前回までのあらすじ
入院するスークの元へ母を連れて行ったテンマ達は、テープの内容を確認します。ヨハンの独白が続く中、唐突にテープは新しく録音された内容に変わり、その声は現在のヨハンのもので、自身がどこへ行くべきか悟ったとテンマに語り掛けます…
一番残酷な仕打ち
ルンゲは長期休暇を取ってプラハを訪れ、プラハ署のネペラ署長と強引に面会します。一連の事件について話を聞き、例の絵本の翻訳を頼みます。スークの同僚にも話を聞き、アンナの存在から、絵本の出版社にも赴き、そこでやはり同著者の双子のラフスケッチを見つけ、ネペラの翻訳でヨハンというワードを聞き出し、ルンゲは一本に繋がったと感じます
テンマとグリマーはビーアマン宅に行き、そこで孤児からグリマー宛の手紙を見つけます。孤児院を訪れると、出掛けていたアントニン達が金髪の美女を発見、ミローシュがいなくなったと言います。スークの母と面会したルンゲは、過去訪れて来た人物の中に金髪の美女が実は男だったと打ち明けられます
アンナ(ヨハン)はミローシュに母の話から人間の生の不条理について説きます。テンマ達はアンナの居所を掴み、押し掛けますが、そこはもぬけの殻です。ミローシュの身を案じた二人は捜索を続けます。ヨハンなら一番残酷な仕打ちをするだろうと読むテンマ、事実ミローシュは母のいると思われる娼婦街に単独で向かわせられます
ミローシュは娼婦街の惨状を見て、自身が望まれて生まれて来たのではない事を悟ります。橋から飛び降りようとするミローシュを見つけたグリマーは、何とかミローシュを抱きかかえ、生まれた意味はあると抱きしめ涙します
絶対開けちゃいけない扉
入院するスークと面会したルンゲは、一連の事件の真犯人についてスークを問いただします。一番疑いたくない人物を疑えと言い、病室を後にするルンゲは、流れでランケ大佐とも会います。エミル・シェーベの絵本から、同著者と思われるペンネームから所在を調べ、赤いバラの屋敷に行き着いたルンゲは、屋敷の奥の北側の壁を壊しても良いか問います
本当の恐怖を見ることになるぞと脅されたルンゲですが、構わず壁を壊すと、更に扉がそこにはあります。フランツ・ボナパルタの消息を追うテンマは、かつての担当編集者(ゾバック)に会い、彼が以前去り際に絶対開けちゃいけない扉の話が案としてあると話していたと言います
ゾバックはテンマは指名手配犯だと気づき、後程通報します。ルンゲは扉の中の部屋に双子の母と思われる絵を見つけます。ミローシュを見送ったテンマ達は、スークの母にも会い、テンマの現在の境遇がスークと酷似していると感じます
グリマーは連続殺人犯からの手紙を警察に送る案をテンマに伝え、自身が一生追われる立場になっても構わないと言い、二人は別れます
ついに逮捕されるテンマ
転んだ男の子の治療をしていると、テンマはついに警察に捕まります!ライヒワインに診察されるタールバッハは自身の愛人を診察して欲しいと言います。上客(シューバルト)の往診の予定があると言うライヒワインは、シューバルトと面会します
食欲のないシューバルトは怪物の存在に怯え、過去マルゴット・ランガーを捜索した際とある女の後ろに聞き耳を立てる双子の子がいたと話します。ライヒワインはニュースでテンマ逮捕の報を聞き驚愕し、同時にエヴァも診察に訪れており、同じく戦慄します
テンマと関わりのあった人達は皆、テンマがこんなことをする訳がないと一致します。シューマンや、アジア人街で働く女医、そしてシューバルト等主だった人物皆テンマの身を案じています。ライヒワインと共に電車に乗るエヴァは、「あたししか彼を救えない、見ちゃったの」と言い笑います。テンマが監獄に囚われるところでこの巻は終わります
まとめ
長期休暇を利用して一連の事件について調査を進めるルンゲは、バラの屋敷の奥の部屋の壁を壊し、入ってはいけないと言われる扉を見つけます。中はガランとしており、ここで何人も殺されたと感じるルンゲは、双子の母と思われる人物の絵を見つけます
アンナを追う孤児達の中で、アンナ(ヨハン)に捕まったミローシュは一番残酷な仕打ち(娼婦街に単独で向かわせられる)をされます。その惨状を見て気が狂いかけたミローシュですが、グリマー達のお蔭で何とか正気を取り戻します
グリマーは自らの危険を顧みず、連続殺人犯からの手紙を警察に送る決心をします。ここで別れたテンマですが、ゾバットの密告もあり、ついに警察に逮捕されてしまいます!テンマと関わりのあった人物は皆テンマの無実を訴え、行動に移します
ライヒワインと共に電車でどこかへ向かうエヴァは、何か真相について知っているようです…13巻ではどんな話が待っているのでしょうか?
おまけ
浦沢直樹先生の作品に、20世紀少年があります。数々の賞を受賞し、実写映画化(3部作)もされた名作で、累計発行部数は3600万部と、著者最高売上を誇る作品となります
コメント