前回までのあらすじ
朱音はその高みに達し一剣は”消える”のその先に至るかと恐れ入ります。ひかるは朱音の消える高座に圧倒的な阿良川あかねが帰って来たと感じ、からしは正明が言っていた言葉の逆だがこの客席の空気を説明出来ねぇ、可楽杯の時から進化してやがると理解に及びません
自分を押し付ける事もなく聞き手の呼吸に合わせた程よい表現、負荷なく深く誘われる想像の世界=夢うつつで噺に入り込む更に奥、日常から解き放たれ噺に浸る心地良さで噺への誘いその一点のみ大看板すら並び得ると客席は阿良川あかねが紡ぐ安らぎの中におり、TVを見て一生がほくそ笑みます…
朱音瑞雲大賞優勝
正明は吝い屋は小噺を連ねた滑稽噺で移り変わる情景を気安く楽しめる噺に適した語り口ー作品性を高めるとは濾し澄ます事で…時には表現者としての我すら捨て去り噺に徹する、雑味を抜く全てはー噺の良さを引き出す為、ようやく落語だけになれましたの言に違わぬ…ですかと得心します
朱音絶賛を浴び正明は…貴方自身も極意を掴んだようですねと賞賛、観客も満足し朱音はベッドの上で大会も終わり緊張の糸が解けたのか舞台を降りるなり”こてっ”とで体調管理に難があるものの優勝したのは朱音です。正明に”作品派”について問われ朱音は貴方達は落語に捧げていると…
だから私も持ってる全部で噺に尽くしましたとし、正明は気付き一つで出来る芸当ではない、研鑽の跡が伺えると評しつつその有り様は頂けないと”死神”の稽古を約束し朱音ガッツポーズです!正明は出演者一人一人回って丁寧で審査員は今度落語連盟100周年記念特別興行という大規模落語会の噂を掴んでいます
皆で打ち上げし朱音はからしの問いに”了見”吝い…お金を惜しむ心持ちをより深く掴む為ホテル取ってたけど海の辺りで一夜を明かしたと熱中症リスク度外視で呆れられます。ひかるは海行ったら落語上手くなると酔ったフリをし、実際海に行き覚悟の差を測り正明の総評を思い出します
70点台は二ツ目相応、80点台は時に真打をも脅かす、90点台は真の十八番を目指す門出、100点のない芸の荒野をどうぞ突き進んでとされ、感想は遠かぁと2人はまた追いかける日々が始まります。皆で花火を楽しみます
一生の労い
瑞雲大賞から10日、泰そんは朱音を家に送ると今はリサと同居しており彼氏と勘違いされその後朱音大忙し、優勝効果で高座大盛況で独演会も100人キャパほぼ売り切れです。兄さん達からも祝われみくは祝勝会だと喜びますが朱音一生に大賞の報告に行きます
高層ビルの33階に呼び出され打ち負かしたい認めたくない相手なのにもやもやします。エレベーターで魁生は兄弟子として一生一門の流儀を教えてあげると3階で降ろされドレスコードが決まっており高級服を新調され一生は労いだとコース料理を一緒に食べます
”笑わせるな”…よく汲めたなと経ずして実らずでお前は讃えるに相応しいとベタ褒めです。朱音は近づいて知って大きくなってく真逆の感情…この男への敵意とーと複雑です。一生は一つだけお前の言う事を聞いてやるとし、色めき立つ朱音に手札と時間をくれてやると考えさせます
最後に11月に開かれる阿良川一生の一門会”一生會”昼夜二部公演の昼の部を2人に任せるとし、朱音一生一門に括られるのが嫌で反目しますが23日は先代志ぐまの命日なのです。”志ぐまの芸”を追う者としては興味出て来たんじゃないと魁生、朱音は顔を叩きやるからにはガチでいくんでと意気込みます
”一生會”は日本一絢爛豪華な落語会
3人で会い”一生會”は日本一絢爛豪華な落語会で集客力=”独演会一興行で1000人以上の集客”が真打昇進試験の条件で破門騒動以降に決まったルールです。阿良川四天王クラス→ひかる→嘉一・からし→朱音と続き声優効果でひかる数は多いです…一生會は真打への登竜門なのです
朱音は時間で魁生の独演会に向かうと1000人キャパ満員で嘉一もおり何と魁生は真打になれなかったのです。魁生は幼い頃一生に弟子入り志願し今に至り嘉一は朱音なら兄さんの芸に滲む”己”を感じ取れると高座に全集中です。この夏の盛りに寒さで貫き真に迫る”重み”を見せます
真打昇進試験で死神を好演した魁生でしたが一生がネタ被りの御法度で死神で禁を犯してまで彼はあの程度で足ると思うか?この俺に並ぶ”真打”の位にーと問い高座後全生が審査結果の撤回を要求、連鎖的に異議申し立てが起き己が師匠の手により魁生の挑戦は潰えたのです
魁生はその一挙手一投足すら憎くて憎くて堪らない、美談になんかさせない、必ず目に物見せてやる許さねえぞクソジジイと演目は「睨み返し」で嘗てない荒々しさで会場を圧倒します。あの時のまいけるの様で生々しい現実感・剥き出しの感情から来る迫力は”己れ派”の芸で”作品派”と対を成す流派です
一剣曰く”一生”の後継と成る為に必要な過程なんだろうーと。高座後魁生は朱音を散歩に誘い2人はお互い同じ匂いを感じます。”志ぐまの芸”を追いかけてるか問うと逆で許せないと阿良川志ぐまが全ての元凶で因縁の末にいると相対し会を死神双宴とし元凶の意味は僕を上回れたら教えてあげると上等です
正明から朱音に死神の稽古の日程の案内通知が来る所でこの巻は終わります
まとめ
朱音は2人の真意に達し消える高座で圧倒し瑞雲大賞を優勝してしまいます。終了後ころっと倒れた朱音、正明は演者一人一人を労い朱音に死神の稽古を約束します。朱音の念願も叶いここから風向きも変わって来て高座の集客も目に見えて増加、優勝効果です
あの一生からも労われますが、朱音は心許した訳ではなく、あくまでどす黒い憎悪が残ります。一生は”一生會”の昼の部を2人に任せるとし、会の日取りは先代志ぐまの命日です。あの魁生ですら真打昇進を一生に潰されており、お互い一生に対してどす黒い感情を併せ持ちます
一生は手懐けるのではなく、敢えてこういった憎悪の感情を上手く利用し後進を育てているのかもしれません。常人では到底耐えられないこの仕打ち、分かっていても朱音は一生を憎みながら従わざるを得ないのです…死神双宴と決まり正明からも死神稽古の日程連絡がある中、22巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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