前回までのあらすじ
黒田が累積で亀井が代わりに出て気負う中、宮野と共に狙われ千葉は嫌なサッカーを展開します。ミルコビッチ監督はリーグを戦うという事はそう容易な事ではない、調子に乗っていられるのも今のうちだよ新米監督…と蔑みます…
カレーパーティーとベテラン起用
堺のチャンスから逆にカウンターを食らい村越がイエロー、累積で次節出られません。一方有里は赤崎が結果出したと騒いでおり、五輪代表でアシストを決め、達海はSB起用について何か思うところがあるようです。ジャパンカップは横浜に連勝で予選リーグ突破、8強に残るだけで3年振りです
ゴールを決めたジーノは左足に張りがあると言い、達海に直談判し次節は村越・ジーノ抜きです。去年は試合に飽きて自ら途中交代を願い出る場面もあった為、松原は今シーズンの出来によっぽど達海との相性が良かったのだろうとします。物思いに耽る達海はある事を思いつきます
後藤にカレー奢ってくれと言うと、選手達に買い出しに行かせ、カレーパーティーを開くと言いだし黒田は渋々ビラ配りに向かいます。食堂のパワフルおばちゃん達を味方に付けて村越等全員巻き込むつもりです。雷門で椿を見つけたコータ達が喜び、クラブハウスに人が溢れます
達海の意図としてはベンチ・フロント・サポ等クラブに係わる沢山の人その全てが同じ方向を向いて同じ気持ちで戦うんだ、それが出来りゃETUはもっともっと強くなるとします。選手の働きを見て達海は川崎戦のスタメンを決めます。黒田は椿がキャプテンマークなのが不満で、自身がやると聞きません
達海は陰のキャプテンは黒田だとし、羽田は村越・ジーノ不在の今こそ俺達の声だとサポを煽ります。スカルズと敵対するゴロー達、コータがカレーパーティーでのベテラン選手が優しかった事を思い出すと、事実スタメンは堺・堀田・石神・丹波と平均年齢が高く、ベテランで勝負して来ます
円陣では黒田が仕切る中、生まれて初めてのキャプテンマークに落ち着かない椿、攻守の要:八谷がマッチアップです。ネルソン監督はETUで乗せると面倒なのは椿だと見抜いています
若手主体VSベテラン主体の構図
暑苦しい八谷、達海は椿はこの試合やる事シンプルだから丁度いいと楽観的です。村越がいない分前でプレスをかけるETUに八谷→近藤→姜昌洙ですがオフサイドです。22歳にして韓国A代表の上、ロドリゴに左サイドの草野、トップ下の浅香と若手が多いです
八谷の評価が高まったのはネルソンに見出され川崎で中盤の底を任されてからで、正に育成発見型の監督です…達海もウチの選手の伸びしろだってまだまだあるってトコ見せてやんねえとな…と強気です。村越は選手間の共通意識と悪条件に対応出来る技術が必要だと分析します
堀田→丹波→堺と繋ぎ当然グラウンダーのシュートですが、川崎の守護神の星野は慌てません。若手主体で勢いに乗る川崎相手に今日のETUはベテラン主体です。山井は藤澤に椿の記事の事を茶化すと藤澤はスカウトの笠野が捕まらなくて未完成だと言い、彼が「椿を達海の再来だ」と言っていた事が気になっています
迷いの見える清川のところを突かれ近藤が突破、ここでコースがない中姜昌洙はネルソンの言葉を思い出し豪快にミドルを決めます!川崎に勢いを感じる藤澤、山井は姜昌洙が本人の希望で通訳を付けていないと語り、ハングリーの賜といったプレーです
責任を感じる清川に対し石神は軽くベテランのくせにいい加減です。八谷が熱く語り鬱陶しく感じる椿ですが、八谷はネルソンに才能を伸ばして貰った選手ばかり、優勝監督にさせてやりたいと一つにまとまっているのが強みだとし、達海にそれ程の器はあるか…?と強気です
椿キャプテン起用の意図
回想では八谷は移籍を繰り返しポジションもいいようにコロコロ変えられもう監督のいいなりにならないと決意固く川崎に加入しますが、今度はボランチをやれと言われ、八谷がこの移籍失敗だったか…と嘆くとネルソンは伸びしろを見つけるのが得意だと語り、私とやれば化けるよと豪語します
ネルソンの希望で獲得され、運命共同体だと言われ、八谷はここまで人に期待された事があったか?と感じます。昨季はチームは好成績だったもののタイトルとは無縁で、今年こそタイトルを獲らなければと八谷は躍動、サイドチェンジで周りが見えています
草野が姜を囮にロドリゴでと判断したところで石神がカット、活躍の仕方が地味です(笑)ここで堀田のカットから石神→赤崎と繋がります。椿が八谷の徹底マークの中フリーの丹波はピッチコンディションを踏まえミドルを打ちますが勢いを殺してからキャッチと星野は落ち着いています
若手・勢いに敏感な松原に対し達海は重要なのは年齢じゃないし、ベテランだから起用した訳じゃないとします。堀田はすっかりサブ組の考え方になっていると自覚し、テクニックはあっても個性がない、他の選手の代役…それが俺の生きる道なのかもしれないと感じます
ネルソンは今日の椿は囮で八谷を消す為だけにピッチに立っていると見抜きます。清川のナイスクロスも星野に阻まれ前半終了です。ロッカーでネルソンは椿の意図も理解した上で戦い方は変えないと強気です。松原が煽る中ベテラン陣は冷静で、達海は1点ビハインドでも難しい事考えずに後半入っちまうのも手だと呑気です
達海は堀田にピッチコンディション最悪な中一番はしゃげる選手はテクニックのある選手だよと声を掛けます。また、椿に経験を積ませ自信に繋げようともしており、それを見抜いたネルソンは八谷に更に攻撃の起点として躍動させ、いきなり決定機を作り出したところでこの巻は終わります
まとめ
GIANT KILLINGで毎回秀逸に感じるのは何も考えていなさそうな達海が実は深いところで熟考し何事も意図がある指示を出している点です。読者に最初その意図を読ませず、徐々にその答えが分かってくる展開が毎回面白く、読み手を惹きつけます
次節キーマンの村越・ジーノが使えない中カレーパーティーという突飛な案もクラブが一つになる為の一計で、実は今回のベテラン起用もこの事が関係しているようなのです…答え合わせは次巻としますが、毎回何故達海はこういった考えをするのか?と推察するのも楽しいです
若手主体で勢いのある川崎相手に敢えてベテラン主体で応じるETU、キャプテン:椿もキーマン:八谷への囮効果に加え本人の自信に繋げる為と意図がありますが、荒れたピッチコンディションに日本代表の正GK:星野の鉄壁で1点ビハインドです…長いシーズンですからベストメンバーを毎回組める訳ではありません
しかも相手も毎回変わるので、その都度対応を考えないとならないサッカーは本当に特殊なスポーツと言えます。11巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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