「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」12巻の数々の激戦と成長譚~メルカッツ自由な手腕発揮出来ず…ブラウンシュバイク、ヴェスターラントへ核攻撃の愚行!この件からラインハルトとキルヒアイスの鉄の結束にひびが生じ…~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 自由な手腕を振るえないメルカッツ
  3. 術中にハマり瀕死の賊軍の最後っ屁=ヴェスターラントに核攻撃
  4. ブラウンシュバイクの死で賊軍降伏も…
  5. まとめ
前回までのあらすじ

旗艦オストマルクを発見し、急進しますが盾艦の誘爆で逃げられ、リッテンハイムはその先にいた味方補給艦を皆殺しにし、兵達の忠誠心と戦意を失います。結局ガルミッシュに逃げ込めたのは3000隻に満たず、キルヒアイスは「辺境の王」と呼ばれその勝利を喜ばれます…

自由な手腕を振るえないメルカッツ

キルヒアイスが予見したように、リッテン~ラウディッツ中佐にパウルス一等兵の死体を投げられ、ゼッフル粒子散布内でサビーネが発砲、彼等は藻屑と消えます。ルビンスキーキルヒアイスの功績が大き過ぎると説き、ローエングラム候の覇道と彼の王道の衝突こそフェザーンの漁夫の利です

当のラインハルトオーベルシュタインの心配を他所に却って張り合っておりガイエスブルクを墜とす気です。シャンタウ星域でロイエンタールは賊軍に遭遇、それはフレーゲルで罵って来るので彼は見た事のない陣形で翻弄、その戦術は教科書にもない全く新しいものです

ところがこれを看破するのはフレーゲルのそれではなく老練なメルカッツのものだと気付いたロイエンタールは敢えて退きラインハルトに託し、この敗北は候の役に立つとします。全宇宙で俺に勝ちうる用兵家の一人だと…ラインハルト宿題メルカッツを押し付けたなと笑います

オーベル~メルカッツに自由な手腕を振るわれたら厄介と感じますが、ラインハルトはそうはならないと見抜き、事実賊軍はフレーゲルの勝利に沸いており、統一性に欠けます。ラインハルトは通信で煽り、ミッターマイヤーが挑発、メルカッツの禁止命令を破りフレーゲル達は撃って出てしまいます

術中にハマり瀕死の賊軍の最後っ屁=ヴェスターラントに核攻撃

ミッターマイヤーはワザと通信を傍受させ臆していると見せかけ賊軍は増長し連戦連勝だと意気上がります。メルカッツは軍規を持って処断するとしますがブラウンシュバイクが勝利を確信、フレーゲルメルカッツに貴族が行う戦争を勝利に導くだけで良いと辛辣です

再度ミッターマイヤーが進軍、ブラウン~エリザベートを総大将として勝利したいと撃って出ます。ファーレンハイトラインハルトと戦ってみたくて敢えて賊軍に付いたとし、兵をおもんばかメルカッツに付いていくと律儀です。ミッターマイヤーはじりじり後退し、流石にフレーゲルメルカッツに密かに連絡します

賊軍の艦列は間延びし、ここからミッターマイヤーが反転攻撃、ロイエンタールに加えケンプ・メックリンガー・ミュラー・ビッテンフェルトが両側面から叩きつけます!時間差で退路を次々と襲い掛かり、ラインハルトブラウン~を連れて来れた者は一兵卒でも提督に昇進させてやると豪胆です

完全に術中にハマり、ブラウン~は頼みの盾艦で時間稼ぎも最早逃げ道なく、一貫の終わりと見えた中フレーゲルのヘルプからメルカッツ・ファーレンハイトが現れこの窮地を救います。ベルリンは被弾しエリザベートは戦死もあと一歩のところで横撃が厳しくブラウン~を逃します

帰還後メルカッツに怒るブラウン~彼は精神面の病人なのだとメルカッツは悟っています。辺境ではキルヒアイスがほぼ全て平定し、ヴェスターラントではシャイド男爵が民衆に襲われ、怒ったブラウン~は核を落とせと凶行に出て、ケッセルリンクはフェザーンも協力すると狡猾です

ブラウンシュバイクの死で賊軍降伏も…

その情報を手にしたラインハルトは止める様指示しかけますが、オーベル~はそのまま核を落とさせるべきだと進言します。200万人もの人民と内戦での死者を天秤に掛け、ラインハルトは怒りミッターマイヤーを差し向け敵の蛮行を阻止せよと指示します

ところが別動隊がおり核が落ちオーベル~の描いた絵の通りとなり、これはケッセルリンクの手でアンスバッハは手際が良すぎると銃を向け、ブラウン~に忠誠を誓います。オーベル~の予測通りこの惨劇は拡散し民心は加速度的に旧体制から離れ始め、要塞から離脱艦も相次ぎます

キルヒアイスはある兵士からラインハルトが政治的な宣伝の為にヴェスターラントを見殺しにしたと言われ、直接真意を確かめると緘口令を敷きます。最早自決しか道のないメルカッツシュナイダーは巧みに止めヤンを頼りに亡命しましょうと持ち掛け、メルカッツは同意します

手の無い賊軍はブラウン~の毒殺をもって降伏とし、アンスバッハラインハルト殺害を約束、フレーゲルに毒ワインを飲まされ2人は毒死します。全ては終わり、武勲が巨大過ぎるキルヒアイスも帰還、ラインハルトに例の核の件を持ち出しオーベル~の差し金だと悟ります

キルヒアイスの諭しにお説教は沢山だと怒り、ラインハルトはお前はいったい俺のなんだ?と問い私は閣下の忠実な部下ですとなにか目に見えない貴重なものが音もなくひび割れた事を2人共悟ったところでこの巻は終わります

まとめ

ラインハルト達に唯一対抗出来るメルカッツは自由な手腕を発揮する裁量を与えられず、宝の持ち腐れとなります。ブラウン~フレーゲルの勢いもあり勘違いしミッターマイヤーを深追いしますがこれはラインハルトの仕組んだ巧妙な罠だったのです…退路に続々と提督が現れ逃げ道はありません

この窮地をメルカッツに救われますが、最早賊軍はバラバラ、ここでブラウン~はヴェスターラントに核攻撃という暴挙に出ます。この情報を掴んでいたオーベル~は事態を悪用しようと敢えて見過ごす様進言、ラインハルトは応じませんでしたが、結果的に彼の描いた絵の通り事は進み賊軍の敗退を決定づけます

200万人の命と戦争が長引く事での戦死者を天秤に掛ける…非常に重い命題ですが、冷徹なオーベル~や狡猾なフェザーンの思惑も相まり、ラインハルトは血に手を染めてしまいます。当然王道を行くキルヒアイスラインハルトを問い詰めますが、ラインハルトの逆鱗に触れてしまうのです

今まで良き相棒として苦楽を共にしてきた2人の友情にひびが入ってしまいます…そして続巻では思いもしない悲劇が待っているのが銀英伝をより有名とし賛否両論別れる顛末となるのです。心して13巻をお読み下さい…

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