前回までのあらすじ
石浜のミスからカバーした赤崎がイエローを貰い前半0-1、ロッカーでサイドが本気さを感じないと喧嘩になりますが、達海はやらせとけば?と相変わらずです。強くなってんのか分かり辛い結果になってるとし、勝ちたがってんなら素の想いをケンカしてでもすり合わせりゃいい、それが次々広がってチームが一つになると諭し、世良に後半どっかで行くから準備しとけよと話します…
負けなし絶好調大阪ガンナーズ戦
ダルファーは次節当たるETUが新潟に0-1で敗れ、未だ負けなしの大阪について通訳のソノダはべた褒めしつつ世良が出た後半はETUのゲームだったと評し、今節の試合に臨みます。達海は村越と密会しチーム状況について確認、明日から「対大阪戦」用の猛練習だと意気込みます
大阪は甲府相手に前半40分で4-0という圧倒的強さを誇り、結果8-0の大差で勝ちますが、ブランは試合を見逃しイラ立ち、次節のETU-大阪戦は視察に行くと相変わらずの我儘ぶりです。達海は作戦を指示すると、黒田は反発するものの面白いとし、達海はこの試合を面白がれるかどうかだと自信げです
コータも意気上がりますが大阪は日本代表が4人もおり4トップの超攻撃的布陣、そこに視察に来たブランが現れ、活躍次第ではETUからも代表が?と夢膨らみます。館内で達海とダルファーが鉢合わせし、ブランは隠れてこの前哨戦に喜び盗み聞きします
腹の探り合いの両者、ところが達海はオランダって人口より自転車の数が多いってホント?と珍奇な質問をし気負いを感じられず、ダルファーはお互いベストを尽くそうと強気です。片山と畑は各々俺にパスを出せと志村に要求しますが志村は我が道を行くトンチンカンさです
異常に髪型を気にするハウアーすら不機嫌にさせ騒がしい中、窪田は大人しいです。達海は探していたジャケットが見つかり、ダルファーがいつもの超攻撃的布陣で来てくれると安心です。ダルファーはETUは相手によって戦術を変えて来るチーム、我々は自分達のスタイルに誇りを持ったチームだと語り圧倒すると豪語します
敢えてミスマッチのチョイス
ETUのスタメンは緑川・黒田・杉江・清川・石浜・村越・椿・ジーノ・赤崎・世良・夏木とFW2枚の攻撃的布陣です。藤澤はここ2日ETUは練習非公開で何か策があると見抜きます。久堂は写真を撮りながら両監督がいい顔してやがると見応えのある試合になりそうな予感がします
各々気負いが見られる中村越中心にまとまり、予想通りマンマークで始まります。小兵の窪田に大柄な杉江が付き、逆に巨漢のハウアーに小さい黒田というミスマッチ、20cm差でも逆に燃えるぜと気張ります。当然当たりが強いハウアー、難なく納め片山に展開、清川を翻弄します
何を考えているか読めない窪田は畑を選択、枠を外れますがいきなりフィニッシュまで持ち込みます。黒田とハウアーは言語が通じない中早速やり合っており、達海は序盤はお前の出来にかかってんだと期待します。ジーノのパスは長く、椿がギリギリ追いつけませんが平賀は前節欠場しているジーノの足の事を案じます
志村からボールを呼び込みハウアーのポストから自ら仕掛けますが黒田が対応、セカンドボールを窪田が拾うと片山に展開しますが清川がブロックします。黒田はリーチと高さは認めつつタイミングとポジショニングさえミスんなきゃ勝てる、CBに身長なんて関係ねえと強気です
ダルファーの攻めろ攻めろ光線から志村はパスが雑でもハウアーのキープ力を信頼しています。今度は片山の後ろの畑をチョイス、石浜クリアもまた拾ったのは窪田です。椿が挟みに行くと杉江の股を通しハウアーから片山です。清川ブロックも今度は畑、これも外れるもまた窪田が拾います
一見地味な窪田無双止まらず…
後藤は選手は集中している、必ず流れは来ると信じています。ダルファーは大阪が攻撃的たる本当の理由は前線の圧倒的ボール支配率にあると評します。清川は片山に騙され切り込まれ、黒田が釣られハウアーの豪快ヘッドが決まり大阪先制です
前半17分の良い時間帯の得点に喜ぶダルファー、そんな中達海は杉江に指示です。赤崎は清川を蔑み、空気が悪くなる中圧倒的に攻められて失点なんて去年幾度となくあったじゃないかとジーノは笑顔です。山井が藤澤にETUが先制されると逆転勝ちにほとんど縁が無い事を指摘します
流れを変える意味でジーノが夏木にパスしますが持ち過ぎで奪われカウンターも、志村を村越がカット、再度ジーノから椿へのパスは長く平賀は浮かない顔のジーノが今日間違いなく不調だと確信します。大阪は実は日本代表は中盤とDFにおり、それに加えての豪華攻撃陣なのです
達海も信頼を寄せる黒田はハウアーに競り勝ちますが、セカンドボールをまた窪田が拾います。何を考えているか読めない窪田はクロスを上げハウアーの裏の片山のヘッドを緑川が危機一髪凌ぎます。窪田を当然ブランもチェック済で、U世代の代表時の実績は皆無も守備的MF登録だったのです
ダルファーは窪田のセカンドボールを拾う洞察力と判断力の才能を見抜きFWで開花させ、達海はその理由が分かってないと杉江は勝てないと読みます。ゴールへ向かうボールへのパスコースだけ防ぐ事を意識する杉江ですが、ダルファーは窪田の仕事は中盤のMFじゃなく点を取るFWなのだよと語り、事実畑から窪田が得点するところでこの巻は終わります
まとめ
連敗→連勝→引き分け続きから敗戦と流れが悪い中未だ負けなしの超攻撃的サッカーを展開する大阪との一戦は、ジャイキリ的には大いに可能性は感じさせますが、試合自体は完全に大阪優勢なものとなります。とにかく攻撃が途切れないのです!
大阪は4人の日本代表を擁しており、それは中盤・DFに集中していますが、このチームの魅力は何といっても攻撃陣でしょう。片山・畑のユース上がりの我の強いサイド攻撃が強烈で、最前線のハウアーのキープ力も脅威です。そんな個性豊かな陣容の中で一際目立っているのがセカンドボールを拾いまくる地味な窪田です
予測不可能な動きと元守備的MFという経歴を活かしたボール奪取力は抜群で、彼に脅威を感じた達海は敢えてエースCBの杉江をぶつける賭けに出ますが、裏目に出て得点まで許してしまいます。今巻は完全に窪田無双の巻でした。個性的な選手に目が行きがちな中、こういった地味な選手が活躍すると逆に痛快です
引き分け続きからの敗戦で後がないETU、2点差とされホームながら圧倒的劣勢です…ここからのジャイキリに期待したいところですが、8巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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