前回までのあらすじ
羽田はあの場が素の自分になれる気がしたとまた観に行く事に決めます。バイトの面接で散々の羽田は荒れてふて寝の母を見てまたスタジアムに行けばこんな鬱憤吹っ飛ばせると切り替え、大阪戦を観に行きますが、達海は怪我で離脱しており、この間とはスタジアムの雰囲気がなんか違っちまってると感じます…
羽田がETU混迷の2部落ちの中スカルズリーダーへ
仕切りも不在・達海も欠場で前半で3失点、羽田が折角見つけた居場所はまた息苦しい所になってしまいます。終いにはサポ同士の喧嘩に巻き込まれ散々な中、リーダー格の石橋に「観てるだけの人か」とまで言われ、お前らみたいなお気楽十代をエンジョイしてる訳じゃねえんだよと怒ります
家でも母と言い合いになり、出て来た羽田はカベセンを頼りに旧友の下に赴きますが、何とカベセンが一昨日街で他所の中学の生徒を殴って怪我をさせたと言うのです!光を失った羽田はガムシャラにバイトし金を稼ぎこの境遇から抜け出そうとします。本当の自分を模索する羽田はまたスタジアムに行き着きます
するとアウェーにも拘らず石橋達はおり、今サポグループが乱立してて大変だと嘆きます。ドクロ団は石橋がボソボソしゃべるのでまとまりに欠け、先制され来たの間違ったかなと感じる羽田、混乱する頭の中あのダービーの試合はありのままの本当の自分だった気がすると感じています
ただ観ているだけでいいのかと石橋、サッカーの特異性を語り俺達のいつもの生活は最悪だと語ります。境遇で言ったら羽田に負けず劣らずで、てっきり同じ高校だと思っていたら去年の天宮杯の達海のハットトリックから意気投合し今に至ると言うのです
達海が抜けてバラバラになったスタンド、それでも石橋達ドクロ団は決して選手を否定しない、選手の背中を押す為の応援をする…と応援されて嬉しくない人間なんていないという言葉からカベセンの言葉に後押しされて来た事を悟ります。村越のヘッドで羽田は吹っ切れ応援に熱が入ります
2部降格して羽田はリーダーとして頭角を現し、混乱するチームを他所に選手だけは応援しようと一つにまとめ、現在のサポグループ:ユナイテッドスカルズが誕生します
フロント・スカルズの思いも十分理解している達海
チームは泥沼で、呪われたような環境の中村越は1人気張り彼等にとって誇りであり希望なのです。どんな苦境でもスカルズは応援し続け、ついに1部昇格し残留し続けています。羽田はフロントのやり方に不満で、過去にクラブを見限ったようなETUへの気持ちが弱い人間連れて来てヘラヘラしてられんだよと怒ります
副会長は話が通じないとし、このまま勝ち続ければ案外動員数だって伸びて来る、そしたらスカルズなしでも問題なく健全なスタジアムになると言ってしまいます。いつでも出入り禁止に出来るんだぞと凄む副会長に禁句の「ハゲ」と言ってしまい、流れから副会長が転びズラが取れてしまいます!
この事から副会長は激昂しここにいるお前ら全員無期限でスタジアム入場禁止だとぶちまけますが、ここで達海が仲裁に入ります。達海はサポが自分の金と時間を費やしてホームどころかアウェーまで駆けつけて応援してくれている事を知っています
フロントとサポの思いと達海が今度こそETUにタイトルをもたらしたいって気持ちはそんなに違うもんか?とし、自分の仕事を全うする、そんでお前らの中にあるモヤモヤしたもんはぶっ飛ばしてフットボールが楽しくて仕方がないって気分にさせてやるよと自信げです
結局場は達海が納め、羽田は俺達の問題だ、スカルズが暴力沙汰でクラブに迷惑かけるのはご法度だったと達海の一言で考えがぶれてる訳にはいかないと決心します。アウェーに向けてバスが出発しようという時、副会長は例の件を実は黙っており、うやむやにしようとしていました
すると羽田から有里に電話が掛かって来て騒然とします。一方じいさん3人組は町内会の日帰り旅行で「ETU応援ツアー」を企画、ゴローはスタンド仕切れと言われスカルズとかち合う為戦々恐々です
「教授」と謳われたミルコビッチのサッカー
ゴローは悪い未来しか見えず、恐る恐るスタンドに向かうとスカルズはいつもの面子が足りません。有里はスカルズの主要メンバーが活動自粛を申し入れて来るのは異例の事だとし、折角チームが上り調子の時にスタジアムに来られない事を案じます
副会長は会長に絞られ、賑やかなゴール裏は羽田達仕切りの面々がいない為様子がおかしく、シゲは俺達がゴール裏を取り返す絶好のチャンスなのかもしんねえぞ?とにやけます。山井は8戦負けなしで6位のETUが研究されてくる、そういう意味で千葉はやりづらい相手かもしれないとします
ミルコビッチはあくまで挑戦者という立ち位置で捉え、9位の千葉は相手の良さを消すサッカーがお手のものです。絶好調ジーノに夏補強したボランチのマクレガーが対し、「教授」と謳われたミルコビッチも結果を出せておらず勝負の3年目です。藤澤はETUの「強さの質」が問われるものになると感じます
千葉はボランチ3枚の王子シフトで山井は案外今のETU対策としてハマりまくるかもしんねえぞとします。村越は中央に寄せたシステムならサイドの位置を高く保てるとガブを使います。赤崎へのチェックは早く、逆に戸倉→ロベルトで右サイドの裏のスペースを突いて来ます
村越が対処しますが、達海はこの策に腹立つくらい理に適った事してくるじぇねえかよと燃えます。ミルコビッチの考えは当初チームに混乱を招きましたが、今はその指導法で考えを改めた者、率直にそのやり方についていけた者しかいないのです
右サイドの攻勢を逆に裏を突かれ杉江が対処、黒田とミスマッチが生まれ、土橋のシュートは清川が止め何とか凌ぎます。じいさん3人組がイキがる中、徹底マークのジーノはテクニックでマクレガーのファールを誘いますが流され怒ります。マクレガーは軍人のようにミルコビッチの指示に従います
山井はミルコビッチのプランはレベルが高過ぎて校則が厳し過ぎると評し、ETUは受け身になっても焦んないこった、チャンス時にいつもの好調ぶりが発揮出来るかどうかが勝負の分かれ目だと語る場面でこの巻は終わります
まとめ
羽田のように人生の挫折を経験した者は、何か光に縋りたくなります。毎日クソみたいな生活の中、唯一の生きがいとして見出したのがサポとしてETUを応援する事でした。このような境遇の方は自分含め多くおられると思います。人は失敗・挫折を繰り返し、それでも前を向く生き物です
そんな強い思いがある羽田は例え2部降格しようが常に選手だけを応援し続け、10年という長い間スタンドを仕切って来た自負があります。達海や笠野がチームを見捨てていったと感じているのも分からなくはありませんが、何としてもこの溝を埋めなければ確執はなくなりません
今回達海が間を取り持った事もあり羽田達スカルズ主要メンバーは活動自粛を申し出て来ます。アウェーでどんな遠い場所でも駆けつけて来た者達のこの訴えに、フロントも思うところがあるようです。そんな中呑気に「ETU応援ツアー」を企画したじいさん3人組、板挟みのゴローは大変です
しかも羽田達がおらずシゲは俺達のゴール裏を取り返す絶好のチャンスとまで言うのです…この一騒動に加え、肝心のサッカーでは好調ETUをしっかり研究してきた千葉のミルコビッチが不穏です。ピッチ内外で話題の絶えないETU、サポと一つになって勝利に邁進出来るのでしょうか?26巻に続きます…
コメント