良き相棒として養父と子というより師と弟子の様な2人の関係性が清々しいです

非常に生活力のあるユリアン特に整頓と紅茶の淹れ方に定評があり2人は意気投合します。この物語の主人公はラインハルトヤンなので、各々優秀な相棒がいる事が共通項となります…今後その関係性がどう変わっていくかも注視して欲しいです

難攻不落のイゼルローン要塞へ再出兵する予定の同盟ですが、キャゼルヌに勝てないとヤンは後ろ向きです…ヤンの才能の片鱗がまだ見えない為、その根拠がどこから来るものなのか興味深いですね!3巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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