「バガボンド」4巻の数々の激戦と成長譚~おつうへの想いは邪な感情!?全てを受け入れられない若い武蔵、槍の宝蔵院へ!!対阿厳戦!!~

前回までのあらすじ

又八は屋敷から出てきたのが武蔵であったと今さら気づきます。追いかけると人とぶつかり喧嘩になります。又八武蔵のことを想いながらボコボコにやられます…

それぞれの思惑

おつうの夢を観ている武蔵、気づくととある長屋にいます。看病してくれたと髪の伸びた沢庵がそこにいます。沢庵の髪を切りながら、伝七郎と約束した通り、一年間でさらに強くなると誓います。又八から聞いていたようで、城太郎)は武蔵伝七郎と五分の闘いをしたのだと目を輝かせます

奈良に行こうとする武蔵城太郎も付いていくと言います。おつうのことが気になる武蔵沢庵の話だと、ある御仁のもとで奉公しているということです。また、本位田のおばば武蔵おつうを追って旅しているということです

植田清十郎のことを考えています。先代との思い出の全てを燃やされて、何も思わないはずはないと…。伝七郎柳生石舟斎に逢いに行くと旅に出ます。祇園藤次武蔵の行方を捜しています。宿の親父が陰口を言っていると、それを聞きつけ、何と髷だけ切ってしまいます!藤次吉岡の刺客だと息巻きます

武蔵の煩悩

武蔵沢庵が歩いていると、城太郎も付いてきます。自分のことで精一杯の武蔵は、城太郎を置いて旅を続けます。誰かを連れて旅をするのも修行の一つと説く沢庵ですが、まだ武蔵はその境地にはいません。武蔵沢庵に相談をします

又八は自分が人相書きに描かれていることを知ります!お甲の元へ事情を話しに行きますが、話になりません。朱美武蔵が生きていることを聞き、涙します

おつうの夢ばかり観るという武蔵に、沢庵は人間らしくなったなあと言います。「今のお前ならワシでも簡単に斬れるわい」と豪語する沢庵、棒切れで勝負しようと言います。腕にある程度の自信がある武蔵は、「こんな棒キレでも死ぬかもしれんぜ」と脅します

沢庵がおつうのことを話し始めると、武蔵は油断し、沢庵に一本取られます!卑怯ではない、それも兵法のうちだと悟った武蔵は、自分の未熟さを呪います。川に飛び込んで自分を奮い立たせます

お甲から家を追い出された又八は、宮本村に帰りたいと願います。人相書きを観たおばば権じい宮本武蔵が(たけぞう)だと悟ります

武蔵の煩悩について、沢庵は「一本のにとらわれては森は見えん。どこにも心を留めず、見るともなく全体を見るのだ」と説きます。沢庵はおつうのいる柳生へ、武蔵槍の宝蔵院へ向かいます

槍の宝蔵院

ありのままの自分を認めてしまえと言われ、おつうへの想いを邪なものとも思わず受け止めた武蔵は、吉岡を必ず倒す、俺が天下無双だと息巻きます。すると城太郎と出くわします。どこにも帰る場所がないという城太郎を連れて、一緒に強くなろうという武蔵は、興福寺を訪ねます

道に迷った二人は、鍬仕事をしている老坊主に声を掛けますが、武蔵は物凄い殺気を感じます!一瞬鍬で腕を突かれた気がしますが、武蔵の気のせいでした。城太郎が道を聞くと、坊主武蔵に「何という殺気か」と説きます

宝蔵院では阿厳という巨体の僧が次々と挑戦者を倒していきます。「阿厳。そなたを屠った者の名だ」と決め台詞を吐くと、祇園藤次が現れます!武蔵を探す藤次ですが、ある坊主に小馬鹿にされたため、勝負となり、一刀で両腕を斬ってしまいます

阿厳同様「」と他の僧に促しますが、恐れて誰も名乗り出ません。「一日一人としておこう」とまた明日来ると告げ藤次はその場を後にします。阿厳はその夜臆病者はいらぬと名乗り出なかった僧を打ち倒します

老坊主武蔵の殺気が不細工だと言います。「わしの殺気がお前の殺気、わし始め他人はそれを写す鏡にすぎぬ」と言います。「お前自身の殺気が出会う者すべてを敵にする」と言うのです。道が分かった二人は歩き始めますが、武蔵は整理が付かず、再度老坊主を訪ねます

武蔵VS阿厳!

老坊主の家で飯を食いながら、彼の目を見ていると、全てを見透かされている気がすると武蔵は感じます。強い者の議論をしながら、なんと酒を吞むことになります(笑)酔っ払いながら、本当の強さが分かったとして、その頃まで生きてられるかと言われます

胤舜阿厳と夜槍でやりとりしながら、藤次武蔵のことを話しています。阿厳の腕は相当ですが、その上をいく胤舜幼い頃手合わせした清十郎の弟と互角にやりあった武蔵、そして藤次のことが楽しみだと嬉しそうです

翌朝槍の間合いは遠いぞと釘を刺されて、武蔵宝蔵院を訪ねます。霧煙る中修行をしている阿厳は、物凄い殺気を感じます。いきなり喧嘩腰の阿厳武蔵胤栄以外にも出来る奴はいるのだと納得します

二人の勝負が始まります。槍が丸太のような圧力で迫る阿厳に、序盤圧倒される武蔵剣を弾かれ、一貫の終わりかと思いきや、喉を突かれたものの紙一重でかわし、俺の間合いだとなんと素手で殴って倒してしまいます!

俺の木剣が落ちたらこいつの突きも粗くなった…俺も気を付けよう」と戒める武蔵、その闘いを陰で観ていた藤次が「見事」と手を叩いたところでこの巻は終わります

まとめ

沢庵に自分の煩悩を相談する武蔵、実に青年らしい悩みですが、武蔵は剣の道を行く者として邪な考えだと感じています。沢庵は全てを認めてしまえと言います。どんな達人でも剣達者でも、同時に様々な感情を抱えています。今はまだ周りが良く見えていない武蔵おつうへの想いがまだまだ良くない考えだと感じてしまうのでしょう

武蔵を中心に、様々な人達がそれぞれ動き出します。武蔵を追う者、修行に出る者…きっかけを、火を付けたのは他ならぬ武蔵なのです!それ程既に他人への影響力を放つ存在なのです

剣を極めたい武蔵は槍の宝蔵院に向かいます。途中出逢った老坊主に殺気のことを指摘され、思い悩む武蔵他人は自分を写す鏡とは良く言われる格言ですが、武蔵のギラギラした殺気は、返せば相手には脅威を与えてしまっているということなのでしょう

阿厳胤舜という新キャラが出てきますが、武蔵が倒したいのは胤栄。この若い胤舜とは何者なのでしょうか?阿厳は相当腕が立つ男ですが、なんとか倒してしまう武蔵祇園藤次も現れ、役者が揃いつつあります。武蔵の望み通り、槍の宝蔵院の神髄を垣間見ることは出来るのでしょうか?続巻も読みましょう!!

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