前回までのあらすじ
人一倍試合に出たい日向に’’がむしゃら’’だけでは越えられない壁がある、いつも万全でチャンスの最前列に居なさいと諭し、成田と交代です。チームメイトが優しく宥める中、ライバルの影山だけは「俺の方が長くコートに立つ」、今回も俺の勝ちだと非情です
無情にも試合は続く中、星海は日向を待っている(今後の試合で)と宣言し、宮侑は稲荷崎と’’ネコ’’と’’カモメ’’でやっと妖怪を倒したなと感じ、日向が谷地と病院に向かいます…
「俺たちの春が終わる」
経験不足・準備不足、全部ひっくるめて俺達の全力と日向抜きの烏野は円陣を組みます。離脱した日向を励ましに狐爪がタブレットを持って現れ、移動しながら戦況を見守ります。拮抗した試合は鴎台の2枚替えで強いターンを持続させる作戦です
田中が強気の超インナーを決め、影山サーブは乱し再度田中の超インナーはチャンボとなり、同時多発位置差攻撃で月島は足が攣り失敗します…まさに満身創痍です。ここでローテ的に菅原は山口INを指示、コートの中は絶望しているヒマなんかないのです
早速山口を使いますが、ついに鴎台が23‐24とマッチポイントです。執念のワンチが続き、澤村渾身のトスが繋がり旭で勝負もブロックアウトは拾われ、無情にも星海のアタックは西谷が納めきれず田中が執念で追いますが返せません。澤村は「俺たちの春が終わる」と天井を見上げます…烏野は春高準々決勝敗退です
日向もタブレットから敗退を知り、病院から先に宿に帰ります。冴子は宇内を見て今の日向があるとし、宇内は俺がモンスターを創ったかもしれない…悪くないねとにやけます。同時に何と優勝候補の井闥山が敗れる波乱があり、今年の「全国3大エース」全員敗退です
雲雀田は挑む者だけに勝敗という導とその莫大な経験値を得る権利がある、今日敗者の君たちよ、明日は何者になる?と投げかけます
烏野のその後と日向の現在
月島が鴎台のブロックの録画を見たいと言うので澤村はお前らはアザラシかっ(赤ちゃんは成長が早いのです)と笑います。田中は清水の荷物を持ちますと告げ、初めて持たせて貰えます。影山はこの烏野でもっと上に行きたかったと言い、菅原はお前からそれを聞けただけでここに来た意味があると涙します
澤村は更にチーム躍進の陰に武田の献身があったと感謝を告げ、武田は負けは今の力の認識であっても弱さの証明ではない、これからも何だってできる‼と話します。3年は誰も謝ってなくて良かったと感慨に耽り、疲れた中飯を食い、別室で休む日向も烏養に諭され泣きながら飯を食います
春高から帰り、澤村は今までの様々な事を思い出しながら、仲良く喧嘩する日向と影山に後を託し、3年は卒業します
ー数年後、ブラジル・リオネジャネイロで日向は配達の仕事をしています。谷地は大学3年でデザイン会社のアルバイトをしながら、烏野がその後初夏IH予選決勝で伊達工に敗れ、次の春高では全国3回戦で稲荷崎に惜敗、最後の春高では井闥山に敗れ全国3位になった事を語ります
影山は引く手数多の中Vリーグへ進出、海外も視野に入れています。日向は去年から地球の裏側におり、ビーチバレーに転向しています。伝手を探してくれたのは何と鷲匠で、俺以上に日向翔陽に期待する人間が居てたまるかとその可能性を信じているのです
日向はルームメイトと暮らし、配達やジュニア・観光客の教室の手伝いで稼いでいます
地球の裏側でまさかの大王様と再会!
ブラジルでビーチのペアを組むのはカジュアルで電話一本でちょいちょい変わるのでスポンサーもペアじゃなく個人につきます。日向はブラジルに来たばかりの時はバレーとの違いに面食らって順応にも時間がかかり、配達中財布を無くしたり心折れそうになる時も持ち前の前向きさで乗り切ります
ある日夜ビーチバレーに興じていると、何とそこに大王様が現れます‼及川は海外挑戦で何とブラジルに居たのです…この二人の写真は日本の影山・牛島(同じチーム所属)も驚きます。及川はアルゼンチンのリーグでプレーしており、財布を無くした日向と食事に行き経緯を話します
及川は以前仙台で日本VSアルゼンチンの試合を観て’’スターの卵エース’’を復調させた地味で老練なセッター:ホセ・ブランコに感銘を受けサインを貰い、憧れのホセはその後Vリーグの監督となり及川は彼を慕い師事を仰ぎますがホセは帰国、及川は元々海外志向だったので付いて行ったのです
及川とビーチバレーをし、慣れない及川と共に試合する事になり、相手は手練れでビールを奢ります。日向は勿論室内バレーを視野に入れているので、インドアのジュニアチームでも練習しています。日本のアニメからルームメイトと打ち解け、翌週再度例の相手に及川と勝負します
及川は即ビーチバレーのコツを掴み、日向に絶妙なトスを上げ、辛い時もあるけどバレーは楽しいと忘れては思い出すと実感します。ビーチバレーは頻繁にコートチェンジが行われ、条件を一緒にする事が求められます。風を掴むことが重要で、みるみる良くなる連携、及川の向上心に日向も引っ張られます
結局勝ち飯を奢らせ、及川とは2年後の再開を喫して別れます。その後も日向は鍛錬に鍛錬を重ね、日本のニンジャと言われる程に有名となるところでこの巻は終わります
まとめ
ハイキュー!!がここまで評価されている一端として、準々決勝敗退とその後が描かれた点があると思われます。スポーツものはどうしても頂点に立つ描写が王道で、DEAR BOYS等長編となりがちですが、ハイキュー!!はスラムダンク同様途中敗退ものとして描かれます
しかもその後を高校生編とせず、社会人編として各々のその後が絶妙に交差するように上手く描かれており、そこがまた評価される所以でしょう。烏野のその後は意外にもあっさり語られ、進路として引く手数多な影山はともかく、主人公の日向は何とビーチバレー転向、地球の裏側にいるのです!
そこでたまたま出会うのがあの大王様というのも秀逸です。牛島も影山とチームメイトである描写もあり、バレーという競技性上いずれプロ等になり続ける者、潔く引退する者等今後が追々語られますのでお楽しみに!修練に修練を重ね、日本のニンジャとまで言われるようになった日向、インドア復帰はあるのでしょうか?43巻に続きます…
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